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2019.02.07
ゾゾの有料会員制度 「退店の影響は軽微」も、2月中に表示を変更しゾゾ離れは収束?
ゾゾは昨年12月に始めた新有料会員制度「ゾゾアリガトーメンバーシップ」を巡って一部のアパレル企業が退店するなど”ゾゾ離れ”の動きが報道されていることを受け、1月31日の決算説明会で前澤友作社長(写真)が影響などを説明した。
ゾゾアリガトーは年額3000円か月額500円を支払うと「ゾゾタウン」での購入金額がゾゾの負担で常時10%割引となるサービス。同日時点で全商品の販売を見送っているショップは「ゾゾタウン」で取り扱いのある1255ショップのうち42ショップで、ショップ数ベースでは全体の3・3%、昨年実績の商品取扱高ベースでは1・1%にとどまっており、「業績に与える影響は極めて軽微」(前澤社長)とする。
アパレル大手のオンワードホールディングスなどが退店手続きを行っていることに対しては、「1ショップでも減るのは悲しい」(同)としながらも、「ビジネスとしてある程度割り切って考えている」と発言。有力プラットフォーマーとして成長を続けているだけに、営業方針が相容れないショップの退店はやむなしというところか。
ただ、「ブランド価値を毀損する」という出店企業の意見を考慮し、2月中にも「ゾゾタウン」上にアリガトー価格(10%割引価格)を表示するかどうかをショップごとに選択できるようにシステム改修を進める。
ゾゾにとって有料会員制度は初回購入のハードルを下げたり、既存顧客についても購入頻度や購入金額の上積みが期待できる”攻めの一手”で、開始約1カ月だが「ゾゾタウン」の取扱高拡大に貢献しているという。
有料会員制度についてアパレル側は、「(ゾゾのコスト負担が大きく、いつまで実施するのか分からないから)静観している」という声や「ファッションビルなども自社カード会員への割引がある」とする意見がある一方、「今回の営業政策はブランド意識が強い企業を敵に回した」との見方も依然としてある。
そもそもアパレル各社が自社EC強化に本腰を入れる中、ゾゾとしても次の成長に向けてパイを取りにいった施策だけに、サイトの表示変更で退店の流れが収束しても、”脱ゾゾ依存”に向けた動きは進みそうだ。