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2019.09.05
ナップス オウンドメディア充実、元「AKB」も起用、商品紹介記事が話題に
バイク用品の開発・販売などを行っているナップスは、ネット販売の売上高が2年間で3倍となるなど急成長が続いている。社内でもECを今後の重点事業に据えているようで、今期はコンテンツページの強化や外部への売り場初進出などさらなるテコ入れが進んでいる。
前期から取り組んでいるのは商品登録点数の拡大と、テキストの拡充。洗い出しを行って、売れる商品の情報をより見やすくするよう内容を充実させている。販促面では2月から実施しているフィード広告の費用対効果が想定以上に高く、新規獲得の効率が大きく向上した。
また、サイト内のオウンドメディアページを活用した集客も順調に推移している。季節イベントや機能、ジャンルごとなどでそれぞれ商品を取り上げて訴求しているもので、自社のスタッフがクリエイティブを担当。一例としてヘルメットの選び方を解説した内容ではサイズや種類、目的など項目ごとに分けてそれぞれの推奨商品を紹介。商品ごとに購入ページまでの導線もつけることで購入につなげている。
さらに、今年からはアイドルグループ「AKB48」の元メンバーでバイクユーザーとしても知られている平嶋夏海さんとコンテンツの執筆などについて契約。元々、同社が主催したリアルのバイクイベントに平嶋さんが偶然参加していたことを知って依頼したもので、同社も驚くほどのバイク知識と執筆力を持った平嶋さんの原稿が顧客からも話題になっているという。
現在は月1回のペースで投稿を行い、イベント内容や商品、体験などを一ユーザーとしての目線で紹介。今夏では梅雨明けに投稿した、モーターサイクル用の冷却ベストの記事(画像)が話題になっており、水道水を注入することで高い冷却効果があることなどをテキストや写真も交えながら詳しく解説。その効果もあって、2万円前後の価格ながら当初想定の2倍以上の売り上げになったという。
そのほか、実店舗との連携については、特にブランド認知の部分で効果を見せている。同社の場合これまで関東をメインに店舗展開していたが、4月に大阪初の実店舗を立ち上げたところ、通販サイトへのアクセスの流入元が日によっては関東を抑えて大阪が1位になることもあり、ECへの高い送客効果が生まれているという。天候にも左右されやすい実店舗への来客をカバーする役目も期待できるようだ。
なお、6月にはNTTドコモが運営する通販サイト「dショッピング」に出店。立ち上がりの成果として想定の2倍以上の売り上げを記録している。ヘビーユーザーが中心の自社サイトとは異なり、比較的ライトなユーザーが多いことから、品揃えも意識的に変えている。入門用や手頃価格の商品などを軸に絞り込んで展開しており、特にバイク向けの動画撮影機器類などが人気となっている。「ポイントで決済ができるので思っていたよりも購入金額は高い。(一般的なモールと違い)単なる価格勝負にも陥らず、バイク用品の競合もいない」(同社)ことから新たな売り場として機能しているようだ。
今後についてはシステムや物流体制の強化を計画。成長スピードに合わせてバージョンアップを図ることが喫緊の課題となっている。