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2019.05.23

【越境ECへの挑戦 鍵は“脱中国” eBay②】 中古カメラやゲームが好評、日本で眠る商品が海外で“お宝”に

 現在、eBayで日本から売れている商品の60%が中古、40%が新品という内訳になっている。主には中古のブランドハンドバッグや高級腕時計、カメラについてはヴィンテージのレンズからフィルムカメラ、最新のレンズなどが好調に推移している。

 日本の中古商品が海外で人気が高い理由として、偽物などの心配が少ないことに加え、適正価格で買えるということがある。例えば、フィギィアのようなコレクタブル商品では、米国で購入すると日本の約3倍の値段になり、国際送料を含めても日本から買う方が安いケースがあるという。

 また、最近人気のジャンルとしてはレコードやビデオゲーム(「ファミコン」)などがあり、レコードに関しては、日本の著名メーカーから新しいレコード針やレコードターンテーブルが出てきたタイミングもあって、ミレニアル世代の若者を中心に人気となっている。レコードなど仮に全世界で発売された商品であっても、日本限定で販売された仕様にプラスアルファの価値を見出しているという。

 なお、ゲームについては昨今、海外でヴィンテージゲームを集めることが流行しており、ファミコンソフト1本が数千ドルで売れるという話もある。日本では捨てられている物が実は海外では高価格で売れるというのだ。

 ほかにも段ボールにたくさん詰められた「ゲームウォッチ」のデッドストックが数千ドルで取り引きされることもあり、日本のオークションサイト以上に高値がついている。「eBayには1億8000万人の(アクティブ)バイヤーが全世界にいる。彼らを『トレジャーハンティング』と呼んでいるが”宝探し”をしているという意味がある」(イーベイ・ジャパンの岡田雅之カテゴリーマネージメント部長)とした。

 日本のコレクター商品という観点では、「サムライ」関係の商品は根強い人気がある。刀そのものは刀剣類に関する登録が必要なので、販売することは難しいものの、刀の「鍔」や兜、鎧などはよく出ている。価格も高くなるが、固定客がついて売れているようだ。関連して、包丁や鋏、ヒゲソリ、砥石など、日本のクラフトマンシップが生きるような道具類も好調だ。「『こんなものが売れるのか』ということはeBayの中古商品全体に言えることだが、日本では安値で売られているものが海外でここまでの値段になるというギャップに面白さを感じる」(同)とした。

 今後については、ストリート系のファッションやデザイナーによるソフトビニール人形、ハードでは工学用の測定器や自動タコ焼き器、自動寿司ロボットといった業務用の製造機、また、日本でしか発売されていない自動車向けパーツもさらに伸びてくると見られている。

 

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