ヤフーは1月24日開催の取締役会で、副社長執行役員の川邊健太郎氏が新社長CEOに昇格するトップ人事を発表した。2018年6月に開催予定の定時株主総会および取締役会の決議を経て就任する。宮坂学・現社長CEOは、代表権のない会長に就任する。

　新執行体制に移行する目的について、ヤフーは、「2012年に社長CEOに就任した宮坂学は、ヤフーをPCの会社から、スマートフォンで利用される会社への移行に取り組んだ。また、「eコマース革命」による新ビジネスモデルの導入や、アスクルの連結子会社化などにより事業構造を変革させ、メディア事業に加えて、コマース事業の業容拡大を図り、中核事業の多角化に取り組んできた」とコメント。「その一方、インターネット業界は今後もデバイスや通信環境、技術の進化により、顧客ニーズ、グローバル企業や異業種も含めた競合企業など、市場環境が急速に変化していくことが予想される。この変化の激しいインターネット業界を勝ち抜くためには、新たな挑戦とそれに伴う経営幹部の若返りこそが重要な要素であり、新執行体制への移行と代表取締役の異動を決定した」と説明した。

　新体制においては、「2018年度からは、“スマートフォンの会社”に加えて、“データの会社”になることを目指す。CEOと最高執行責任者（COO）を統合し、ワントップで迅速な意思決定と執行を行う。社員と近い年齢に若返りを図ることで、選任した常務執行役員と共に全社一丸となって、新たな挑戦と、事業の拡大・成長に取り組む」としている。

　川邊健太郎氏は、1974年10月19日生まれの43歳。電脳隊やビー・アイ・エムの取締役を経て、2000年8月ヤフー入社。モバイルやニュースのプロデューサー、（株）Gyao代表取締役などメディア事業における重役を歴任し、2012年4月から最高執行責任者（COO）、2014年6月から取締役副社長を務める。

　宮坂氏は今後、取締役会長として経営の管理・監督に注力。新規事業の開発およびサービスを提供する新会社「Z（ゼット）コーポレーション株式会社」を設立し、2018年4月1日に代表取締役に就任する。