PICK UP

2016.05.11

年間1,700億ドルの消費――学生、主婦、ぽっちゃりさん 分散化するミレニアルズ戦略

 米国では、ミレニアル世代がベビーブーマーの人口を超えたことで、この世代とコネクトするための様々な取り組みが盛んに行われています。現在の所、ミレニアルズ全体で年間に$170ビリオン(1,700億ドル)が消費されており、2017年までに$200ビリオン(2,000億ドル)まで拡大すると予測されています。しかし、ミレニアルズといっても一般的には18~36歳(1980年初頭~2000年代生まれ)とかなり幅が広く、学生から社会人まで。これを、ひとくくりのグループとして捉えるのは元々無理があります。ティーンやシングルのミレニアルズの情報ばかりが先行しているように思いますが、米国ではその中でも特定の消費者層に向けた小売り戦略が繰り広げられています。ミレニアルズの中で浮上している、新たな消費者層とマーケティングの一部をご紹介したいと思います。

SNSを日常的に使うスーパー購買層「ミレニアルズ・ママ」

 米国企業が特に注目しているのが、アスレジャートレンドのターゲットでもある「ミレニアルのママ層」。センサスの調査では、ミレニアルズ女性の約半分が母親になっており、71%が働いていることから、巨大な購買層として注目しています。共働きで子供を持った忙しいミレニアルママ達へのサービスとして、ファーストフードチェーン「Chick Fil A(チック・フィル・エー)」では、ドライブスルーで注文する際に、ハイチェアーの数やケチャップなど必要な物を知らせておくと、支払い後に店に入った時には、指定のテーブルに全て準備されているという「Mom’s Valet」サービスを拡大。ウォルマートやターゲットも、この世代が好むオーガニック食品を積極的に取り入れています。「ターゲット」のCEOは、自らこの世代消費者を訪問し、ショッピングの際にどんなサービスが必要としているか調査を続けているそうですが、この世代の特徴はデジタルに精通していること。ミレニアルママのSNSの使用は週に17時間。洋服や食品の買い物に至るまで、常に友人家族と情報をシェアしているため、口コミによるサービスの情報もあっという間に広がるのでしょう。

有望な消費リーダーの誕生「ミレニアルズ・パパ」

 ママがあればパパも新たな購買層として急上昇しています。リセッション(景気後退)の体験や高額な大学のローンを抱えた後期ミレニアルズの男性達は、家を持つことや結婚に関して急いでこなかったのですが、慎重に計画的に進めてきた結果、彼らにもパパ時代がスタートしているのです。親世代に比べ、キッズやファミリーとの関わりが強いのが特徴と言われており、ミレニアルパパの80%は、食品の買い物に参加しています(父親層全体では45%)。一般的に、男性はショッピングがあまり好きでない傾向なのですが、ミレニアルパパは、キッズのためのショッピングを熱心に行うイクメン。キッズの物はママが買うといった観念は無くなり、家族のための買い物をパパがシェアする時代へと変化して行くことになります。さらに、パパとキッズ、またはファミリーで買い物がしやすい小売り店鋪の開発が進んで行くことになります。そして彼らもデジタル世代。ミレニアルパパの3分の2が、2~3種以上のデバイスを所有しており、商品の購入や子育て、DIYもユーチューブで検索。デジタルクーポン片手にショッピングする男性も増えてきそうです。

欠乏するビッグ市場「カーヴィー・ミレニアルズ」―JCペニーが人気TV番組とタッグ

 「カーヴィー」とは、丸みを帯びた体系を表した造語で、サイズの大きな女性の総称とされることが多いです。JCペニーでは初となる、ビッグサイズの女性のためのアパレルコレクション「Boutique+」をスタート。その中でもミレニアル層をターゲットに、人気のリアリティTV「プロジェクト・ランウェイ」とのコラボで、初のプラスサイズ部門のウィナー、アシュレイ・ネル・テイプソンをアンバサダー&デザイナーとして起用。5月から500店舗にて販売がスタートしています。米国女性の65%がサイズ14以上を着用しており、プラスサイズ市場は$17.5ビリオン(175億ドル)。ですがブランド・イメージから、ビッグサイズに取り組む企業は少なく、スタイリッシュなファッションを求める、ぽっちゃり・ミレニアル女性向けのアパレルは完全に不足の事態。店頭での取り扱いが少ないことから、JCペニーで試着して購入できることは、プラスサイズ女性に取って朗報。しかも、デザイナー自身がカーヴィーサイズですから、望まれる機能性+ファッショントレンドを熟知していることは、非常に大きなポイントと言えます。

 

 こうした例は一部ですが、ミレニアルズの中にも子育てする消費者が増えてくることでショッピングの傾向やライフスタイルも変わり、なによりもキッズ関連の消費が増えて行くことが予想されます。また、プラスサイズ市場に代表されるニッチでビッグなマーケットの開拓など、この世代ならではの特性を活かしたマーケティングが不可欠となっているようです。


 

 

マックスリー・コーポレーション
MAXRE Corporation

 

マックスリー・コーポレーション ( CHIZU NISHIDA )
米国ブランドの輸出及びビジネスコーディネート、マーケット調査などを承っています。

■ビジネス関連のお問い合わせ:小林まで
■市場調査レポートのお問い合わせ:西田まで

 

【公式サイト】http://www.maxrecorp.com/
【ブログ】マックスリー・コーポレーション

メールマガジン登録