PICK UP
2014.02.12
見逃せない! フィットネスカルチャーが熱い!
SOULCYCLEのホームページより
サンフランシスコベースの「Yoga Journal」の調査によると、2008 年から29%増にあたる、2040 万人の米国市 民がヨガのクラスを受けており、年間に103 億ドルを費やしている。年頭に誓うNEW YEARS RESOLUTION のトッ プも“健康とフィットネス”と、ヨガ以外のスポーツも人気の中、ファッション業界がざわざわする程の需要と消費者心理が注目。現在店頭に続々登場している、アクテイブウエアを取り上げたいと思います。
うなぎ上りのアクテイブウエア市場
米国の調査会社によると、12月末締め2013年のアパレル商品のトータルの売り上げが1%増に対して、アクテイ ブウエアの売り上げは9%増の$11.5b(115 億ドル)。アパレル総合売り上げの16%を占めており、2015 年までに$178b (1780 億ドル)に達すると予測されている、見逃す事の出来ない究極のスイートスポット。 ちなみに米国で“アクテ イブウエア”というのは、アスレチックウエアを含むスポーテイなアパレル&ファション雑貨のカタゴリーの総称。
ラインを拡大した「SOULCYCLE」商品ホームページより
SOULCYCLE現象
昨今のアクテイブウエア市場の人気を語るに欠かせないのが、ブテイックフィットネス「SOULCYCLE(ソウル サイクル)」の存在が あります。2006 年NY発、暗闇のスタジオの中で、ハイテンションな音楽とインストラクターのかけ声と共に一体感 を感じながら行う究極のエアロバイクフィットネス。ニューヨーク、カリフォルニアを中心に25 店舗、今年新たに15店舗オープン、そして初の海外店をロンドンにもオープンするそうですが、45 分のクラスで、1回チケットは34 ドルとかなりお高い! それでも、ワイン2 杯分の価格で400~800キロカロリーを消費し、それ以上の満足感が得られると予約はいっぱい。(ちなみに、1日に10回クラスを行うそうで、1スタジオの1日の売り上げは平均1万7000 ドル、2010 年以降、利用者数は58%増、売り上げは60%、利益は85%増)。昨今のアスレチックウエを語る上で、 「SOULCYLE 現象」を挙げられる事が多いので長くなりましたが、他にも FLYWHEEL / BARRY’S BOOTCAMP/PHYSIQUE57/ AKT IN MOTION /TRACY ANDERSONなどのブテイック系のフィットネスは続々と登場しています。
ブテイック・フィットネスと小売りの融合
「SOULCYCLE」では、ジム内でPB商品を販売していますが、小売りと融合してハイエンドアイテムを販売して いることでも注目。今年1 月には、ラインを拡大し、年に14回(コレクション)の入荷スケジュールで、オンラインシ ョップをスタート、サイトへのアクセスが集中しダウンする程のパニックがありましたが、SOULCYCLE”のウエアは、単なるトレーニング着を超えステータスとして利用者と強い繋がりを創出。子供を送り出した後の主婦、仕 事終わりのビジネスマン等、過酷でありながら、健康的でトレンデイなフィットネスをライフスタイルに取り入れている、“チーム・ソウルサイクル”である証。 先日、アマゾンコム傘下の「SHOPBOP.COM」でも、「SOULCYCLE」と独占のカプシュールラインを販売したことでも話題になりました。
ヴィクトリアズシークレット社の「VS SPORT」34丁目の旗艦店
アクテイブウエア市場に参戦する小売り店
アパレル企業の中にも、フォーエバー21 や、ギャップ社の「ギャップフィット」と「アスリータ」。アメリカンイーグルは「AERIE」でヨガショップや水着ラインを拡大、ヴィクトリアズシークレットでは「VS SPORT」などのアパレル企業が既に取り扱いを始めています。いつまでも若く美しくありたい、アクテイブママさんをターゲットにした、英国の「Sweaty Betty」も昨年、ソーホーとコネチカットにオープンと海外勢も気になるところ。
激戦が予想される中、今年、新たにスタートする企業も続々登場。その一部を参考にピックアップ。
フィットネス界のネッタポルテコム「CARBON38」
この分野に参戦しているのはリアルショップだけではありません。昨年スタートした、「Carbon38」は、ネッタポ ルテのフィットネス版と呼ばれる、スタイリッシュでハイレベルなフィットネスウエアブランドを集め、アクテイブ ウエアに特化した、オンラインショップ。創業者は“スパンデックスと共に生きている!”と豪語する元バレリーナ で、ハーバード卒という経歴を持つ二人の女性。ショッピングカートには平均150~200 ドルで購入されているそうで すが、スポーツブランドよりもシックでファッショナブルなウエアを求める忙しい女性達に熱い支持を受けている。 サイトの特徴でもある、オンラインマガジンでは、アスリートやハリウッドセレブ達のインタビュー記事や、最新のフ ィットネスの紹介など、ヘルシーライフスタイルの参考になる情報満載(www.carbon38.com)。
フィットネス版のネッタポルテ「CARBON 38」ホームページより。
今月はオリンピック号スタイリッシュでありながらリラックス感あるスタイルが支持されている。
アクテイブウエアはスポーツ目的だけでは無くなった!
かつて、運動着として着用するのが目的だったアクテイブウエアが、昨今のフィットネス・カルチャーブームで、ジム帰りのショッピングや、友人とのテイータイムで、アスレチックウエアを着用することは恥ずかしいことではなく、むしろ、スポーツをライフスタイルに取り入れていることはクールだという心理に変化。アスレチックにインスパイアーされた、エブリデイカジュアルを求める消費者が急増しており、その中でもスタイリッシュで、インでもアウトでも着用できる、“新アクテイブウエア”が注目。 競合が予想される市場に、なぜ参戦する企業が多いのか? スポーツ人口の増加とともに、アクテイブウエアは元々の用途から枠を超え、今や、ニューカジュアルとして生まれ変わりつつあるからです。
H&Mは今年、「H&M SPORT」をスタート
元々米国では、体を鍛えるということに対して、ストイックな人が多いと思われますが、ヨガブームに始まった女性のスポーツ人口の増加が大きく影響し、今までとはひと味違ったフィットネスカルチャーが注目。この消費者層を獲得しようと、アスレチック企業は、ファッションを取り入れ、アパレル企業やデパート勢はスポーテイなオリジナルラインのスタートで対応して行くことになりそうです。
この傾向は、都心の中流階級以上の消費費者が多く、ブテイックフィットネスのスタジオも現在のところ、都心に集中。ルルレモンやアスリータの出店にも、ターゲットを研究したロケーションが考慮されているようです。
マックスリー・コーポレーション
マックスリー・コーポレーション ( CHIZU NISHIDA ) ■ビジネス関連のお問い合わせ:小林まで
【公式サイト】http://www.maxrecorp.com/ |