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2019.05.09

【有力企業の通販戦略 日本トイザらス㊦】 動画活用を積極化、実店舗イベントも配信、サイトをリッチ化

 玩具やベビー用品などを販売する日本トイザらスでは2018年夏より動画を活用した販促やEC集客に取り組んでいる。

 まず、18年夏に開始した「Yahoo!ショッピングLIVE」では、30分の枠を使ってライブコマースを実施。同社のバイヤーが出演して商品を紹介していくもので、通販サイト刷新の4周年祭に合わせて打ち出した販促商品のプロモーションをかけた。放送から1週間以内での販売目標数には到達しなかったものの反響は高く、1万3000以上の「いいね数」を獲得したことから、今年もイベントに合わせて行うことを視野に入れている。

 また、自社通販サイトにおいては、新しい実店舗がオープンするタイミングなどに合わせて、現地でのオープニングイベントの模様をEC担当者が撮影して配信(画像)。通販サイトのバナー上で事前に配信告知を行い、閲覧者がバナーをクリックすることでテープカットや来場者の様子のほか、店内で陳列されている最新商品なども動画で閲覧できるような構成となっている。

 また、昨年秋には東京・錦糸町の実店舗で「ぼくらはトイザらスキッズ!フェス」を開催。ユーチューバーのあやなんさんやお笑いコンビのメイプル超合金を招いて、人気商品の実演などを行った。ECでの販売と紐づけた内容ではなかったものの、多数のフォローワーを抱えていたことから集客効果が高く、今年からはイベント配信の動画に通販サイトのURLを貼って誘導する形も取り入れている。

 加えて、今年からはベンダーも招いてメーカーの視点からの商品紹介を実施。海外製の商品などもあるため、サイト上でのテキストよりも使い方の実演を見せた方が訴求効果も高く、注目の新商品の発売に合わせて開催している。3月に同店舗で行ったイベント体験会では、江崎グリコが手がける日本初の「乳児用液体ミルク」を紹介。乳幼児の親子を招待して実際に試してもらっている様子のほか、日本での取り扱いが始まったばかりでもあったことから、使い方や注意点などの解説も配信。現在はECも含めて売れ筋商品となっている。

 動画コンテンツについては現在のところ、ネットから実店舗への誘導が主な目的ではあるものの、盛況な実店舗やイベントの様子をEC利用者にもリアルタイムで見せることで購買意欲を刺激するとともに、コンテンツのリッチ化を図ってサイト滞在時間の向上にもつなげていく考え。今後についてはEC売り上げへの貢献などの効果検証も行っていくとしている。(おわり)

 

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