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2019.09.05
ユニークで目を引く取り組みを展開<効果ある新規顧客獲得策、注目各社の試みとは?>
通販実施企業にとって永遠の課題である新規顧客の開拓。各社ともその時節やタイミングに応じて、また、自社で販売する商品に特性やターゲット層などにあわせて様々な施策を講じ、効果的な新規顧客獲得の方法を模索している。今回はその中からユニークかつ成果に結びつきそうな新規顧客開拓策を展開する三越伊勢丹、Koala Sleep Japan(コアラスリープジャパン)、mighty(マイティ)の事例についてみていく。
ライブコマースで集客強化
<三越伊勢丹>
三越伊勢丹は、8月28日~9月2日に伊勢丹新宿店本館6階催事場で開催した小柄女性のためのファッションイベントで、インフルエンサーなどを起用したライブコマースで新客開拓にも取り組んだ。
同社では催事会場の一角にライブコマースを行えるエリアを設け、インスタライブを「伊勢丹オンラインストア」で配信。ライブを見ながらそのままオンラインで購入できる仕組みをMofflyのシステムを活用して実施した。
イベント開催前日の8月27日午後7時からは、同催事にも出店し、プチプラで20~30代女性に人気のファッション通販サイト「神戸レタス」がライブコマースでタッグを組み、神戸レタスと、低身長コーディネートで人気のインフルエンサー田中亜希子さんとのコラボ商品3点を含む全8アイテムを約1時間半の放映時間で紹介した。
ライブコマースの協業では、三越伊勢丹はMDと会場の提供、自社ECでのライブ配信や催事場と自社ECでの販売、ゲストとして登場した3人のインフルエンサーの選定と手配を担当した。一方の神戸レタスはコラボ商品の開発を含めたMDと、スタッフ2人が登場してライブコマースの進行役を務めたほか、神戸レタスの公式インスタアカウントを通じてライブを同時配信し、自社ECでの販売も行った。
三越伊勢丹は今年2月から10回程度、今回と同じシステムを活用して「伊勢丹オンラインストア」内でライブコマースを配信。そのときはランドセルやベビーカー、食料品といった百貨店が得意な商品を中心に販売スタッフがライブ出演して紹介している。
今回の催事では、ECの役割を”事前告知”の部分にフォーカス。イベント前日にライブコマースを実施することで、会期中の来場者増や、EC売り上げの拡大につながると判断した。
また、ライブコマース自体の告知は自社のオンラインストアと神戸レタス、ライブに出演したインフルエンサーにもフォロワーに対してPRしてもらった。加えて、神戸レタスのインスタライブでも同時配信してもらうことで、トータルの視聴者数を伸ばせるようにした。その際、一部アイテムを三越伊勢丹の先行受注品とすることで、「伊勢丹オンラインストア」や催事に来店してもらいやすい環境を整えた。
同社によると、これまで自社ECで実施した約10回のライブコマースに比べると、ライブ中のコメント数が圧倒的に増えたという。
タッグを組んだ神戸レタスについては、前回の小柄女性向けの催事にオンライン販売限定で出店してもらった結果、同社アイテム購入者の約7割が新規客で、残りの3割程度が三越伊勢丹の既存会員だったことから、プチプラファッションとECの親和性を確認。今回はリアルの催事出店に加え、ライブコマースに慣れた神戸レタスにライブ中継の進行を任せた。
ただ、MD面では小柄女性向けに田中亜希子さんと神戸レタスのコラボ商品を開発してもらうなど、百貨店催事でプチプラ商品を提案する付加価値の部分にも気を配ったという。
なお、神戸レタスでは昨年の秋から小柄女性向けの商品展開をスタートしており、今回の催事に合わせて当該層向けのコラボ商品のラインアップを増やして臨んだという。