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2019.03.07

公正取引委員会 「GAFA」の実態調査開始、個別モールごとに取引状況把握へ

 公正取引委員会は2月27日、デジタル・プラットフォーマーの取引慣行に関する実態調査に乗り出した。グーグル、アップル、アマゾンジャパンなど「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業の実名を挙げての調査。独占禁止法上、問題となる取引行為の探知につながる回答も求めており、各プラットフォーマーの具体的な実態把握を目指す。プラットフォーマーからのヒアリングも行う予定。必要に応じ、独禁法第40条(強制調査権限)に基づく調査も視野に入れる。

 公取委は今年1月、デジタル・プラットフォーマーに関する「情報提供窓口」を設置し、実態調査を開始した。今回の調査もその一環。調査結果は、4月をめどに公表を予定する。結果は、経済産業省、総務省と三省合同で行う検討会の議論にも反映させる。

 調査の目的は、オンラインモールとアプリストアの運営事業者の取引実態の把握。これらプラットフォーマーと取引関係にある事業者を対象に、3月26日を期限に公取委のサイト上から自主的な回答を得る。

 公取委は、昨年1月にもモール運営事業者などと取引関係にある事業者を対象に調査を行っている(今年1月に結果公表)。ただ、前回調査は、メーカーと卸販売事業者の取引実態等を含め、EC全般に係るものだった。調査結果から、独禁法違反となる取引行為について注意喚起するにとどまっていた。

 今回はより踏み込んだものになる。オンラインモール運営事業者に関する調査では、流通量の多いアマゾンジャパン、ヤフー、楽天の各モールの実名を挙げ、回答を求めている(「その他モール」を含む)。アプリストアをめぐる調査でもアップル、グーグルの実名を挙げている。

 これら事業者を対象に、独禁法違反となる可能性がある「出店・出品審査」「規約変更」「販売価格・品揃えの要請」「利用料」といった項目で取引先事業者に回答を求めている。回答も「各モール」「各アプリストア」ごとに求めており、より具体的な実態把握につながる。公取委も「個別モールごとの実態把握が目的」とする。

 並行して、モール運営事業者からのヒアリングも行う。対象は、「現段階で公表していない」(同)とするが、任意の協力が得られないなど実態把握に支障が出た場合、独禁法第40条に基づく強制調査を行う可能性もある。

 第40条は、職員が「職務を行うために必要がある時」に行使でき、取引類型の特定などまでは必要としない。ただ、調査を通じ解明したい実態の整理、行政内部の組織決定は必要なため、公取委も調査の進展を待って必要性を判断する。

 政府は、今年2月、デジタル・プラットフォーマーの競争環境整備に向けた具体的な検討に入った。公取委など三省合同で検討会を設置。政府は独禁法改正やガイドライン整備にも言及しており、検討会結果を6月にまとめる成長戦略の実行計画に反映させる考え。

 前回調査は、4500社に調査票を送付して行った。今回は成長戦略への反映を目指し、迅速に集計できるネット調査で行う。

 

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