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2018.11.29
店舗内の商品はすべてサンプル アバターを使って試着できるジーユーの次世代型店舗「GU STYLE STUDIO」東京・原宿にオープン
ジーユー(東京、柚木治社長)はあす30日、新業態「GU STYLE STUDIO」を東京・原宿クエストにオープンする。ウィメンズ、メンズのサンプル商品を並べ、オンライン上で決済するショールーム型店舗。店内のデジタルサイネージを使って作成したアバターや、スマートフォンアプリを活用し、アイテム選びから購入、受け取りまでの方法を、オンラインとオフライン双方からシームレスに選ぶことができる「次世代型店舗」とも位置づける。
約180坪(約600㎡)の店内には、ウィメンズ、メンズの全商品をラインナップ。商品はすべてサンプルで、全型を各サイズ1色のみで展示する。お客は決済をオンライン上で行い、商品購入後は手ぶらで店舗を出ることができる。すべての展示商品に付けられたQRタグを読み取ると、「ジーユー」スマートフォンアプリの「お気に入リスト」にすぐに登録することもできる。トルソーまたはマネキンが着用している場合、コーディネートされたアイテムを一括して登録することができる。
「HARAJUKU」のテキストメッセージを入れた同店舗限定のアイテムも
すべての展示商品にQRタグを付けた。読み取ると、「ジーユー」スマートフォンアプリの
「お気に入リスト」にすぐに登録することができる
トルソーまたはマネキンが着用している場合、コーディネートされたアイテムを一括して登録することができる
新店舗の目玉は、10台ほど設置した撮影機能搭載の大型デジタルサイネージ「GU STYLE CREATOR STAND(ジーユースタイルクリエイタースタンド)」。その場で撮影した顔写真をもとに、自身のアバターを10数秒で作成。さらに、性別・髪型・メガネの有無を選び完成。そのアバターに、「ジーユー」のウィメンズ・メンズ商品をバーチャルで着用させることができる。気に入ったコーディネートは、「ジーユー」のスマートフォンアプリの「お気に入リスト」に追加したり、29日にリリースした新アプリ「GU STYLE CREATOR(ジーユースタイルクリエイター)」に、アバターとともに登録することもできる。
試着室に持ち込んだ商品は、自動的にスキャンされ、スマートフォンアプリに登録することもできる。気に入ったアイテムは、そのまま購入することもでき、アプリにアバター情報を登録しておけば、店舗を出た後もアプリを使ってそのアイテムを繰り返し試すことができる。また、購入したアイテムは、自宅や最寄りのジーユー店舗、指定のセブンイレブンでの受け取りが可能だ。
アバターで気に入ったコーディネートができたら、GUアプリのお気に入りリストに保存したり、
新アプリ「GU CREATOR」にアバターとコーディネートをそのまま登録することもできる
お客様の“進化”についていかなければ支持は得られない
柚木治ジーユー社長
「どうすればお客様がファッションを楽しめるか?を追求したのがこの店舗。試着に負担を感じるお客様も多い。バーチャルスタイリングを使っていただくことによって、普段着ないファッションも自由自在に試すことができる。店内で気に入ったものがあればそのまま購入できるし、アプリで気になったものがあれば、店頭で試着してもいい。お客様のファッションの楽しみ方の幅が広がる」と柚木社長。「Eコマースが導入されていることにより、スタッフの作業コストは大幅に削減する。その分、お客様に接する機会がより増やせる」と期待する。
ウィメンズ、メンズのフルラインを揃え、デジタルテクノロジーを活用した売り場。「ファッション性と実需を融合したジーユーの商品政策、ファーストリテイリングが推し進めるサプライチェーン改革、有明プロジェクトの働き方改革を体現した」とも表現する。
東京・原宿への出店については、「ファッションが生まれる場所であり、海外からの観光客の方々が必ずといっていいほど訪れる場所。2020年にはさらに来日外国人が増える場所に出さない理由はない。かねてより出店したかったが物件を探すのに苦労していた。しかし、出店するなら最先端のジーユーをお見せしたいと、今回の新業態オープンに至った」と説明した。「様々なクリエーションが生まれる場所で、インスピレーションを刺激され、新しいスタイリングが生まれるはず。お客様にとって発見があるだけでなく、私たちにも学びがある。だから店舗名に“スタジオ”を入れた」。
同店舗のみで着用されるスタッフのジャケット
新業態のオープンがEC化率の伸びにもつながると見る。「現在ジーユーのEC化率は6%。もともと店舗数が多いこともあるが、まだまだ低いと考えている。この店舗を通して、新しい買い方が広がる。店舗に来店しない人も含めてアプリをダウンロードする機会が増えれば、Eコマースの比率が上がっていくだろう。将来的には、ユニクロの目標値と同じ30%を目指す」。
従来型店舗については、「新業態と補完し合う関係になる」という。「新店舗は180坪と標準店舗より小さいが、ウィメンズとメンズのフルラインを揃えているのがメリット。オンラインで買って最寄り駅の店舗で受け取って帰るという買い方できる。一方、従来の大型店舗はお客様の生活導線上にあり、人気商品を効率よく買える、すべてがリアルに叶う。役割がそれぞれ異なり、それぞれ進化している。従来型店舗がなくなるという考え方はしていない」。
次世代型店舗の今後については、「まずはこの店舗で見えてきた課題があれば、そこを磨き上げていく。スタッフの作業負担が減り、お客様への接客により時間を割けるようになれば、お客様の声はさらに多く聞けるようになるだろう。また、テクノロジー活用によって、お客様がどの服を選んだのか、どの服を組み合わせたのか。試着室に何を持ち込んだのか、持ち込んだ服のうち、どれを買ったのか、どれを買わなかったのか。そうした様々なデータが蓄積されれば商品開発やマーケティング、EC運営、接客に生かす」と話す。
「お客様がファッションに使うお金は減っているが、一方、ファッションに対する関心はリテラシー(理解・活用力)とともにどんどん上がっている。以前はコレクションやファッション誌から得ていた情報が、今ではSNSでも得ることができ、お客様自身が、本当に似合うものを探すための時間やコストのかけ方も進化している。私たち自身も最先端に向かっていかないと、“進化した”お客様からの支持は得られない」。
新店舗のテクノロジーや新アプリにおけるUI(ユーザーインターフェイス)や、UX(ユーザーエクスペリエンス)には徹底的にこだわったが、主題はEC化率を上げることではなく、あくまで「お客様がわくわくしながら自由に買い物ができること」と柚木社長は強調する。今回発表したアバターでできることは、“バーチャルスタイリング”で、“バーチャルフィッティング”とは異なる。「画像認識や体型計測を自動化するさまざまな技術が生まれている。お客様とお客様が本当に欲しい服が出会うための“究極のマッチング”に近づけるため、こうした技術にも大変興味がある」と加えた。
■オープニングイベントに中条あやみさん、パンサーさん、丸山桂里奈さんが登場
オープン前日のきょう29日には、関係者向けに店舗を公開。オープニングイベントには、ジーユーの広告モデルも務める中条あやみさん、お笑いグループのパンサーさん、元プロサッカー選手の丸山桂里奈さんが登場。新店舗に設置されたデジタルサイネージを使い、実際にアバターを作成。アバターを使ったコーディネート対決も行った。
■「GU STYLE STUDIO」店舗概要
住所:東京都渋谷区神宮前1-13-14
原宿クエスト2階
売場面積:約180坪
オープン日時:2018年11月30日(金)
午前11:00