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2017.10.26

ヤフーの仮想モール ライブ動画で商品紹介、リアルタイム性で訴求

 ヤフーは運営する仮想モール「ヤフーショッピング」で販売する商品を紹介する動画をライブ配信する試みを11月上旬から開始する。希望する出店者らが自らスマートフォンで撮影、テレビショッピングさながらに商品の特徴などを紹介し、販売できる仕組み。出店者が顧客に直接、アプローチできる新たな手段を提供し、各出店者のファン作りや売り上げ拡大につなげていきたい考え。

 
 「Yahoo!ショッピングLIVE」は「ヤフーショッピング」のアプリのトップページに設ける「ライブチャンネル」というコーナーで毎日、リアルタイム配信する商品紹介動画。なお、「Yahoo!ショッピングLIVE」は「ヤフーショッピング」のiOS版アプリで11月上旬から配信をスタートし、アンドロイド版アプリへの配信は来年3月までに実施予定。ウェブ版はその後、対応していくという。
 
 ライブ動画配信を希望する「ヤフーショッピング」の出店者は、11月上旬にもヤフーが配信を始める外出先などでも売り上げの確認などができる法人出店者向けのストア管理用アプリ「店長アプリ」をダウンロード後、同アプリから動画配信時間である午後6時から11時までの間で、1回の持ち時間となる30分枠を予約し、スマートフォンで当該時間に販売したい商品を紹介する動画を撮影、配信できるもの。1回のライブ配信で最大10商品まで紹介、販売が可能。なお、事前に収録した動画は配信できない。ヤフーは利用料や配信料は徴収せず、出店者は無料で同機能を利用できる。
 
 動画配信画面の下部のストアボタンをタップすると、紹介中の商品の価格や星によるユーザー評価など簡単なスペックが表示され、さらにそれをタップすると当該商品の販売ページに遷移する仕組み。また、ライブ配信画面にはユーザーからのリアルタイムのコメント表示や「いいね」投稿などを受け付ける機能も実装しており、例えば「産地はどこか」などの問いかけにすぐ答えたり、「裏地はどうなっているのか」などコメントに対し、デモンストレーションの内容を臨機応変に変えて裏地を見せるなどユーザーの質問や疑問点にすぐに対応できるという。
 

 

 「Yahoo!ショッピングLIVE」開始の狙いについて「配信後のアーカイブ視聴には今のところ対応していないため、その時しか見ることができない。また、お客様との双方向なやり取りができるというリアルタイム性が大きな売りだ。我々はポイント施策などで『ヤフーショッピング』に多くのお客様に来て頂いたが、そうしたお客様を今度は『ストアのファン』になってもらうことにも注力したい。これまでストアがお客様にアプローチする手段はメールなどに限られていたが、『ライブ動画』も活用頂き、"リアルのお店でお買い物をしている感覚"を影響して、訴求力アップやファン作りに役立ててもらいたい」(ショッピングカンパニー・畑中基営業本部長)とする。
 
 当初、ライブ配信に親和性の高いファッションやキッチン用品、食品、化粧品など7カテゴリーを販売する出店者の中から一定の売上規模を持つ上位出店者である約3000店に限定して「Yahoo!ショッピングLIVE」の配信を受け付ける。すでに家庭用品などの実演販売を得意とするコパ・コーポレーションが所属する実演販売士による商品紹介動画の配信を11月11日に実施するなど複数社の参加は決定しているという。
 
 なお、ライブ動画は原則、出店者が自由に商品を紹介できるが、配信中に問題のある言動や行動を繰り返したり、ライブ動画画面上の「通報ボタン」で視聴者からクレームが寄せられ、それをヤフーが問題だと判断した場合はヤフー側で当該動画配信を強制終了することもあるという。また、動画配信後にも動画を確認し、問題のある言動や行動を行った出店者には指導を行い、その後も改善が見られない場合、当該出店者は動画配信ができなくなるようなペナルティなども課すようだ。
 
 「ライブ動画の出演や撮影はハードルが高いと感じている出店者はいると思うが、しっかりした番組でなくとも、例えばテーブルの上に商品を並べて紹介していくようなラフな内容でもよいと思う。それもライブコマースの1つの形だ。国内大手の仮想モールとしては初実装の機能で出店者も我々も初めて。トライアンドエラーを繰り返しながらよりよいものにしていく」(同)としている。
 
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