PICK UP

2018.08.28

【注目ブランドをピックアップ】海外進出へのサポートを強めた「プレイタイム東京」2019春夏開催

 ベビー・こどもブランドの国際合同展示会「プレイタイム東京」(主催:ピカフロールジャパン)2019春夏コレクションが8月21~23日、東京・恵比寿のEBiS 303で開かれ、93ブランドが参加した。開催までのスケジュールに変更があったことなどから、海外組を中心に出展者数の減少が見られが(2月展は約150ブランドが参加)、日本ブランドは52ブランドと前回展(約30ブランド)より増加し、全出展者数の過半を占める結果となった。

(左から)「アーチ&ライン」を運営するアーチの小池直人社長と、「タゴ」創業者の深沢昌格氏

 そうした日本ブランドへのサポートを強めたのが今回の特色。「バイヤーと出展者を繋げる展示会のあり方を再考した」(主催者)といい、会場内にはビジネスガイドを常駐させ、必要に応じて、ブースでの通訳や商談、さらに展示会後の輸出業務をフォローする体制を整えた。加えて、会期2日目には、海外進出を目指す日本の出展者向けにトークショーを開催。プレイタイムパリ展にも連続出展し、海外での売り上げを順調に伸ばしている「アーチ&ライン」「タゴ」の2ブランドをゲストに迎え、海外出展のメリットやデメリット、輸出業務における注意点などについて語った。

【注目ブランドをピックアップ】

 

■特殊インソールで妊婦さんの足元をサポート

 シューズブランド「ユイ(yui)」(運営:フレッピー/東京墨田区、重松真吾代表)が披露したのは、体重が急激に増え足への負担がかかりやすい妊娠中の女性のために開発したフラットシューズ。身体のバランスを保つ上で重要な足の外側アーチと中足骨を同時に支えることで、両足や脚、骨盤、上半身の重心を適正な状態に保つという。足のアーチを支える特殊なインソールは4年をかけて開発し、現在特許を申請中だ。現在は、マタニティーサロンや整骨院などで取り扱いがあるが、妊娠中だけでなく、産後のママ、または立ち仕事や歩くことが多い働く女性たちの普段履きシューズとしても販路を広げる。日本製素材を使ったメイドインジャパン製品で、小売り価格1万2,800円(+税)。ギフト需要にも対応する。

ユイ

■ひねりの効いたディテールに注目 ポルトガル発の新ブランド

 キッズモード誌「MilK JAPON」が選ぶエディターズチョイス部門を受賞したのは、ポルトガルから初参加したキッズ向けブランド「ロケット・ピア(Rocket Pear)」。2015年のブランド立ち上げ当初は帽子やスタイなどのアクセサリーを中心としていたが、ホームウエアやパジャマなどを企画したことをきっかけに、現在は子ども服が主力となった。ベーシックなカラーリングや直線的なシルエットにディテールでひねりを効かせるのが同ブランドの特徴。今季は独創的なプリント柄も初めて取り入れた。今回、日本での展示会参加は初めてだが、もともと日本や韓国、香港に顧客を持つことから、アジアでの販路拡大に期待を寄せる。中心小売り価格は30~55ユーロ。

ロケット・ピア

■オーストラリア出身女性2人が手がけるバリ発エシカルウエア

ニッキー・チャーマーズ(左)は香港で4年間生活した経験もあるなど、2人ともアジアでの生活が長いという

 豪出身のサラ・ウィルキンソン(上写真右)とニッキー・チャーマーズがインドネシア・バリを拠点に2018年にスタートした子ども向けアクティブウエア「コスモクルー(Cosmo Crew)」。“エコ・コンシャス”であることをコンセプトにした新ブランド。明るいカラーリングや遊び心あるプリント柄を施した水着やラッシュガードは、ペットボトルやフィッシュネットなどの海洋ゴミを利用したリサイクル素材「Vita ライクラ」や、100%オーガニックコットンなどを使用している。長年に渡りファッション業界に携わるなかで、エシカルに関する取り組みや教育に対する関心が高まっていたという。ラッシュガードやビキニで50米ドル。

コスモ・クルー

■ギフトをテーマに展示 老舗ブランドならではの豊富な色柄

ディスプレイも“ギフト”がテーマ。来場者の目を引いていた

 老舗衣料品メーカーのファッション須賀が手がけるベビーブランド「ハッカベビー(hakka baby)」は、前回2月展に続き2回目の参加。今回は、ギフトをテーマに出展した。ロンパース(税抜き3,900円)とスタイ(1,900円)のセット商品は、アーカイブや新作を含めた豊富な色柄が強み。同じ色柄のブランケットやタオルも揃え訴求を強めた。

