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2020.05.28
コロナ危機でシェアリングエコノミーはどうなってしまうのか?
- シェアリングエコノミーの歴史とコロナショックが巻き起こす強制的なゲームチェンジ
- スマホの普及との相乗効果で、「シェアリング」は本流に (2010 – 2020年)
- 所有の減少はサービスの消費を促すと踏んだ矢先の…コロナ流行
- 原点回帰の時。シェアリング本来の「人間と人間のつながりや助け合い」に価値を感じるように
- 数字や評価だけに踊らされるな。重要なのは、問題の本質を解決すること
今から12年ほど前、スマホの普及が少しずつ始まってきた頃、AirbnbやUber、Lyft、WeWorkなどのサービスはまだ存在していなかった。「シェアリングエコノミー」という言葉自体を知っている人は、シリコンバレー界隈のごく一部のスタートアップ関係者や投資家だけだった。
その後数年間で、人々の生活は大きく変化した。サンフランシスコなどのアメリカ西海岸都心部を中心に、車や家などを所有せずにも自由に楽しく暮らす”新しい様式”が始まった。
これは、「しばらくはAirbnbか彼女の家で」でも紹介されているような生活スタイル。Love&Peaceを掲げる西海岸にはぴったりの生活を可能にするサービスの普及が、大きな要因の一つだろう。
2010-2020年: シェアリングエコノミー隆盛期
シェアリング系サービスは、人と人が繋がり、性善説でモノやサービスをシェアをすることで、場所、時間、お金に縛られない仕組みを実現することをコンセプトにしている。オンデマンドサービスを利用することで、仕事も移動も食事も遊びも、必要な時に必要な分だけ。まるで、究極の自由を手に入れるという、長年の人類の夢がついに叶った…。と思われた。
こういったライフスタイルは、アメリカ全土、そして世界中に広がり、スマホの普及も相まって、”新しい生活様式”として多くの人々に受け入れられ始めた。
それに伴い、シェアリングエコノミー系サービスは百花繚乱。関連スタートアップも軒並みユニコーンとなり、大型IPOも出現し始めた。それまではグレーゾーンだったサービスも、政府と上手に渡り歩き、新しいルールが制定されるまでになった。同時に、タクシーやホテルなどの旧態然とした産業は衰退を始めた。まさにそれは現代のルネッサンスの装いを呈していた。
そのブームに乗り、多くのスタートアップは各種シェアリングサービスだらけで、”Uber for X”などとも呼ばれていた。日本でも、一般社団法人シェアリングエコノミー協会ができるほどにまでエコシステムが成長した。