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2022.01.18
なぜ「まずは日本でヒットしてから海外へ」がダメなのか
とある起業家は言った。
「成功のスケールが小さすぎるし、どうせアメリカの真似事のようなサービスばっかりなんで」
彼は日本の大学を出た後にサンフランシスコに来て、起業した。世界トップレベルの才能が集まるこの街は、スタートアップの中心地でもある。それゆえにとてつもなく競争は激しく、コストも高い。
だったら、日本で起業して上場を目指す方がより高い確率で成功できるのではないか?それも、比較的コストを下げながら品質の高いチームを構成して。
でもその選択肢を選ばなかった。最初から世界に勝負して、グローバルに通用するサービスを生み出したい。その気持ちが現在の彼を動かしている。
まずは国内で成功してから海外進出はNG
その一方で、多くの企業がまずは日本国内でサービスを展開し、その後でグローバル展開を進めようとするケースが多い。これは一見ロジカルで、理に適っているように思われる。
国内でしっかりとした顧客と経営基盤を整え、黒字化し、そこから得られる資金をもとに次のステップとして海外進出を行う。
でも実はこのやり方、変化のスピードが速い現代においては、かなり難しい。これまでにも実際にそうしようとして失敗したり、いつまで経っても国外への進出ができずにいるケースをたくさん見てきた。
では、それが良くないと思われる理由をいくつか説明する。
日本向けのガラパゴスなプロダクトが生まれる
まず日本市場向けに展開していくデメリットがこれ。世界的に見ても日本のユーザーはかなりユニークな特性を持っており、そのニーズに対応するプロダクトのその多くが、海外ユーザーには使ってもらいにくい。
例えば、B2C系のサービスであれば、日本だとある程度複雑な利用体験でも教育レベルの高いユーザーがちゃんと理解して使ってくれたり、B2Bであれば、それぞれの企業に対してカスタマイズした機能が求められたりなど。