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2022.05.26

独自取材:NFTの普及活動に挑む、日本初の NFTコミュニティラウンジ「五五」

NFTコミュニティラウンジ「五五」店舗の様子

 「NFT(非代替性トークン)」という言葉が日本に広がった2021年は、NFT元年とも呼ばれ、デジタルアートが驚くような高値で売買され話題になりました。最近では、Nyan chat、DJのSteve Aoki、Zombie Zoo Keeperなどの著名人がNFTアート界を盛り上げています。マスメディアでもNFTを頻繫に取り上げるようになり、多くの企業がさまざまなサービスやコンテンツにNFTを活用し始め、これからの展開に期待が高まっています。

 

 2022年4月下旬、日本で初となるNFTコミュニティラウンジ「五五」が東京・中目黒でオープンしました。「五五」では、NFTを保有しているユーザーに対して、ラウンジ利用料金の割引のほか、NFT保有者同士の交流イベントやコミュニティ構築など、デジタルとリアルを繋ぐ場を提供しています。NFTを保有していない利用者もまた、一般価格で利用可能です。この新進気鋭のNFTコミュニティラウンジは、2019年から才能ある国内外の若手アーティストの紹介や育成に注力してきた現代アートギャラリー「COCO Gallery」を手掛けた川原 将氏(以下:川原氏)と村上 深太郎氏が立ち上げました。川原氏への取材を通して「五五」の魅力と今後の展望に迫ります。

現実世界と仮想世界の架け橋となるコミュニティ

―まず、日本のNFTアートを取り巻く現状についてはどのように考えていますか?

川原氏:肌感覚としては、自分が生活しているコミュニティの中で「僕もやっているよ」という方とお会いすることはまだ少ないです。一方で、いわゆるNFT、メタバースの仮想世界を通してお会いする方は熱量がすごいし、現場もかなり盛り上がっています。ただ、一般的には、そもそもNFTアートに触れる機会がまだ少ないので、距離を感じているのではないかと思います。そんな方々に「中目黒にあるんだったら行ってみようかな」ときっかけになり、NFTに触れて頂く中で「ちょっと面白そうだから買ってみよう」という方が増えたらいいなと思っています。

-川原さんご自身がNFTに魅力を感じたのは、何がきっかけでしたか?

川原氏:NFTを知った当初は、ぼんやりと「こういうものが出てきているんだ」というところから、一度自分で触れてみないと分からないと思い、まずは購入してみました。そこから徐々に理解を深め、虜になっていきました。1番魅力を感じた出来事といえば、当社が手がけている「BucketBear(NFTアート)」を購入してくださった方とお会いしたときでしょうか。NFTアート事業をしていてもNFTアートを好きな方と直接対面でお話する機会はすごく少ないです。そのような中で初めて現実世界でお会いした方々と、良い意味で緊張感がなく、すぐに打ち解けることができ、とても楽しく有意義な時間を過ごすことができました。“ファニー(Funny)”という意味での「楽しさ」と“インタレスティング(Interesting)”という意味での「面白さ」が両方詰まっているような感じで、すごく可能性を感じました。

NFTコミュニティラウンジ「五五」店舗の様子

-従来はギャラリー事業を手掛けているとお聞きしています。そこからNFTアートを、さらにはデジタル空間をリアルな体験に紐づけようとしたきっかけは何だったのでしょうか?

 川原氏:NFTが好きな方々が集まりやすい場ができたとしたら、もっとNFTが身近な存在となり、交流が広がっていくのではないかなと考えました。僕自身も、NFTアートが無ければ交わることがなかったような方と多くの出会いがありました。いわゆる仮想世界と現実世界という二つに分けてしまうのではなく、その架け橋のようなものができたら、と考えたのです。理想としては、この「五五」を二つの世界の待ち合わせ場所に使っていただけたら嬉しいです。

「五五」ラウンジ内で展示しているNFTアートを再現した作品

-2021年末に事業化を検討してからラウンジのオープンまでのスピードがすごく早いですよね。立ち上げから完成までに重視したポイントなどがあればお聞かせください。

 川原氏:NFTアートプロジェクト「バケットベア(BucketBear)」が2022年2月末にローンチされ、2か月後の4月末にラウンジを開設しています。オープンまでのスピード感は最重要視しました。前述したようにNFTへの信頼を感じていたことと、おそらく早ければ早いほど喜んでいただけるだろうと思ったことが一番の理由ですね。サービスを立ち上げる中で、やはり場所は妥協しなくて良かったと思っています。都内でNFTを保有する方のアクセスを優先に考えて決めたので、この場所でオープンして良かったと感じます。

―現在のNFTアート以外に、NFT関連の他の事業も展開しているのでしょうか。

川原氏:現在は、ユーティリティ(購入者特典)の展開に力を入れています。NFTコミュニティラウンジ 「五五」に加え、恵比寿シーシャバー「489」、表参道トータルクリニック「AFRODE CLINIC」、そして高円寺にある駄菓子屋「瀧ちゃん」にて対象NFTをご提示頂くことで店舗ごとのユーティリティをご利用頂けます。「AFRODE CLINIC」へご来院頂いた際には、指定のNFTアートをご提示頂くことで、全施術を10%割引き致します。クリニックには常時30点ほどのアート作品を展示しており、定期的に入れ替わる作品にはNFTアートも含まれています。駄菓子屋「瀧ちゃん」では、NFTを提示して頂くと、小さいバケツに“お菓子詰め放題無料”という体験をご用意しています。こういった日常で利用する場所や、懐かしい体験の中に、現代アートやデジタルテクノロジーを融合させることで、日常生活の中にワクワク感を醸成し、NFTに気軽に触れられる機会を増やしていきたいと思っています。

“五五”が認定しているNFTアート「バゲットベア(BucketBear)」、

店舗で展示することで割引が適用

―では最後に、今後の展望をお聞かせください。

川原氏:NFTをもっと身近に感じていただくことが我々の使命でありミッションだと考えています。皆さまに違和感なく「ちょっと行ってみたい」「遊んでみたい」と気軽な感覚で体験頂くことが何よりで、そこからNFTに触れ、身近に感じて頂けるよう、今後も多角的に運営していきたいと思います。

 

NFTコミュニティラウンジ「五五」の公式Instagram:

https://instagram.com/55_gogo_nakameguro/ 

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