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2023.04.01
「タエ アシダ」2023秋冬コレクション「フェス」をイメージし、風を呼び起こすような、強さを表現
「タエ アシダ(TAE ASHIDA)」は2023年3月29日、東京・西新宿の新宿住友ビル三角広場で2023秋冬コレクションを開催した。「フェス」をイメージし、アクティブで強く、楽しいコレクションを作り上げた。
前回の2023春夏コレクションでは、小室哲哉氏をシークレットゲストに迎え、国立競技場でコレクションを発表した「タエ アシダ」。次にどんなコレクションを発表するのかも注目された今シーズン。俳優・モデルの大平修蔵さんがDJで登場するとともに、ショー音楽のプロデュースも手掛け、若さや新しさ、エネルギーを更に強調した。
コレクションや大平さんのスペシャルパフォーマンスを映し出す巨大なモニターと黒のDJブースを背景に行われたショーは、えんじやピンクと黒のジャカードを組み合わせたMA-1ジャケットとプリーツスカート、クロコダイルのコートとレースのボディコンシャス、プリーツスカートなど、マニッシュとフェミニン、力強さとエレガンスが共存するコレクションからスタート。黒のコートとピンクのグラデーションが美しいニットやピンクのパンツなど相反するイメージのミックスが続いていく。
レディースとともに登場するメンズでも、ゲストモデルとして登場したパンツェッタ・ジローラモさんの着る体のラインを強調した、メンズのボディコンシャスとも言えそうなジャケットなど、ジェンダーレスで、エイジレスなデザインが目を引いた。レディースとメンズで同じものを着て登場したシーンもあったという。
イエローやブルーなど鮮やかな色を使ったマニッシュなジャケットとパンツ、クラシックなシルエットのコートと前回もアクセントとして登場していたゼブラ柄、60年代の未来派を思わせるボタンを使ったミリタリーテーストのコート。美しい色や90年代調、アニマル柄などを使いながら、マスキュリンとフェミニンを組み合わせ、ストリートテイストに仕上げるなど、街の空気も取り入れ、リアルなデザインに仕上げている。
また、後半に登場したオリエンタルムードのアイテムは絨毯(じゅうたん)のプリントをイメージしたもの。コルセットやロングスカートと組み合わせ、アンティークなムードとハードなフェミニン、マニッシュなムードをリミックスしている。DJブースと、グランパレなど海外のコレクション会場を思わせる広い会場、そして激しいサウンドが流れる中を進む、永遠の色である黒を使ったドレスやゴールドのプリーツドレスは、パリのクチュールハウスやラグジュアリーブランドのコレクションを彷彿させながら、あくまでも軽く、若い。花柄のスパンコール刺しゅうを施したヌーディティなゴールドドレスは、美しく、夢のように泡が広がるシャンパンのようにも見えた。
マスキュリンとフェミニン、クラシックとモダン、性差を超えた服、ハイブリッド、独自のスタイルと新しさへのチャレンジ、ヨーロッパのエレガンスとストリートファッションの首都とも言われる、東京ならではの若いエネルギー。タエ アシダらしさに、90年代のトレンドや今の空気感をかけ合わせ、若さや新しさを意欲的に取り入れたチャレンジングなコレクション。
「コロナも一段落して、風の時代に、もっと風を呼び起こすような、強さが時代に入ってくることを表現しました」という芦田多恵さん。「前回はレジェンドである小室さんだったので、今回は22歳の彼に任せてみようと思いました。服はいろいろな場面で着 るものだし、それぞれのドラマがある。いろいろなシチュエーションで見せることで、新たな面を見てもらえ、進化することが面白いし、それができるのがファッション。いつも冒険です。この人がやって、このコレクションを見せたらどうなるんだろうみたいな。それを楽しんでいます」と話した。
取材・文:樋口真一
Courtesy of TAE ASHIDA