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2022.10.24

「ジュン アシダ」2023春夏コレクション 軽さや透明感を強調

 芦田多恵による「ジュン アシダ(jun ashida)」2023春夏コレクションが2022年10月21日、東京・六本木のグランド ハイアット 東京で開催された。6年半ぶりのショー形式での発表となった今回。芦田淳氏が創り上げてきたスタイルやデザインは守りながら、今の時代が求める軽さやリラックスしたムードのデザインに仕上げたコレクションを見せた。
 
 芦田淳氏とは「二十歳の頃からお世話になり、いろいろなことを学んだ」というピアニスト清塚信也氏による演奏とともに行われたコレクションは、同ブランドらしいトリコロールカラーのストライプを使ったワンピースからスタート。続くマリンスタイル、ジャケットとワイドパンツの組み合わせ、ペイズリーやドット、自然を感じさせるプリントを用いたアイテムなども、これまで繰り返して登場したデザインやアイテムだが、より軽く、リアルなバランスで表現され、新たなデザインに生まれ変わったように見える。
 

 大きな結びやリボン、フリルをアクセントにしたドレスなど、オートクチュールのテクニックを駆使したドレスは、更に軽さや透明感を強調。6年以上の月日や秋冬と春夏、男性デザイナーと女性デザイナーの違いなどもあるが、60年代未来派を思わせるトップスも前半のジャケットやマニッシュなコーディネートなどと同様に、構築的で実用的でありながらも、以前のような重厚さは感じられない。ゴールドのドレスや天女の羽衣のような透けるドレスなどは、クラシックでありながら、圧倒的なまでの軽さで、風や光を着ているようだ。
 

 パリのオートクチュールメゾンのように、ブランドのスタイルを続けながら、時代性や未来的なムードなどを加え、更に進化させたコレクション。「ジュン アシダ」の今の顧客だけでなく、次の顧客やその次の展開なども見据えているようにも感じさせた。
 
 芦田多恵デザイナーは「今回はテーマというより、スタイルを崩すことなく、今の時代の風を吹かせたかった。クリエイティブディレクターとして、映像による表現などいろいろな新しいチャレンジをしてきましたが、ウィズコロナの今こそリアルに見ることで生まれる感動、見る人の五感に伝わる心地いい場所が必要だと思い、今回はランウェイショーをしました。父(芦田淳氏)がいたら何というか、ジュン アシダを愛している方たちがどう感じるのかも考えましたが、今心地いいことをしたいと思いました」と話している。
 
取材・文:樋口真一

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