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2018.02.14

営業赤字を大幅縮小 3期ぶりの黒字化へ弾み 三陽商会2017年12月期通期決算

 
きょう開催の2017年12月期決算説明会に出席した岩田功社長(写真中央)

 

 三陽商会の2017年12月期通期連結業績は、売上高が625億4,900万円、営業損失が19億700万円、経常損失が19億4,100万円、純損失が10億2,500万円だった。不採算ブランドの営業終了によって売り上げが減少した一方、販管費を削減。経費削減や在庫コントロールが順調に進み、営業赤字を大幅改善した。2017年2月に発表した経営計画「Sanyo Innovation Plan 2017(SIP2017)」に基づき、「構造改革施策を前倒しで実行。成長戦略は施策の具体化が進んだ」(同社)。2018年度の黒字化に向け弾みをつけた。

 不採算6ブランド(7ライン)の営業終了に伴い、289店舗を閉店したことなどが影響し、売上高は前年同期に比べて約50億円(7.5%減)減少したが、販管費は11億7,900万円圧縮した。加えて、在庫コントロールによる評価損・処分損の削減(27億円)、経費削減プロジェクトの実施(9億円)などによって、営業赤字は19億700万円まで縮小。中間決算発表時に上方修正した業績予想(営業損失25億円)を大幅に上回る利益改善となった。

 2018年度は既存ブランドのてこ入れを継続するとともに、新規事業の導入によって3期ぶりの黒字化を目指す。基幹ブランド「ポール スチュアート」の商品カテゴリーを広げるほか、「マッキントッシュ フィロソフィー」の新業態「MP STORE」と「ブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ」の新販路開拓などを進める。アウトドアの新ブランド「5LAKES&MT」を3月にローンチするほか、きょう発表したベガコーポレーションとの業務提携によって、海外販売も含めたEC売り上げ拡大を強化する。

 2018年度の通期連結業績予想は、売上高が0.7%増の630億円、営業利益5,000万円、経常利益1億円を計画。純利益(25億円見込み)は、東京・青山の自社ビル売却による譲渡益(33億円)を特別利益として計上する。

EC売り上げは20%増

 ECでの販売は、自社オンラインストア「iStore」を中心に順調に売り上げを伸ばし、前期比20%増の49億9,300万円を達成した。同社は「SIP2017」における成長戦略の1つに、“EC売り上げの拡大”を挙げており、今期は、「iStore」でブランド横断型のモールビジネス化を進めるほか、EC専用ブランド「ル ジュール」の販売強化、自社オンラインメディア「SANYO Style MAGAZINE」立ち上げなどを計画している。今期のEC売り上げは、30%増の65億円を計画する。


売却が決定した東京・青山の自社ビル

三陽商会 公式サイト

 

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