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2022.06.30

ARTIDA OUDが魅せたジュエリーのバーチャル着用がもたらす新しい顧客体験の可能性

 D2C ジュエリーブランド「ARTIDA OUD(アルティーダ ウード)」が、国内ジュエリーブランドで初めて、AR(拡張現実)によるバーチャル試着ソリューション「Tangiblee」のサービス「Virtual Try On」を導入しました。「Virtual Try On」はアプリをダウンロードする手間がなく、PCやスマホの画面上で自由にシュミレーションすることが可能です。

 

 ARを始めとして、最近はメタバースなど新しい技術が登場していますが、ECでの購買体験も進化を遂げようとしています。今回はARTIDA OUDのブランド責任者の方に、「Virtual Try On」の導入背景や今後の展望について詳細を伺いました。

1.今回「Tangiblee」を導入した背景についてお聞かせください。

 ARTIDA OUDはオンライン販売を軸としていますが、オフライン(店舗)で行っているような試着体験を、よりシームレスかつインタラクティブに、オンライン上(EC)で実現したいという思いがありました。また、ARTIDA OUDで人気のリングの重ねづけをオンライン上で再現し、顧客の体験価値を向上していきたかったことが導入の背景にあります。

Tangibleeの指示に従って、手の形を合わせることで、バーチャル上の試着が可能になる

2.「Tangiblee」の仕組み・特徴を含め、導入したことによって、ARTIDA OUDのお客様にとって、ECサイトでの購買体験がどのように変わると思われますか?

 ジュエリーという特性上、お客様ご自身の指や耳で実際に試してみないと購入に至らない、といったオンライン販売における課題解決に繋がると思います。さらに、リングに関しては、手肌の色のトーンコントロールが可能なので、よりリアリティをもって着用したイメージができます。また、先ほど述べたARTIDA OUDが提案する重ねづけに関しても、お客様ご自身が選択した商品を使って、オンライン上でシュミレーションできる、という購買体験の変化が期待できます。

モデルによるバーチャル試着で、リングの重ね付けをシュミレーションできる

3.最近はファッション業界でもメタバースの可能性に期待を持っていると思いますが、今後こういったAR・VRの技術がECや小売での役割にどのような影響を与えると思われますか?

 これまでのECは、販売している商品や見せ方含め、ブランドからの一方向の情報伝達のみでした。しかし、新しい技術により、今回の「Tangiblee」のように、ARを使ってお客様自身の手や耳に仮想試着してみる体験や、自分の体形に合わせたカスタマイズ商品を作って注文するといった、インタラクティブなECに変化していくことができると考えています。VRを使って、仮想空間上の店舗で接客をして、ECで注文していただくというようなこともありうるのではないでしょうか。

4.最後に今後の事業展開について、お聞かせください。

 渋谷の松濤にある体験型店舗「THE ANOTHER MUSEUM」とECを連動させたOMO(Online Merge with Offline)の強化を図りながら、その上で、ECに関しては、今回の取り組みのように、フラッグシップショップとしてオン/オフの垣根をなくしていきたいです。よりシームレスでインタラクティブな顧客体験を醸成する取り組みにチャレンジしていきたいと思っています。

ピアス、ブレスレット、ネックレスなどの着せ替えも可能

バーチャル技術とリアル空間の融合から生まれる新しい顧客体験

 取材を終えて、今回ARTIDA OUDの取り組みは、これまでOMOが目指してきた顧客体験を、最先端のテクノロジーを活用することによって、さらに進化させました。これは、バーチャルとリアル空間を横断した購買体験の次の段階を示唆したのではないでしょうか。これまでの店舗やECで、ありそうでなかった購買体験に顧客が参加したことにより、ブランドと顧客が「共創する」時代へと突入したのかもしれません。

 

公式ECサイト:https://www.artidaoud.com/

公式Instagram:https://www.instagram.com/artidaoud/

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