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2018.06.26
三陽商会「S.エッセンシャルズ」が2018秋冬コレクション披露 実店舗オープンに向けトータルブランドへ
三陽商会はきょう、自社ブランド「S.エッセンシャルズ」の2018秋冬コレクションを発表した。9月にオープンする日本橋髙島屋S.C.への初の単独出店に伴い、ウェブ限定ブランドだった「サンヨー・エッセンシャルズ」を名称変更し、洋品中心の商品構成から、雑貨を含めたトータルブランドとして訴求する。自社オンラインストアや既存店舗での取扱いを含め、2019年度には年商2億円を目指す。
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2018秋冬は、ウエアの商品型数を2・5倍に増やし、アウターや雑貨を拡充。ウエアは、「綺麗に見えるけど、着心地が楽なもの」という従来のコンセプトを変えず、素材本来の心地よさや美しさを打ち出すとともに、エシカルなアプローチや手入れのしやすさにもこだわった。植物由来の染料を用いる「ボタニカルダイ」を用い、ワインや紅茶、コーヒーで染めたオーガニックコットンサテンのシャツ、一重で軽いダブルフェイスのアウター、テディベア製作でも知られる独シュタイフ社のモヘヤウールを使ったファーコートなどをラインナップした。羊の体を傷めないミュールジングフリーのハイゲージウールや、ウォッシャブルシルクなども揃えた。
買い付け商品を中心とした雑貨は、メイド・イン・ジャパンの上質素材や高い技術力にこだわりつつ、普段使いができる値ごろ感のあるアイテムが中心。横浜のクリーニング店が開発した洗濯洗剤「リブレ」や、老舗江戸屋の衣料ブラシなどのお手入れ商品も揃える。
2015年3月にスタートした同ブランドは、日本製にこだわった高品質なベーシックアイテムを販売してきたが、「ウェブ上だけでは商品のよさが伝わりきらないことが課題だった」という。9月25日には、日本橋髙島屋S.C.への単独出店が控えており、「新規顧客を獲得できるよう、店舗における空間づくりを含め、ブランディングを強化する。75年間の歴史で培った素材やデザイン、パターン、縫製の哲学を生かしつつも、“三陽”の冠にこだわるのではなく、服の本質を見つめたものづくりを進めたい」。
新店舗は、インテリアデザイン&設計事務所LINE-INC. 代表の勝田隆夫氏が監修。上質で洗練されたくつろぎの空間を演出した。什器やラックには、音楽家・坂本龍一が代表を務める森林保全団体more trees(モア・トゥリーズ)と協業した間伐材を使用。くつろぎスペースには、フレデリシア社や椅子、EXIT METAL WORK SUPPLYのソファなどを採用した。また、照明にはピーターアイビーのハンドメイドガラス照明や、飛松陶器のペンダント時期シェードを取り入れ、広がりや落ち着きのある空間を創出する。
同ブランドは、同社の成長戦略施策の一環として力を入れるコーポレート事業の1つ。百貨店以外の販路開拓も行っており、現在、同社のオンラインストアに加えて、三陽銀座タワー店、靴ブランド「三陽山長」のベルビア銀座店と東京ミッドタウン日比谷店で一部商品を販売。2018春夏(3月1日~6月24日)も、レディスのボトムス、メンズのジャケットを中心に、売上高211%と好調に推移している。