ハッカベビー

■海外で活躍する日本ブランドが凱旋参加

 日本人デザイナーユニットによるキッズ向けブランド「タゴ(tago)」。国内では、ハルニレテラス内のアーティストショップなどで取り扱いがあるが、米・欧州などの海外を中心に販路を広げている。2019春夏コレクションは、手描きのアートワークをシルクやシルクコットンなどに大胆に配したサマードレスなどを揃えた。日本での展示会参加は、初期のプレイタイム東京に出展して以来となった。

タゴ

■おとぎ話をイメージ 親子で楽しめるネイルファッション

 今年10月から販売を開始する「おとぎネイル(Otogi Nail)」は、子どもや妊娠中の女性でも安心して使えるよう貝殻などの天然成分を配合した水溶性ネイル。爪にダメージを与える有機溶剤や鼻にツンと来る臭いがないのも特徴で、消毒用アルコールやお湯でふやかすことで簡単に落とすこともできる。「シンデレラ」や「人魚姫」といったおとぎ話をテーマにしたパッケージに詰めて2色セット(3,200円+税)で販売する。全4種類・8色。トップコートは全2種類・2色で、1本1,600円(+税)。印刷事業やプロ向けネイル用品の開発を手がけるサンソウゴウ(大阪市淀川区、黒木健社長)が開発した。

おとぎネイル

■親子コーデもできる新「クラシックライン」発表

 2015年にスタートした子ども靴「ニーニョ(NINOS)」は、有害物質の使用を制限した皮革「TORNAT(R)」を採用。子供の足の成長を正しい方向へと促す“足育”にも力を入れており、専門家にバランスの取れたオリジナルインソールを依頼している。同展では、2018秋冬からスタートする「クラシックライン」を披露した。バレエシューズ製作のノウハウをヒントにしたフィット感の高いラインで、価格も従来アイテムより4割ほど低く設定(16~21cm:1万3,800円+税、21.5~25cm:1万4,800円+税)、より幅広い客層に訴求。またサイズ展開も広いため、親子でお揃いのアイテムを楽しむこともできる。主力の「ファーストシューズ」も含め、有力店での取り扱いが増えている。

ニーニョ

■スペイン発 シックなキッズファッション

 

クリエイティブ・ディレクターのエステファニア・グランディオ

 スペイン発のキッズウエア「ザ・ニュー・ソサエティー(the new society)」は2019春夏デビューの新ブランド。服づくりにおいて重視するのは、“タイムレスな美しさ”。オーガニックコットンなど自然素材を中心に使ったナチュラル&シックなムードに、スポーツやフェミニンの要素を加えることで、「着る人の様々な気分に応える」のだという
 クリエイティブ・ディレクターのエステファニア・グランディオは年に2回のペースで日本を訪ねる親日家。成熟した日本のキッズファッション市場は、自身のブランドにもマッチすると感じていたという。今回、キッズモード誌「MilK JAPON」が選ぶファッション部門を受賞。バイヤーからの反応にも手応えを感じた。小売りの価格帯は、45~50ユーロ。

ザ・ニュー・ソサエティー

■「グッチ」にも登場した昭和レトロなチャーミーちゃん

新作のブロンドヘア版を披露したチャーミーちゃん。すべて手づくり

いわい社の人形「ハイハイベイビー」「よちよちまぁちゃん」(写真左)も出展

チャーミーちゃんのほか、キリンやパンダなどの動物シリーズもある

 ポップな色使いと愛くるしい表情で来場者の目を引いていたのは、ソフトビニール製人形「なかよしキャドルチャーミーちゃん(愛称:チャーミーちゃん)」。1930(昭和5)年創業の児玉産業TOYが、昭和40年代から製造・販売するロングセラーだが、現在はヨーロッパやアジアなど海外での人気が高い。大人世代がおしゃれアイテムとして購入するケースも多く、グッチの2018秋冬キッズコレクションでは、仏のアーティスト、ナタリー・レテ氏が描いたチャーミーちゃんのイラストが採用されている。LINEスタンプを発売するなど、日本国内の需要拡大にも力を入れている。
 同展示会では、ブロンドヘアの新作チャーミーちゃんや、同社が販売する動物シリーズ、さらに、チャーミーちゃんと同時期に発売されたいわい社の人形「ハイハイベイビー」「よちよちまぁちゃん」「Eddieパンダ」も披露した。

 

児玉産業TOY

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