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2023.07.18

「ダイリク」2024春夏コレクション 映画のヒーローたちをコレクションに

 TOKYO FASHION AWARD 2022第7回受賞デザイナーである岡本大陸がデザインする「ダイリク(DAIRIKU)」が2023年7月12日、東京・千駄ヶ谷の国立競技場駐車場で2024春夏コレクションのランウェーショーを開催した。”MY HERO”をテーマにした今シーズン。「やっぱり映画が大好きだ」というデザイナー自身の思いや原点に立ち返り、スクリーンに映るヒーローたちをコレクションにすることにチャレンジした。

 HOLLYWOODという文字を背景に行われたショーは、2台のクラシックカーの入場からスタート。クエンティン・タランティーノ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に登場する車をイメージしたクラシックカーでドライブしていたモデルたちが車から降りてくるという、映画のファーストシーンのような演出で来場者を驚かせた。

 モデルが着ていたのは今シーズンのキーワードである「with LOVE to the MOViE, STUDIOS WARD ROBE TEST FOR My Hero」というメッセージが書かれたシアートップと星条旗を思わせる、幾つもの星などを描いた、ライダース風のレザーパンツ。ジャケットとカーゴパンツ、ウエスタン風シャツ、ウィメンズのレザーコートなどにも同じメッセージをプリントした透けるカットソーを組み合わせる。また、袖を黒にした赤や白のニットジャケットにはHOLLYWOODの文字が入り、こちらもたくさんの星のモチーフを使ったパンツをコーディネートした。

 

 富士山や松などを描いたアロハシャツやブルースリーの映画の有名なシーンを想起させるラインが入ったオレンジ色のジャンプスーツにも、メッセージ入りのカットソーをプラス。カウボーイ映画をほうふつとさせるフリンジ付きパンツや白いシャツなども登場した。映画ファンや映画を見た人にしか気づかないだろう、と思えるようなデザインやアイテムもあるものの、チャップリンをイメージしたスタイリングやスティーブマックイーンをイメージしたMA-1ジャケットを始め、ブルースリー、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットなど、映画のヒーローからインスパイアされたものだという。

 

 ウエスタンルックは荒野の用心棒などをイメージ。オープニングに登場したクラシックカーの運転手の服も実はブラッド・ピットの着た和柄のアロハシャツをイメージしている。さらに、俳優やヒーローのイメージそのままではなく、ミックスしたものもあるという。

 

 また、映画や俳優、女優をイメージしたためか、現代の春夏コレクションという基準で見ると重厚に見える部分もメッセージを乗せたシアーなカットソーを始め、薄いカーディガンやベスト、風になびくスカーフなど、固いものと柔らかいものを組み合わせることで、軽さをプラスし、バランスをとっている。

写真:観客に手を振るデザイナーの岡本大陸

 

 好きなもの、やりたいことを追求し、インスパイアされたコレクション。岡本は「前シーズンはイギリスのカルチャーを主体にしたが、もともとアメリカの映画やアメリカの古着が好きなので、もう1度アメリカをそのままやりたいという気持ちがあった」などと話した。

取材・文:樋口真一

Courtesy of DAIRIKU

 

「ダイリク」公式インスタグラム

 

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