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2022.06.23
消費者意識の高まり右肩上がり[エシカル消費への対応と現状」 仮想モール、事業者とも展開強化
社会的課題に配慮している事業者の商品やサービスを購入して応援するいわゆる「エシカル消費(倫理的消費)」に着目して積極的に当該商品の品ぞろえや販売を強化する通販実施企業が増えている。環境や人権などに配慮されている商品やサービスを購入するという消費行動は今後、さらに広がっていくと見られ、積極的に対応する通販事業者も目立ってきており、様々な形で拡販し、成果を上げている事業者も少なくないようだ。注目すべき各社の取り組みや現状についてみていく。
グリーン商品の売れ筋公開
仮想モール各社はエシカル消費に対応した商品の拡販を強化している。楽天グループは持続可能な消費を促進するために未来の環境、社会、経済に配慮してつくられた国際認証取得商品などを紹介し販売するというコンセプトの仮想モール「EARTH MALL(アースモール) with Rakuten」を「楽天市場」内に2018年11月に開設。昨今のエシカル消費の盛り上がりもあってか、「アースモール」の2021年1~11月流通総額は前年同期比約4倍、アクセス数は同約4・5倍となるなど、開設から右肩上がりで伸びている。
同社では、今年創業25周年を迎えたことを機に、安心して暮らせる社会を次の世代へとつなぐために、環境に配慮した”グリーン”な未来を呼びかける「Go Green Together」プロジェクトを4月に開始。プロジェクトの一環として、6月5日の「世界環境デー」にあわせて、「アースモール」で取り扱う、環境や持続可能性に貢献する”グリーン”な商品の中から、全年代のユーザーを対象とした売れ筋(総合)と、20代のユーザーにおける売れ筋のランキングを発表した。日用品や食品が多くランクインしている。
総合1位は、伝食が扱う「ごちそうスモークサーモン」。海の自然環境に配慮しながら養殖された「ASC認証」を取得している。2位はPAPER ONEの「コピー用紙」で、国際的な森林認証制度「PEFC認証」を受けた材料を原料として生産されている。持続可能性に配慮して管理された森林の資源から作られたものだ。3位は幸せの豆の木の「オーガニックルイボスティー」で、「有機JAS認定」を取得している。4位には、森林破壊防止および生物多様性保全などに配慮されて生産・加工された「RSPO認証パーム油」を使用した、日清食品の「カップヌードル」が入った。
20代ユーザーの1位はhibiの兵庫県の伝統産業によって生産された「お香スティック」。2位は幸せの豆の木の「オーガニックルイボスティー」。3位はGallerのフェアトレードで生産されているチョコレート「MINI'S BARS」となっている。10位のソネンガラスの「瓶型ソーラーランタン」もフェアトレード商品。南アフリカの雇用創出にもつながり、省エネも貢献できるのが特徴となっている。
同社によれば、20代のランキングに入った「お香スティック」や「ソーラーランタン」などは、「アースモール」において、サステナブルなストーリーを通じ、商品の魅力を発信する「編集部のお買いもの日記」で紹介している商品という。
同社では「サステナブルな買い物」について知ってもらうために、入門的な内容の記事を充実させており、最近では「みんなのサステナブル」という企画もスタートした。サステナブル関連の専門家以外の著名人にインタビューし、「生活の中にこんなサステナブルなものがあった」という話を引き出すというもの。また、21年10月には、サステナブルな買い物をするための8つのキーワードを紹介するページ「SUSTAINABLE SHOPPING GUIDE」も公開している。