「グッチ（GUCCI）」が2023年5月16日（現地時間）に、2024クルーズコレクションをソウル、景福宮（キョンボックン）にて開催した。このロケーションでのショーは、今年がソウルにフラッグシップショップをオープンした25周年アニバーサリーであり、また現代のファッションシーンにおける韓国の多大なる影響力を通じて、同ブランドの伝統との文化の交流を探求する目的もある。14世紀に建設され、重要な儀式が執り行われてきた景福宮の中庭でのショーは、ファッション イベントとしては初めてとなる。

　コレクションでは、1990年代後半の「グッチ」を彷彿とさせるシルエットを、2010年代のカラーパレットで表現し、また韓国の衣服にもインスピレーションを得ている。スポーティ、カジュアル、ストリートのテイストを核に、フォーマルウエア的な素材や仕立てやラグジュアリーな要素を入れ込んだ、ハイブリットなコレクションとなった。

　例えば、ボンバージャケットをイブニングドレスコートに仕立てたり、ウェットスーツにはチュールのコサージュのディテールを施す。ウェットジャケットをフレアやコクーンシルエットのロングスカートやビジュー使いのスカートと合わせたり、フォーマルなブークレのジャケットにはサイクリングパンツをコーディネート。ワイドなワークパンツには透け素材のトップでセンシュアルな要素を加える。

　また取り外し可能なスリーブやジッパーで幅を広げるパンツなど、現代的な機能性も加わっている。その一方で、韓国の伝統衣装からインスピレーションを得たシルクのリボンが飾られていたり、韓国のアーティスト、ラムハン（Ram Han）による繊細かつ精密な自然や生物のモチーフが差し込まれているのも印象的だ。

　「グッチ」のシグニチャーコードが各所に使われており、ウェブストライプが大胆にあしらわれていたり、GGロゴを使ったセットアップやドレス、オーバートップが登場。スリムなシルエットのホースビット付きのレザー チェーンバッグ、スキューバダイビングのマテリアルやアレンジがなされたアーカイブのミニマルなバッグなど、小物類からも「グッチ」感が溢れている。

文：田中美貴

来場セレブリティ

Courtesy of Gucci

■「グッチ」公式サイト

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