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2016.10.26

VRやGoogle Homeのすごさを気軽に味わえる グーグルの体験型ショップ「メイド・バイ・グーグル」に潜入

 Googleの新型スマートフォン「Pixcel」、コネクテッドホーム商品「Google Home」、また「VR」などが体験できるポップアップショップが10月20日、ニューヨークで一般にも公開となりました。

NYソーホー地区のど真ん中にオープンした「メイド・バイ・グーグル」

 ソーホーのど真ん中にオープンした「メイド・バイ・グーグル (Made by Google)」のポップアップショップ。ついこの間通った時には窓ガラスが赤や緑、青といった紙で覆われていて、一体なにがオープンするのだろうと気になっていました。地下鉄を降りて通りに入ると見えてきたGoogleのロゴが付いた旗。朝一で駆けつけたので若干並ぶくらいで中に入ることができました。

ナチュラルで開放的な店内に並べられたグーグルの最新サービスの数々

 ナチュラルなウッドを基調とした店内にはいると、光に当てられたGoogleのロゴに再び迎えられた。それだけでなんだかテンションがあがります。店内は商品ごとにスペースが分けられ、スタッフも十分に用意され、準備も良い印象。

リテールビジネスで広がるVR体験

 リテールビジネスを行う上で、これまで以上にストア エクスペリエンス(Store Experience : 店舗での体験)に真剣に取り組まれなければならない今、最近のニューヨークではポップアップショップで「VR(バーチャルリアリティ)」を取り入れた体験型サービスをちらほら見るようになってきています。

 

 このポップアップショップでも、やはりみなさんの関心が高そうだったのはVRのよう。私も体験するのに店内で少し並びました。

 

 ブランドが開催するポップアップショップやニューヨークコレクションの会場、またサムソンの体験型フラッグシップストア「Samsung 837 NYC」など、これまで様々な場所でVRを体験してきましたが、この日体験したVRのソフトウェアが面白かったのか、 日頃スマホでごく簡単なゲームしかやらない私が、プレステーションやXBOXなどもっとダイナミックな形でVRを付けてゲームをやりたい、なんていう気になるくらい興味が湧いたのです。

話しかけるだけ 生活をアシストしてくれる「Google Home」は一家に1台の時代へ?

 私がこの日最も体験してみたかったのは「Google Home」という音声アシスタントスピーカー。一体何かと言うと、Googleの音声での検索やGoogle Nowの技術を強化したような音声のアシスタントサービス「Google Assistant」を搭載しています。 話しかけると分かる範囲で答えてくれ、人としての形では見えないけれど、まるでパーソナルアシスタントが側にいるような感覚のものです。

 

 例えばネスト(Nest)社のサーモスタットと「Google Home」を接続したとしましょう。ポップアップショップの体験では、「Google Home」に向かって「Ok Google, Change the temperature to 64F(オッケー グーグル、温度設定を18度にして)」と話しかければ、“かしこまりました、18度ですね”、という具合に答え、それと同時に部屋に設置してあるNest社のサーモスタットの温度が自動的に変更されるのです。家庭にある家電とコネクト(連携)することで音声だけで操作できるので、年配の方で多少の動作でも体に負担がかかる人などにはとても便利なのではと感じました。小さな子供がいて家の中でも手がかかる時など主婦にとっても強い味方となってくれそうです。

 私もなにか試してみようと 「Ok Google, play Beyonce(オッケーグーグル、ビヨンセを流して)」と話しかけてみました。すると、“ビヨンセですね!”と答え、彼女の曲をかけてくれました。言ったことが伝わる――それはまるで習っていた外国語を初めて実戦で使ってみて通じた時のような嬉しさに似た感情でした。

 

 私が体験している時に、フィンランドからの子供連れの観光客家族がとなりで結構難しい質問を投げかけていたのですが、質問の意味がわからない時は、「分からないので勉強します」的な応対。しかし子供達も負けていませんでした。

 

 どうやらフィンランドのマイナーな曲なのか、アーチストの名前なのかを聞いてみたところ、「Google Home」はなんとその曲を探し当てたのです。子供達はすげーー!と大興奮。しかしその一方で、一緒に居たお父さんは、「素晴らしい機能だけど、そこまでできるこの商品って、個人情報とか大丈夫なのか?」と眉をひそめていました。

 

 確かにそう言われると心配にはなってくるし、必要なものなのか?とも思ったりもします。しかし、スマートフォンが発売された頃も自分には使いこなせない、そこまで必要じゃないかも、とガラケーに止まり買い換えなかった人が沢山いました。それでもやはり便利さが分かってくると、買い換えるどころか、生活にはなくてならない存在になったわけです。

 

 すでにAmazonからも音声アシスタントデバイスの「Amazon Echo」が発売されています。これから他のメーカーもAI(人工知能)に力を入れてくるでしょうし、今後はオンラインでもAIを使ったサービスが増えてくるでしょう。

 

 日頃の生活の中で、iPhoneさえあれば大抵のことはこなせますし、これで十分、とも思います。しかしこの日Google Homeを体験して感じたのは――毎日出かける準備をする際、このGoogle Homeがあれば、天気のことだったり、目的地への行き方であったり、これまで立ち止まってスマホに向かって検索していたことが、音声で伝えて答えが返ってくるのであれば、やっぱりこれは便利だな、ということでした。

 

 米国では現在、予約を受け付け中で、発売は11月4日。みなさんは、「Google Home」が日本で発売されたら、買いますか?


 

RINA  

R I N A

90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。

 

以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。

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