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2019.11.14

【スタイルヴォイス 有力アパレル出資のEC始動】 ライフスタイル商材を提案、スタート時は12社42ブランド、キュレーターと二人三脚で

 

 有力アパレル3社が出資するスタイルヴォイスは11月11日、影響力のあるキュレーターが記事コンテンツを発信するメディア型の通販サイト「スタイルヴォイスドットコム」(画像)をオープンした。

 開設時の参加企業は親会社のジュンとマッシュホールディングス、デイトナ・インターナショナルを含む12社42ブランドで、ウィメンズファッションとウィメンズビューティ、メンズファッション、メンズビューティ、ホーム&フードの5カテゴリーを軸に3万点弱の品ぞろえで始動した。

 出資3社のほぼすべてのブランドを扱うほか、これまでに参加を表明していた食のセレクトショップ「ディーン&デルーカ」運営のウェルカムなどに加え、新たにファッション領域ではアダストリア傘下で「バンヤードストーム」や「バビロン」などを展開するエレメントルールや、「マンハッタンポーテージ」を手がけるコードも参加する。また、食や生活雑貨、アンダーウエアなども含めて幅広いライフスタイル商材を提案する考えで、今後も新サイトに共感する企業やブランドの誘致を進める。

 当初は品ぞろえの中心が親会社のレディースブランドのため、まずは30~40代の働く女性や小さいこども抱える母親をターゲットに顧客を開拓し、商材の拡充に合わせて客層の幅も広げる。

 「スタイルヴォイスドットコム」では、「消費者のこれからのスタイル作りや買い物の指針となるサイトを目指す」(片山裕美社長)とし、人気モデルやスタイリストがキュレーターとして参加して連載記事を発信。ライフスタイル提案を商品と記事コンテンツの2軸で展開するのが特徴だ。

 開設時のキュレーターはスタイリストの大草直子さんや白幡啓さん、モデルの神山まりあさん、佐田真由美さん、竹下玲奈さん、ファッションジャーナリストのシトウレイさん、参加企業のひとつであるメディコム・トイ社長の赤司竜彦さんなど11人でスタート。キュレーターそれぞれが連載を持っており、大草さんはエッセイ「暮らしのエッセンス」を、佐田さんはゴルフに挑戦する「私、ゴルフデビューします」、白幡さんはショップを突撃する動画企画「おケイ先生のショップ・パトロール」を始動するなど、定期的にスタイル提案や商品提案を行う。

 キュレーター陣は今後も充実を図る考えで、「作家やタレント、芸人の方に参加してもらうのも面白いのでは」(片山社長)としている。

 集客面は親会社の協力も得るほか、各キュレーターが個人で運営するサイトやSNSとも行き来しやすくし、「スタイルヴォイス」がネットワークのハブ的な役割を担う。

 サイトは、トップ画像の下にショッピングのコンテンツを並べることでオンラインストアであることがストレートに伝わるようにし、いま本当に薦めたい商品を打ち出してユーザーの購買意欲を刺激する。その下から記事コンテンツが続くが、新しい記事を発信したキュレーターのアイコンをサイト上部に表示することで新着記事にたどり着きやすくした。

 スタイルヴォイスでは、自社SNSを通じてのインスタライブや、会員限定の講座、セミナーといったオフラインイベント、ブランドとコラボしたモニターイベントなど、顧客との関係作りに積極的に取り組む。EC機能はもちろん、リアルの場などを通じてユーザー同士が情報交換できるようにし、「昔の雑誌と読者の関係性に近いサロンのような存在になればいい」(片山社長)という。

 KPIは売上高と会員数を重視。オープン当初から来春までは会員数と自社SNSのフォロワー数を伸ばしたい意向で、早い段階でインスタライブを定期的に配信してファンを獲得していく。

 サイト運営は親会社から人的リソースを得ているほか、倉庫はクルーズグループと契約し、商品が売れたら出店企業からクルーズの倉庫に送ってもらい、そこから購入者に発送する形で、食品などの一部商材は出店企業からユーザーに直送するケースもある。

 なお、スタイルヴォイスは初年度20億円、3年後50億円の売り上げ目標を掲げている。

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