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2019.07.12

エコ配 クラウドソーシング配送が順調、「エコ配フレックス」働く時間、自由に

 自転車を使った宅配便業務を行うエコ配が都内の一部地域でテストを始めたクラウドソーシング型の配送サービス「エコ配フレックス」が順調に稼働しているようだ。同社の配送業務を個人が登録型で請け負う仕組みで、締め切りとなる当日の午前7時までに、午前9~12時、午前11~午後2時、午後4~6時の3つのシフトの中から、都度、働きたい時間帯を申請する流れ。

 同社の業務はトラックではなく、基本的に自転車か台車による配送となるため、免許などがいらず、18歳以上であれば必要なものは専用サイトからログインして、働く時間を登録するためにスマートフォンのみでよいこと。また、報酬体系も配達した荷物1つにつき150円とわかりやすく、効率的に配送すれば時給3000円程度の高報酬となることもあり、報酬も毎週金曜に締めて、翌週金曜に支払われることから大学生を中心に、「何度もリピートで登録してもらえる人気の仕事になっている」(玉井継尋取締役)という。

 今年2月からスタートした「エコ配フレックス」の配送対象地域は現在、東京の中央区のみ。親会社のアスクルが手掛ける法人向けオフィス用品通販の顧客事業者が密集しているエリアのため、配送効率が高いためだという。アスクルによると「(顧客事業所が多い中央区は)配送の際に、車を使うと、少し動かしては止めて配送するという具合に、車を走らせるより、止めている時間の方がはるかに長いため、(法人向け通販の荷物は)エコ配に切り替えたが、『エコ配フレックス』は実施にあたって中央区内にデポを設ける必要があり、その分、家賃はあがるため、車で配送した場合との比較では配送コストそのものは変わらないが、通常、社員を募集するコストを考えると予想以上に効果が上がっている」(同)としており、今後もアスクルの法人向け通販の顧客事業所が密集する都内の別の地域や大阪などの大都市圏などを軸に「エコ配フレックス」の対象エリアを拡大し、多様な働き方を求める人々のニーズを取り込み配送人員の確保を図っていきつつ、アスクルの大都市圏での配送の効率化を進めていく考えのようだ。

 配送業務のクラウドソーシングは通販事業者ではアマゾンジャパンが昨秋から、米アマゾンでは15年から実施している直に個人事業主のドライバーと契約して配送を委託する「アマゾンフレックス」を日本でも展開をスタートし、現在、首都圏の一部地域などで展開中。

 大手の配送事業者の配送費の値上がりが続く中、また、配送を担う人員不足が深刻となりつつある中で、クラウドソーシング型配送が通販事業者からも注目されそうだ。

 

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