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2018.11.17
<顔>デビュー15周年初の店舗をオープン 「キノ」石川智恵デザイナー
「セレクトショップや百貨店を中心にポップアップストアを開催するなか、商品のお問い合わせや、フルラインを見たいという連絡をいただく機会が多くなっていたんです。そうした方には直接アトリエに来ていただくこともあったので、それならばとアトリエの一部をお店にしようと考えました」と話すのは、ウエアブランド「キノ(KINO)」の石川智恵デザイナー。2002年のデビュー以来初の店舗を11月17日、東京・渋谷にオープンする。
デビュー翌年から東京コレクションでコレクションを披露。2007年には、ユニクロが気鋭デザイナーと協業する「デザイナー・インビテーション・プロジェクト」に参加した実力派。“TIME TESTED=時が経っても長く愛される服”をコンセプトにした、どこか北欧のムードを感じさせる色づかいやシルエットは、感度の高い男女を中心に根強いファンを持つが、これまで積極的なプロモーションを行ってこなかったという。今後は、店舗からブランドの発信を強める。
2019春夏コレクション。“時が経っても長く愛される服”というコンセプトに沿って、アーカイブ作品に素材やシルエットで変化を加えたアイテムもある
渋谷区神宮前という好立地。アトリエとして使用していた約40平米のうち、約3分の2を店舗へと改装し、レディス・メンズのフルラインを並べた。白を基調としたスペースは、シンプルで洗練されながらも、落ち着いたムードに。来店した人にゆっくりと丁寧に商品を選んでほしいという思いを込めた。商品と空間双方でブランドの世界観を楽しめる場所にした。
新店舗では、3年ほど前から始めたドッグウェアも置く。レディス&メンズコレクションの端切れを使い、人間のファッショントレンドを落とし込んだモード服。縫製も、人間の洋服を作る工場に依頼することによって、小さなアーム部分や裏側も、細かく丁寧に仕上げているのが特徴だ。「洋服のプロとしては、着心地にもこだわりたいので」と石川氏。現在は、ファッション誌で取り上げられると、問い合わせが殺到するほどの人気だ。
大手企業が立ち上げたドッグ関連商品の監修をしたことがきっかけで、「キノ」でもドッグウェアをデザインするように。自身も大の動物好きで、店舗では石川氏の愛犬が出迎える。「私たちのブランドの接客部長なんです(笑)」
オープンから最初の3日間は、2019春夏コレクションを展示し、先行受注を行う。「キノ」のコレクションに合う小物やアクセサリーなども期間限定で取り扱う予定。さらに、今後はメンズのプロモーションも本格的に行いたいといい、「メンズのパターンオーダーもやってみたいと考えているんです」と話す。新店舗は、ブランドのことを深く知ることができるだけでなく、ブランドの新たな試みをのぞける場所にもなりそうだ。
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■「KINO」店舗情報
住所:東京都渋谷区神宮前3-3-10 2階
営業時間:12~19時
TEL:03-6804-3893
定休日:毎週日・水曜日(2018年11月18日(日)は営業)