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2020.08.06
定期購入の規制強化「消費者庁、特商法を改正へ」 誤認表示厳罰化も影響限定的か
消費者庁が定期購入の新ルールを定める。「初回無料」などとうたい、複数回の継続を要件とする、いわゆる”定期縛り”の規制を強化。誤認を招く表示や解約を妨げる行為を厳罰化する。来年の通常国会で、新たな条文を盛り込んだ特定商取引法の改正を目指す。ただ、定期購入を行う複数の企業は、規制に「影響はない」としており、限定的な影響にとどまりそうだ。
7月28日に行われた「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」で骨子案が示された。
「顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為」は、2016年の法改正に合わせ、ガイドラインを整備。以降、執行を強化している。ただ、以降も定期購入トラブルは高水準で推移。定期購入の相談件数は昨年、約4万4000件と前年から倍増した。
骨子案では、「顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為」を、法改正により独立した禁止行為として規定する。現在、通販関連で直罰規定があるのは、「誇大広告の禁止」(第12条、100万円以下の罰金)だけだが、同行為も新たに罰則(罰金、懲役等)を設ける。ガイドラインの見直しも行い、表示ルールの解釈も明確にする。
民間委託で違反のおそれのあるサイト検索を行うモニタリング事業による監視も強化。今年度は、これ以外のモニタリングを含め8000万円ほど予算計上するが、次年度以降、予算要求を増やし、法執行を強化する。