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2022.02.03

4Bエンタープライズ 中国向けの越境EC支援、「抖音」に日本専門店、ライブで商品販売

4Bエンタープライズの公式サイトより

 

 中国向け越境ECの支援事業を行う4Bエンタープライズでは、短尺動画アプリの「TikTok」の中国版である「抖音(ドウイン)」において越境ECを開始した。日本の大手メーカーなどの出品を募るセレクトショップとして運営し、ライブコマース機能を活用しながら集客から販売、物流までを一貫で請け負っていく。

 中国におけるEC市場は、コロナ禍の影響も受けて年々右肩上がりで成長。中でも越境ECについては、消費者の50%以上が利用している状況で、日本の8倍以上の利用率となっている。並行して、日本からの商品購入額も増加しており、2022年については2兆5144億円になると見込まれている。

 近年は中国でのECの販売手法が変化。偽造品や現地での商品配送の問題などもあり、ネットに単純に陳列された画像データから商品を購入することに消費者が不安を感じ、アプリ上で生放送中の商品紹介から購入する販売スキームが伸びているという。

 そうした中、中国最大手アプリの抖音は、中国版の限定機能としてライブコマース機能を搭載。カートマークを押すことでライブ中に紹介されている商品を買えるようにした。過去にはこの機能を通じて、男性美容家のトップKOL(インフルエンサー)がライブ放送を行い、5分間で1万5000本の口紅を販売。また、21年の8月のセールイベントでは、前年同期比で4倍超の300億円の売り上げを記録するなど、今や注目の売り場となっている。

 これを受けて、4Bエンタープライズでは抖音の運営元であるバイトダンス社との直接契約による、抖音への出店を実施。現地のEC支援企業である宝尊とも組んで日本の大手メーカーの商品を集めた越境EC店舗「集日」を運営している。

 出店に当たっては、商品審査やリーガルチェックなどの出品手配、販売ページの作成や配送手段の確保といった販売体制の構築、現地のプロモーション・ライブコマースなどはすべて4Bエンタープライズが行うため、出店者は商品を準備するだけとなる。

 このサービスでの最大の特徴は、宝尊が持つ専用スタジオを活用したライブコマースの仕組みだ。購入ページへの流入導線があるプロモーション動画を毎日投稿しつつ、平日6時間のライブコマースも月に22回実施(1商品当たり10分程度の紹介)。宝尊との連携により、人気KOLを相場よりも安価で利用できる強みもある。

 集日のような複数のブランドが集まるセレクトショップ型のメリットとしては、一企業の単独出店よりも運営コストが安くなることがある。また、動画投稿数や配信頻度、売り上げ金額も合算値として高い水準となるため、抖音内のアルゴリズムで上位店舗として自動判定されやすくなるようだ。

 なお、日本企業の出品コストとしては、出品初期費用60万円、運営費用は広告費先払いプラン(総売上の50%戻し)と、広告費後払いプラン(広告施策費相殺の40%戻し)がある。

 まずは、1月より化粧品・コスメのみの専門店を開設して、2月には健食・サプリの専門店、3月からは複数カテゴリーで順次店舗を増やしていく予定となっている。

 抖音のライブコマース機能はできたばかりで、抖音自体も自社倉庫を持っておらず、物流に長けた企業でないと出店できない足かせもあり、参加企業数はまだ少ないという。今後の成長余地が高く見込める市場として、4Bエンタープライズでは販売代理店のカーリーと共催ウェビナーを開催し、日本企業の参加を呼び掛けている。

 

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