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2019.07.12

【ZOZOテクノロジーズの久保田社長に聞く 「ウェア」の現状と成長戦略は?㊤】 中国でも「ウェア」が武器に、お手本コーデで差別化図る

 「ファッションデータベースの構築をあきらめたわけではないが、今はコーデアプリとしてユーザーに受け入れられることを目指している。当初は『全身を撮って投稿する人なんていない』と言われたが、5年が経過して商品にコーデ画像がついているのは当たり前の状況になっているし、コーデ画像から購入するというユーザー行動もある程度、浸透してきたと感じている」

 ――当時は自撮り文化もなかった。

 「前澤とは、素材(服)を売っているのに料理の仕方が分からないのはアパレルだけという話をしていた。自撮り文化というよりも、商品とともにコーデのサンプルがあるべきという発想だった」

 ――全身コーデを撮ってもらう流れをどう作ったのか。

 「それは明確に戦略を立てていて、『ゾゾタウン』出店ブランドのショップスタッフさんを巻き込んでお手本となる写真をたくさん集めた。『ウェア』をローンチする前から『ゾゾタウン』のトップにショップスタッフさんの全身コーデ画像を掲載し、1万枚くらいの投稿画像が貯まった状態で『ウェア』をスタートした。そのため、初めてアプリをダウンロードしたユーザーも投稿するときはこういう風に全身コーデを撮ればいいと思ってもらえた」

 ――海外も一緒か。

 「基本的には同じだ。その国のファッションをけん引している人たちが誰かを調べて声をかけ、何かしらのインセンティブでお手本となるコーデを投稿してもらい、お手本が集まった時点でプロモーションをかける」

 ――「ゾゾタウン」で再進出を計画する中国については。

 「中国の若者はこの5年くらいで服にかけるお金が大きく増えている。服が欲しいけれど何を買ったらいいか分からないという人が多く、お手本のコーデを求めている。『ゾゾタウン』の再進出に向けてもコーデから買ってもらう流れを作った方がうまくいくのではないか。その際、現地のKOLや日本のファッションリーダーなど、誰を立てるかも含めて検討している。いずれにせよ、ファッションを通じて日中交流ができるようにしたい。お互いの国のコーデ投稿に対して『いいね』をし合えるような状態を作りたい」

 ――すでにアプリはダウンロードできる。

 「中国でも『ウェア』アプリのダウンロード数は約200万件程度ある。中国では、『ゾゾタウン』のように商品が並んでいる自販機型のモールでは誰も買わなくて、そこに商品を紹介する人がいないと売れない。そのためにも着こなしで差をつけられる『ウェア』が必要になる。6年前に『ゾゾタウン』が中国進出したときに『ウェア』はなかったが、今は『ウェア』が武器になる」(つづく)

 

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