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2013.01.10

Amazonロッカーを利用して分かったこと

 外国に暮らしていると日本では便利で普通だったことが、不便でそしてしばし困るサービスなどがある。そのひとつが宅急便。日本では佐川急便からクロネコヤマトなど時間指定も出来れば、電話一本で再配達もしてもらえる。
米国に暮らしているとそうは行かない。大概の荷物はUPSで配達されることが多く、住まいにレセプションがある暮らしでなければ配達される時に在宅していなければ荷物を受け取れない場合が多い。
 私の住んでいるビルディングはまさにその状況で、オンライン注文した荷物を受け取る時はお荷物追跡番号で検索をし、いつ配達されるかを確認してその日は誰かが在宅しているしかない訳だ。

 

 去年11月、バタバタ忙しくしている間に発売された一冊の本がある。それは米ヴォーグ誌のクリエイティブ・ディレクター、グレイス・コディングトン (Grace Coddington)のメモワール本だ。
 グレイスと言えば若い頃はモデルとし活躍。60年代にグレイスがモデルとなったヴィダルサスーン (Vidal Sassoon)のファイブ・ポイント・カットは今見てもシャープでかっこよさが感じられる。
 20代半ば交通事故に遭い、回復後ブリティッシュヴォーグ誌でジュニア・エディターとして活躍したグレイス。その後ニューヨークへ移り、カルバン・クラインの元で働いた後、1988年にアナ・ウィンターが米ヴォーグ誌の編集長に就任したと共に雑誌に参加したのだ。
 これはグレイスの世界のあまりにも一部だが、そんな彼女のドラマチックな半生が綴られたメモワールを購入するのに今回あえてアマゾンを利用してみた。

 米国のアマゾン社では公共の場にロッカーを設置してそこへ荷物を発送するサービス”AmazonLocker(アマゾン・ロッカー)”を提供している。調べてみると1年ちょっと前からテストで少しずつ行われていたようですが、ある日オフィス用品を買いに近所のステープルズ(Staples)へ行ってみたところアマゾン・ロッカーがいつの間にか設置されていたのです。
そこでさっそくグレイス・コディングトン著の「Grace: A Memoir」をamazon.comで注文し、利便性をテストしてみたという訳です。

 

 注文過程は通常と変わらず、ただ発送先をニューヨークの中で設置されているアマゾン・ロッカーのリストから選択するだけ。各ロッカーには名前が付けられています。注文完了後は商品が発送されると荷物が届けられているロッカーを開ける為の暗証番号がメールで送付されます。

 

 今回は発送方法に一番安いスタンダードシッピングを選択、受取りまでには1週間から2週間と予測されていました。
注文を完了してから8日後に指定したアマゾン・ロッカーに書籍が届いたというメールが届きました。今回私の試してみたかったのは“早さ”というよりも、どのくらい“便利に感じられるか”という部分がポイントでしたので8日間で届いたのは妥当な感じがしました。

 受け取りはいたって簡単。事前にメールで送られてきた6桁の暗証番号をタッチパネル画面に入力するのみ。入力後は画面にその書籍が届けられているロッカーの番号が表示され、またロッカーが自動的に開きます。届けられる状態は通常と同じく箱に梱包され届いてました。

 日本では住んでいるビルディングに”宅配ボックス”や”コンビニで受け取る”などの便利な選択肢があるのでこのサービスは日本には適していないかと思いますが、米国に住む私の様にオンラインショッピングを利用したいのに商品の受け取りを考えるとなんだか面倒になってしまうという人には、その都度利用出来る私書箱的なこのアマゾン・ロッカーのサービスは便利!今度も是非利用していきたいサービスだなと感じました。

 

 正直なところ、このところは地下鉄でもAmazonの”Kindle(キンドル)”やBarnes&Nobelの”Nook(ヌーク)”で本を読んでいる人が多く、ペーパーバックやハードカバーの本を手にして読んでいる人を見かけることが以前よりも少なくなりました。
私も普段からデジタルの状態で読む方が目が慣れているのでKindle版を買おうか迷いましたが、なんとなくこの416ページに渡って綴られたグレイスのメモワールに至っては、本を手にして1ページ、1ページめくって読みたいと思ったのです。

 

 この本、グレース・コディントンのメモワール本というだけありこちらのファッション業界の間でも買われている方が多く、ツイッターやインスタグラムなどでホリデーバケーション中に読んでいるなんて言っていた人をよく見かけました。
もしファッション業界の方で今、英語を勉強されているという方が居ましたら是非このGrace: A Memoirはお勧めです。英語の勉強にもなりますし、きっとこの本を通じてなにかインスパイアされることがあるでしょう。


 

RINA  

R I N A

90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。

 

以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。

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