世界最大のメンズウェアのトレードショー「ピッティ・イマージネ・ウオモ（以下　ピッティ・ウオモ）」。2019春夏コレクションを発表する第94回は、“PITTI OPTICAL POWER”をテーマに、2018年6月12日から15日まで開催される。ブースでの展示のほかに、イベントも充実。イタリアを代表するブランドやグローバルなビッグブランド、欧州メンズウィークで存在感を示している日本メンズデザイナーなど、多様でバランスのとれたライナップが特徴だ。

　毎回話題となるのが、伸び盛りのデザイナーによるショーだ。日本で話題となっているのが、「フミト ガンリュウ（FUMITO GANRYU）」のショー。「ガンリュウ（GANRYU）」のデザイナー、丸龍文人氏がコム デ ギャルソン（Comme des Garçons）グループから独立し、自身の名を冠したレーベルを初お披露目する。丸龍氏は「ピッティ・ウオモでデビューするというこの素晴らしい機会に恵まれたことを光栄に思います。新しい方向に向かう私のビジョンを表現するために全力を尽くします。」 とコメントしており、どのようなコレクションを見せるのか期待が高まる。

　日本ファッションウィーク機構の支援で、山岸慎平氏が手がける「ベッド フォード（BED j.w. FORD）」もショーを行う。同ブランドは、東京都と繊維ファッション産学協議会主催、日本ファッション・ウィーク推進機構共催のファッションアワード「TOKYO FASHION AWARD 2017」に選ばれ、東京でショーを開催してきた。そして、今回が海外で初のショーとなる。山岸氏は、「海外で初めてのランウェイショーの舞台がピッティ・ウォモになるとは少し前までは想像もしていませんでした。フィレンツェの地でコレクションを発表できること心から光栄に思っていますしとても感激しています。」とコメントした。日本ファッションウィーク機構は、海外に日本人デザイナーを紹介する場としてピッティ・ウォモを選んでおり、これまで「サルバム（sulvam）」、「ヨシオクボ（yoshiokubo）」などがショーを行っている。

　2018年1月、ミラノメンズで新プロジェクト「モンクレール ジーニアス（MONCLER GENIUS）」を発表した「モンクレール（MONCLER）」。今シーズンも、藤原ヒロシ氏が参加。「MONCLER GENIUS PROJECT “A live music event, featuring Hiroshi Fujiwara”」と題したライブイベントを行う。

　新境地を切り拓くビッグブランドも、ショーやイベントを行う。フィレンツェで誕生し、イタリアンファッションの代表とも言えるブランド「ロヴェルト・カヴァリ（Roberto Cavalli）」は、「ジー ゼニア（Z ZEGNA）」などでキャリア積んだポール・サリッジ（Paul Surridge）を迎え、メンズウェア・ファーストコレクションショーを行う。

　「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」もプレゼンテーションを行う。同ブランドは、2017年6月にパリメンズで大掛かりなプレゼンテーションを開催。その後、可動式リテールスペース「ビルケンシュトック ボックス(BIRKENSTOCK BOX)」で、ニューヨーク、ミラノ、ロサンゼルスをツアーしている。フィレンツェの地でどのようなイベントを行うのか注目だ。他にも、「ヘルノ(HERNO)」や「カナーリ(Canali)」、「コス(COS)」、「エムシーエム(MCM)」もショーを行う。

　トリを飾るのは、「クレイグ・グリーン（Craig Green）」のファッションショーだ。ロンドンを拠点にするクレイグ・グリーンは、セントラル・セント・マーチンズ大学を卒業。 2012 年に彼の名を冠したブランドを立ち上げ、ロンドンメンズウィークで最も注目を浴びているデザイナーの一人だ。「今までに招待されてきた素晴らしいデザイナーの方々に名を連ね、第94回ピッティ・ウオモのゲストデザイナーとして招待されたことを光栄に思います。」とコメントした。

　ピッティ・ウォモの真の魅力は、ブース出展するブランドたちの新作コレクション。メンズマーケットの行き先を示すものとして、毎シーズン注目が集まる。クラシコ系やコンテンポラリー、雑貨など、ファッショングループ別にパビリオンを設置。今回は、新たなパビリオン「I GO OUT」が登場する。“アウトドア・ミーツ・ファッション”をテーマにブランドを編集するという。長期トレンドとなっているアウトドアをどのように提案するのか、期待が高まる。

■ピッティ・イマージネ・ウオモ　公式サイト