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2016.03.23
ビーコンシステムを導入 新店舗「バーニーズNY・ダウンタウン」のデジタル化
2月のニューヨークファッションウィーク中に晴れてオープンした「BARNEYS NEW YORK – DOWNTOWN(バーニーズニューヨーク・ダウンタウン)」。これまではダウンタウンの店舗というと、ソーホーのCO-OPを思い出しましたが、そちらは閉店しました。ニューヨークを訪れて今行きやすい店舗となると、本店であるマディソンアヴェニュー店(660 Madison Avenue)、アッパーウエスト店(2151 Broadway)、ブルックリン店(194 Atlantic Avenue)、そしてこのほど開業したダウンタウン店(101 7th Avenue)の4店舗になります。ダウンタウン店があるのはマンハッタンのエリアでいうと、チェルシー地区になります。チェルシー地区はバーニーズニューヨークにとっては、1923年に創設したころストアがあった思い出深い場所です。出店することが発表された時から話題を集めていました。
アプリと連携 モバイルを最大限に活用
バーニーズニューヨークの新店舗となると誰もがチェックしておきたいと思うのは当然だと思いますが、私にとってはそうした理由の他に、チェックしておきたいポイントがもうひとつありました。それは「iBeacon(アイビーコン)」システムが搭載されているストアであるとリリースで伝えられていたからです。実はビーコンのサービスを搭載したというリテールはこれまでにも「ロード&テイラー」や「ターゲット」などがありました。しかし大概そのニュースを聞きつけて幾度となく確認しにいくと、何が悪いのかあまり上手く作動した試しがなく、私の中ではブリック&モルタルで活かせるテクノロジーの中ではビーコンは、あまり評価が高いものではありませんでした。しかし、今回バーニーズニューヨークでテストをしてみたらスムーズに作動していました。
店舗に訪れるとiPhoneの画面に「ウェルカム」のメッセージが表示。メッセージをスワイプすると、ダウンロード済みのバーニーズニューヨークのアプリが起動します。
1階フロアはバッグ類やレザー小物、帽子、サングラスなどのアクセサリー類や、ファインジュエリーなど。店内に入って正面にはダウンタウン店の特徴でもある真っ白な螺旋階段があり、思わずインスタグラムに投稿したくなります。
螺旋階段を登り2階へ行くとウィメンズフロア。3階はメンズフロアとなります。
全体的にゆったりと、美術館の様な美しさを持ちながらも、所々にシーティングエリアがある感じは、お洒落な友人の自宅を訪れたかのような、リラックスした気分にさせてくれます。
ウィメンズ、メンズ共に広々とした靴売り場は、ラグジュアリースニーカーからフォーマルシューズまで目移りするセレクトぶりです。ダウンタウン店では特に、ダウンタウンらしいラグジュアリーブランドのセレクトの他に、バーニーズニューヨークだけのエクスクルーシブ商品「xo Exclusively Ours」の商品、この店舗でなければ買うことのできないブランドの展開を積極的に行っています。
隅々まで店内を見ながら物欲を掻き立てられていると、再びビーコンを活用したプッシュに気づきます。今度は、現在行われているプロモーションの告知が通知されました。
パーソナルなストア体験を提供
最近では、Webrooming(ウェブルーミング)なんて言って、買い物に出かける前に事前にネットで色々と調べておくのも日常的になっていますから、行きつけのお店のプロモーションなどはメルマガやSNSなどで知っていることが多いでしょう。しかし、うっかり忘れる事も多いでしょうから、そう考えるとビーコン通知でお知らせするのは客側にとっては大いにメリットがあると感じました。
オムニチャンネルビジネスというと、まず「クリック&コレクト(Buy online Pick-up in Store=オンラインで購入し、店舗で受け取る)」をまず取り組むリテールがよくあります。バーニーズニューヨークでは現時点では未だ行われていませんが、将来的には行うと見ています。ビーコンシステムの導入は、リテーラーの間では気になる取り組みのひとつであることは間違いないと思います。しかし、まだ様子見をしているリテールが大半であることは確かで、これからどの様な結果を生み出すのか今後も注目が続くでしょう。
BARNEYS NEW YORK – Downtown
101 7th Avenue
New York, NY 10011
http://www.barneys.com/
Hours:
Mon-Sat: 10am – 7pm
Sun: 11am – 7pm
others:
Personal Shopping Service, FREDS Downtown (restaurant), Blind Barber (men’s glooming)
R I N A 90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。
以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。
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