「ドルチェ＆ガッバーナ（Dolce＆Gabbana）」は2023年7月8日から10日にかけて、アルタ モーダ コレクション（女性用高級仕立服）、アルタ サルトリア コレクション（男性用高級仕立服）、アルタ ジョイエッレリア（ハイジュエリー）を発表した。今回、同ブランドが選んだロケーションは南イタリアの美しい州、プーリア。ブランドのルーツ、シチリアとはまた違った魅力を持つ南イタリアの州で、古くからの伝統と文化、様々な美しい建築などを擁する。そんなプーリアからインスピレーションを受けて、コレクションは完成した。

「アルタ モーダ コレクション」

©DOLCE&GABBANA

　「アルタ モーダ コレクション」のお披露目の場として選ばれたのは、トゥルッリという石で作られた円すい形の住居で有名な街、アルベロベッロ。現在も住居（観光地のアルベロベッロの場合はほぼ土産物屋）としてトゥルッリは実際に使われており、それが並ぶ小道がランウェイとなって幻想的なショーが繰り広げられた。

　そんなトゥルッリをモチーフにした円すい形の大きな帽子やパニエスカート、トゥルッリの絵のプリント、トゥルッリを始めとした石の壁の質感を感じさせるマントやケープなどが登場する。またもう一つのプーリアの象徴的であるルミナリエのイメージが、手作業の刺しゅうやレースのパターンとしてドレスやオーバースカートとして各所に登場。ネットやクロシェ編み、チュールなど透けるアイテムには，ランジェリーやボディ、サイハイブーツを合わせている。またこれもプーリアらしいマッセリーア（農園領主の館）からのイメージで、農婦風の帽子やバッグ、花の装飾のドレスも登場。ウェディングドレスのメッカとして知られるプーリアを意識したようなチュールをふんだんに使ったドレスやメンズタキシード風のオーバーボリュームのジャケットも登場。

「アルタ ジョイエッレリア」

©DOLCE&GABBANA

　「アルタ ジョイエッレリア」では、プーリアらしい樹齢千年を超えるオリーブの木々からインスピレーションを受け、グリーントルマリン、エメラルド、ツァボライトガーネットでオリーブが表現された、ネックレス、イヤリング、ブレスレットをはじめとする新作が発表。

「アルタ サルトリア コレクション」

Photos by: Greg Kessler @gregbackstage、©DOLCE&GABBANA

　一方、「アルタ サルトリア コレクション」は、海からの敵をその輝きで撃退したという伝説のある、白い建造物で構成された幻想的な街、オストゥーニにて発表。コレクションは、イタリアの古い風習で女の子が生まれると準備するコレドという嫁入り道具の、白いリネンのテーブルクロスやレースのナフキン、ベッドリネンなどからのインスピレーションだ。

　代々家族に受け継がれてきたテーブルクロスを思い起こさせるクロシェの鎖編みがジャケットやシャツに使われたり、ドローンワークがコートのディテールとして施される。ドレープを利かせたトップやセットアップなどはベッドリネンのようなイメージ。またイブニングにはオストゥーニ発祥である陶器・グロッターリエのようなモチーフも使われている。カラーはオストゥーニの輝く白い街を思わせる、ホワイトやベージュをメインに、シルバーや淡いゴールド、そして金糸の刺しゅうが施されているアイテムも。本来、女性用の要素を、メンズテーラリングの最高峰である「アルタ サルトリア コレクション」へと昇華した。

来場セレブリティ

Photos by: Greg Kessler @gregbackstage、©DOLCE&GABBANA

文：田中美貴

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