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2023.08.04
オンワード樫山「23区」が30周年を記念してブランド初のランウェイショーを開催
オンワード樫山は2023年8月3日、大手町三井ホールで「23区」ブランド初めてとなるランウェイショー「23区 30th ANNIVERSARY RUNWAY SHOW」を開催した。
大人の女性に向けて単品のウエアリングを提案するカジュアルブランドとして、1993年にデビュー。今年30周年を迎える同ブランド。今回のショーはこれまでの出会いや感謝をこめて、コロナ以降続いていた閉塞感の中で発信することなどを目的としたもの。昼の部と夜の部の計2回、500人を招待してショーを開催。2023秋冬コレクションを披露した。
30周年を記念し、30個のランプシェードがDNAのようにらせん状につり下げられた会場。会場が暗くなり、「いろいろな人に光を当てられ、これからも続けていきたい」という気持ちを象徴するように、ランプシェードの光がモデルを照らしショーはスタートした。
テーマは「Things in the suitcase」=「スーツケースの中身」。必要不可欠なもの、必需品しか入れることができないブランドでありたいという思いや、30年かけて最終的に残ったもの、エッセンシャルなアイテムをアップデートさせた。
シアーな黒い透けるニットとブラトップにひざ丈のスカート。グレーのレイヤード、千鳥格子のコートとパンツなどのクラシックアイテムを現代のバランスに再構築した服。トレンチコート。オリエンタルムードのプリントを使ったスカートやパンツ。アクセントカラーのブルーやブランドカラーのレッドなどはあるものの、ベースは黒、白、そして、都会の迷彩色とも言われるグレーを使ったダウン。
デザインやアイテムも、リアルでクラシック。スカート丈やパンツのクロップドなど、バランスの微妙な変化が、ベーシックをアップデートする。グレーに統一されたまつ毛エクステも、ベーシックなワードローブで、スタイリングやメイクなどで変化を付ける。
コレクションに登場した中で、エッセンシャルアイテムを象徴しているのは、王道のデザインでありながら、素材にこだわったトレンチコートやカンクリーニの生地を使用し、縫製や風合いにこだわったシャツ、インポートのハンドトゥースチェックを使ったダブルのブレザーやパンツ。
また、デニムはスキニーやボーイッシュフィットに加え、レッドカードとコラボレーションしたショート丈のジャケットもプラス。30周年記念企画として、RIOPELE社のセットアップや5種類のアーカイブプリントを掘り起こしたスカーフ、更にコラボレーションによるローファーなどもラインナップした。
30年続くことについて「ぶれないこと、芯があること。だが、エッセンシャルアイテムも毎年リニューアルし、サイジングやパターン、生地、機能性などを、時代に求められる変化にアジャストするようにしていることが、しっかりと届いていると感じている。それが仕入れ先との協力関係や信頼関係、長い取引、クオリティの良さ、などにつながっている」という同ブランド。
今後の展開については「広く長く。30代は知っている人は多いが、買う人は多くない。ブランドの中心である顧客を守りながら、幅広い客層にもアピールし、幅広いお客様にアプローチしたい。また、技術力の継承やお客様を大事にするマインドなど、様々な部分を継承、蓄積して、長く続けられるブランドにしたい」としている。
取材・文:樋口真一
■「23区」2023秋冬コレクション