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2018.03.01

電通調べ 17年の広告費6.3兆円に、ネット広告が15%増の1.5兆円とけん引

 

 電通2月22日に発表した「2017年日本の広告費」によると、昨年1~12月の総広告費は前年比1・6%増の6兆3907億円だった。中でもインターネット広告費が同15・2%増の1兆5094億円と順調に拡大し、全体の広告費の伸びをけん引した。
 
 昨年の媒体別の広告費は「新聞」が同5・2%減の5147億円、「雑誌」が同9・0%減の2023億円、「ラジオ」が同0・4%増の1290億円、「テレビ」が同0・9%減の1兆9478億円(うち、「地上波テレビ」が同1・1%減の1兆8178億円、「衛星メディア関連」が同1・3%増の1300億円)でいわゆる「マスコミ4媒体」の広告費は同2・3%減の2兆7938億円と前年を下回った。新聞やテレビは前年のリオ五輪関連広告の反動減や天候不順の影響、雑誌は雑誌自体の売り上げ減の影響などで前年比では減少に、ラジオは「情報・通信」や「食品」などのジャンルの広告出稿の増加で2年連続で前年実績を上回った。
 
 一方、「インターネット」の広告費(うち、「媒体費」が同17・6%増の1兆2206億円、「広告制作費」が同6・1%増の2888億円)は運用型広告、特にモバイルでの出稿増や前年に引き続き、動画広告が大きく伸長、同15・2%増の1兆5094億円と2ケタ増の伸びを見せた。
 
 このほか、「プロモーションメディア」の広告費は全体で1・5%減の2兆875億円で、そのうち、「屋外」は音源やアパレルブランドの屋外ビジョンの出稿などが堅調で同0・4%増の3208億円、「交通」は車内等のデジタルサイネージは活発化しているものの、出版や飲料・酒類の出稿減で同1億円減の2002億円、「折込」は新聞購読者の減少による影響などで同6・3%減の4170億円、「DM」はEC事業者の出稿増や宛名なしDMの取り扱いは堅調なものの、全体としては同2・7%減の3701億円。このほか、「フリーペーパー・フリーマガジン」は同5・8%減の2136億円、「POP」は同1・2%増の1975億円、「電話帳」は同8・1%減の294億円、「展示・映像ほか」は同6・1%増の3389億円となっている。
 
 業種別の広告費(マスコミ4媒体のみ)ではガスの自由化に伴い、「エネルギー・素材・機械」(同8・0%増)やウェブコンテンツやスマートフォン関連の「情報・通信」(同1・7%増)機能性マットレスなどの「家庭用品」(同1・6%増)、美容・栄養ドリンク関連などの「飲料・嗜好品」(同0・8%増)など6業種が増加したものの、電気掃除機や美容機器などの「家電・AV機器」(11・4%減)のほか、通販などの「流通・小売業」(同8・7%減)、通販系女性用ラインナップ化粧品などの「化粧品・トイレタリー」(同5・4%減)、通販系のがん保険や自動車保険などの「金融・保険」(同4・5%減)、通信教育などの「教育・医療サービス・宗教」(同1・7%減)、通販系のサプリメントや健康食品などの「食品」(同1・0%減)など15業種が前年を下回っている。
 
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