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2023.04.10
「ジュン アシダ」2023秋冬コレクション 長く着られる服、オーセンティックでモダンなコレクションを前面に
「ジュン アシダ(jun ashida)」2023秋冬コレクションが2023年4月7日、東京・六本木のグランドハイアット東京で開催された。今秋、メゾン創立60年を迎える「ジュン アシダ」。今シーズンはブランドの特徴であるオーセンティックでハイクオリティなコートやジャケット、ドレスを着て外出するシーンをイメージしたコレクションを見せた。
ステージ中央に並ぶ、10人の演奏者によるオーケストラ。コレクションはキャメルのコートにゴールドのハイネックとパンツの組み合わせや、クラシックなコートとゴールドの顔料を乗せたニット、光沢のあるコートなどからスタート。上質な素材と光沢のある素材など、クラシックや秋らしいシックなムードとゴージャスなムードのミックスが目を引く。
続くのは、赤や青などの美しい色と、花柄やペイズリー柄、幾何学柄。ミリタリーやハンティング風ジャケット、クロコダイル風などのフェイクレザーなどのマニッシュで力強いアイテムには流れるようなシルエットのフェミニンなアイテムをコーディネートする。秋の自然からインスパイアされたようなイエローや茶系にはハードで都会的なブラックを組み合わせている。
会場に鳴り響く、未来的でありながら重厚で、ハードな音楽とオーケストラによる生演奏。音楽の上に生演奏が乗ったり、音楽や生演奏だけになったりすることも、モダンでクラシック、オーセンティックという「ジュン アシダ」の特性を更に強調する。
また、後半はゴールドのジャケットとレースを使ったロングスカートやフリルやスポーティーなサイドラインを付けたパンツ、スパンコールとゴールドの素材を組み合わせたドレス、シックな光る素材とゴージャスな光る素材などを組み合わせたアシメトリーなドレスなどが登場。夜のドレスもクラシックや優しい光と力強くモダンな光、ゴージャスな光、スポーティーな光など、クラシックなドレスの中に、新しいバランスや変化などを加えている。
100年続く老舗のように常に少しずつ変わっていくことで、いつまでも古くならず、着る人にいつまでも変わらない、どこか新鮮だと思わせるデザイン。アニバーサリーコレクションを前に、トレンド的な新しさや表面的な変化ではなく、改めて「ジュン アシダ」のエッセンスを更に凝縮し、深化させることに集中したようなコレクションだ。
「エコやSDGsという流れから、いいものを長く着たいという人が増える中で、ジュン アシダがずっと貫いてきたハイクオリティでオーソドックスなもの、長く着られるもの、オーセンティックでモダンなコレクションを前面に打ち出しました」という芦田多恵さん。60周年となる次回のコレクションも注目される。
取材・文:樋口真一