NEWS
2022.07.07
全日空商事 空港店舗商品のEC、現地の目利きで生鮮品など販売
全日空商事では、コロナ禍で航空機の利用客数が落ち込んでいた中、全国の空港で土産物などを販売する「ANA FESTA」(画像)と連携したECを昨年から本格展開している。
同社が運営する通販サイト「A―style」では、昨年初頭より同じANAグループ内のANA FESTA専用売り場を開設。全国各地で運営し、それぞれの地域の人気産品を知る同店舗がピックアップした商品を特集して販売するページとなっている。
同社がANAFESTAの各店から商品を仕入れて販売する仕組みで、ページ内では空港やエリアごとに商品を検索できるようになっており、全品送料込みの値段となっている。
ギフト向けの商品が中心で、地域産品として人気の高い生鮮食品などが多い。一例として新千歳空港の「ラーメン道場セット(5種セット)」(税込価格4338円)や、仙台空港の「味の牛たん喜助 牛たん詰合せ(職人仕込牛たん130g×2)」(同6541円)、福岡空港の「博多すいとうと もつ鍋醤油&もつ焼き味噌セット」(同6397円)などがある。地域にある幅広いジャンルの商品をまんべんなく扱うというよりも、その土地を代表するような名産品を軸に充実させた品ぞろえとしている。
商品の選定に当たってはANA FESTAのスタッフが担当。現地で働くスタッフだからこその目利きを活かして、知られざる地元人気の商品なども扱えるという。
もともと、空港内の実店舗では売り場面積に限りがあり、また、冷凍・冷蔵など管理上のハードルもあることから、リアルでは取り扱えない商材も少なくなかった。今回、ECでの販売メリットを生かして、そうした商品も含めてA―style専用で提供。現在までのところ、生鮮食品を中心に売り上げが伸びているようだ。
常設の売り場として今後も運営
今春以降、コロナの感染拡大の状況にも落ち着きが見られており、並行して空港への客足も徐々に回復傾向に入っていた。しかしながら、同企画はコロナ禍だけの期間限定で行うものではなく、常設で展開していく予定だという。「コロナの状況だからではなく、今後、会社として成長していくためにどうやってリアルとネットをつなげるかは模索している最中」(同社)と説明。
ANA FESTA側としてもこれを機会にEC領域により深く関わっていくことができ、また、ECで先行販売した商品の売れ行きを見ながら実店舗の品ぞろえに反映させることなどのメリットも考えられるとしている。
「やはり航空だけに頼らない力もつけなければいけない。また再び(コロナと)同じことが起きても大丈夫なような事業形態を模索することは必要」(同社)とした。