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2018.12.14

クリスマスシーズンに活性化する脳の領域があることが判明 デンマークの研究

●クリスマスに高揚感を感じる人と感じない人

 デンマークのコペンハーゲン大学が医学雑誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』に掲載した記事によると、クリスマスシーズンに高揚感を感じる人は脳内の特定の領域が活性化していることが判明した。これは、家族や友人と囲む食卓の香りなどの刺激を受けて活性化し、喜びや郷愁の感情を生み出すのだという。

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 一方で、クリスマスのこうした雰囲気にまったく無関心な人も存在する。デンマークの研究は、非常に小規模であるがこの2つのタイプが研究対象となった。

●fMRIを使用した実験

 研究に参加した20人は、まずクリスマスに関する84枚の画像を見ながらfMRIで脳がイメージングされた。その後、習慣や伝統などを重視するかしないかなどの質問事項の回答をもとに、参加者は2つのグループに分けられた。ひとつは、クリスマスを重要視する人たちのグループ、もう1つは積極的にクリスマスを祝わないと答えた人たちのグループである。

●脳の5つの領域で相違がみられた2つのグループ

 研究チームは、これらのデータをもとにイメージングした脳の画像を分析した。

 その結果、脳内の5つの領域で「クリスマスを重要視する」グループが「クリスマスに無関心なグループ」よりも著しく活性化していることが判明した。これらは、大脳に位置する領域で、過去の記憶と密接な関連がある。研究者は、この領域を「ホリデイ・センター」名付けている。

 さらにこの領域は、記憶だけではなく香り、人々の顔の表情とも関連している。「クリスマスを重要視しない」グループの脳には、この領域の活性化が記録されなかった。

●今回の研究の限度とは

 今回の研究は、心理学者たちの注目をひいている。しかし、非常に小規模であったことや、伝統的にクリスマスが根付いているデンマークの研究である点が疑問視されている。

 クリスマスなどのホリデーシーズンは、多くの人に高揚感を与えることは間違いない
。それは、過去の幸福な思い出と関連があることが今回の研究である程度は明らかになった。クリスマスに幸福な思い出がない人は、12月の世間の騒ぎに無関心になる。その理由は、脳にあることになる。

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