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2023.02.14
ロエベ財団によるクラフトプライズ2023のファイナリスト30人が発表 日本からは国別最多の6人が選出
ロエベ財団が、第6回クラフトプライズ2023のファイナリスト30人を発表した。例年応募者が最も多い日本からは国別最多の6人のファイナリストが選出され、作品は2023年5月17日から6月18日までの期間、アメリカ・ニューヨークに位置するノグチ美術館内のイサム・ノグチのスタジオで展示される。
クラフトプライズとは、今日の文化におけるクラフトの重要性を認識し、未来の新しい基準を打ち立てるであろうアーティストへの評価を目的に、「ロエベ(LOEWE)」のクリエイティブ ディレクター、ジョナサン・アンダーソンが考案し、2016年にロエベ財団によって設立された賞のこと。
今年度は117カ国と地域を代表する職人による2,700点を超える作品応募があり、ファイナリスト30人はその中からデザイン、建築、ジャーナリズム、評論、美術館学芸員など、各界の第一人者13人で構成される専門家委員会によって選出された。最終的なクラフトプライズ2023の受賞者は、5月16日にノグチ美術館で開催するクラフトプライズ展のオープニングで発表されるとともに、賞金5万ユーロが授与される。
選ばれたファイナリストの所属は16カ国にわたり、陶芸、木工、テキスタイル、家具、紙、籠細工、ガラス、金属、ジュエリー漆、革、製本など、さまざまな分野や原料で作品を制作している。
今回の候補作には思いがけない形や色彩が登場し、例えばトロンプルイユ(だまし絵)の技法を用いたものでは、一見するとある素材でできているように見えて、よく見るとまったく別の素材であるなど、予想を覆すような作品が目立った。その他には光や素材、表面との関係を考察する作品も多く、素材と形を巧みに操って反射特性を効果的に変化させて動きのある作品に仕上げたものがファイナリストとして選出された。
クラフトプライズの選考委員長であるアナチュ・サバルベアスコア氏は、今回の選考プロセスについて次のように語った。「第6回を迎えるにあたり、この賞の性格を確立した以上、我々は扉を開くべきであると感じています。そして、非西洋的な生命力溢れる美学を分析し、造形的なクラフトにアプローチすることで、芸術の野心のあるクラフトの概念をさらに明らかにすることができ、嬉しく思っています」。
なお、このクラフトプライズには、応募時に18歳以上であり、プロとして活躍するアルチザンであれば、誰でも応募することができる。
■ロエベ財団クラフトプライズ2023ファイナリスト(アルファベット順、国・地域別)
志観寺愛(日本)
アランダ ラッシュ&テロル・デュー・ジョンソン(アメリカ合衆国)
クレール・リンドネール(フランス)
ドミニク・ジンクペ(ベナン)
ドン・ハン(中華人民共和国)
稲崎栄利子(日本)
ギオルギ・ダニベガシュヴィリ(ジョージア)
ヘリム・シン(大韓民国)
インチン・イ(大韓民国)
ジャイック・イ(大韓民国)
ヤナ・ヴィッサー(南アフリカ)
ヨハネス・クーネン(オーストラリア)
珠数かおり(デンマーク)
ケリョン・チェ(英国)
本間健司(日本)
クリスティン・マッキルディ(フランス)
キョホン・イ(大韓民国)
リネ・ボドカー(デンマーク)
リアム・リー(アメリカ合衆国)
ルス・モレノ・ピナート(スペイン)
マベル・ペナ(アルゼンチン)
マイナ・デヴィ(インド)
井本真紀(日本)
渡部萌(日本)
ナタリー・ドワイヤン(ベルギー)
プルー・ヴェナブルズ(オーストラリア)
中場信次(日本)
タニア・アギ二ガ(アメリカ合衆国)
ワンビン・ファン(中華人民共和国)
ウスン・チョン(大韓民国)
Courtesy of LOEWE