PICK UP
2016.11.24
NYに来たらこのリテールを体験したい!
毎年この時期はホリデーに向けて、街中はキラキラと輝きだす時期ですが、ご存知の通り大統領選挙直後から激しいプロテストがマンハッタンの至るエリアで行われ、実際に間近で目にすると、より参加者の複雑な気持ちが伝わってきます。
今月のコラムでは2016年にオープンした、みなさんにも是非体験してもらいたいリテールや、様々な角度からアイディアが生まれるリテールまで幾つか紹介したいと思います。
五番街に舞い降りたヴィクトリアズシークレット エンジェル
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10月28日にミッドタウンにオープンした「ヴィクトリアズシークレット(Victoria’s Secret)」。
このビルには以前H&Mのフラッグシップストアがあり、その後にはForever21など、常に大型ブランドが入居してきました。
52丁目とフィフスアヴェニューの角にオープンしたストアは、ヘラルドスクエアに負けない迫力を放ち、ヴィクトリアズシークレットのコレクション、高校生や大学生に人気のPINK、そしてコスメやフレグランスなどブランドのフルコレクションがひとつ屋根の下に揃っています。
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また最上階にはランウェイショーでモデルたちが纏った衣装が展示される、ちょっとしたミュージアムがあるのがこのストアの最大の特徴です。
女性ならば誰もが憧れる、ランウェイショーの時にモデルたちが付けるエンジェルウィング。年内までは2015年のランウェイショーでモデルたちが纏った衣装が展示され、来年1月頃からは来月パリで開催される2016年ヴィクトリアズシークレット ファッションショーの衣装が展示されるということです。
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ミュージアムのフロアでは、イラストではありますが、誰もがヴィクトリアズシークレットエンジェルになれる、セルフィー写真が撮れるコーナーも。
ハッシュタグで#VS5thAveNYCで検索をするとお客さまのハッピーな笑顔が見れます。
また先ほどのセルフィーとは違い、店内で記念撮影している人も多く見かけます。この五番街の店舗はタイムズスクエアにでも居るような感覚にさせられるエネルギーと華やか感でいっぱいです。
Victoria’s Secret – Fifth Ave/Midtown
640 Fifth Avenue, NYC
テック好きでも、そうでなくても楽しめるサムソンの体験型ストア
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ミートパッキングにあるサムスン社のショールーム型ストアとして2016年春にオープンした「Samsung 837」。モバイルやタブレットなどだけでなく、最新の家庭用の電化製品や、またヴァーチャルリアリティー(VR)の世界を体験できるエリアも。2階にはカフェもあることからサムソンユーザーでなくとも十分に楽しめ、個人的にもよく利用させて頂いています。
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ユニークなのは単に自社商品を紹介するスペースではなく、フィルムの試写会やアーティストによるライブイベント、ファッションショー、有名シェフによる料理のイベント、ヨガやランニングなどウェルネスイベントなど、まさにリテールテイメント(リテール+エンターテイメント)としてニューヨークの中でも先を行っています。
Samsung 837
837 Washington Street
New York NY 10014
都市型のターゲット新ショップでオリジナルのお土産を
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食品からアパレル、日用雑貨やインテリア、文具など通常の店舗と同じく、ほとんどのカテゴリーを取り揃え1階と地下フロアを合わせ4,180平方メートルの広さをもつシティー型「ターゲット(TARGET)」ストアがいま注目されるロウワーマンハッタンのトライベッカに10月にオープンしました。
1階にはギリシャヨーグルトの「チョバーニ(Chobani)」カフェが出店され、ヨーグルドだけでなく、ベーグルやコーヒー、サラダなども楽しめます。
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チョバーニはニューヨーク発のギリシャヨーグルトブランド。創業は2007年と比較的最近にも関わらず、今ではどこのスーパーの棚でも見かけるのではないかという印象を受けるほどシェアがあるヨーグルトとして知られます。また2014年に初のカフェをマンハッタンのソーホーに出店。話題を集めました。
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また地下へ降りるエスカレーター前には、タッチパネルが2台用意され、トートバッグやTシャツ、スマートフォンのケースなどデザインを選びオリジナルの商品を5ドルほどで作れるサービスも。ニューヨークらしいお土産として最適です。
今までならば少し都心部から離れたエリアにあったターゲットも、規模を抑え、都市型ショップをワールドトレードセンターに近い場所にオープンし、ローカルの人はもちろんですが、観光客が訪れるスポットとしても楽しめる、この店舗だから体験でできるサービスを提供しています。
ターゲットではこうした都市型の店舗をブルックリンの新たな商業施設であるシティーポイントにも12月にオープンを予定しており、また2018年にはトライベッカ店の約半分の規模のストアをマンハッタンのイーストヴィレッジオープンする計画。トライベッカの シティーターゲット(CityTarget)より、イーストヴィレッジのタイプは、ターゲットエクスプレス(TargetExpress)と呼ばれ、街角で見かけるデリを少し大きくした雰囲気のストアになる予定です。さらに出店は続き、2019年にはヘルズキッチンにも同じくターゲットエクスプレス型の出店計画があるそうです。
ターゲットでは2015年頃から大型店とは違いこうした都市型の店舗を積極的に出店していく計画があり、ECからのオーダーのストアで受け取る、クリック&コレクト(Pick Up in Store)を充実させる目的で行っています。
思い立ったら買いに行ける、受け取りに行ける、返品できる。 こうした拠点的なストアが増えることは、買う側にとっては以外と規模なんて関係ないものなのです。
TARGET – Tribeca
255 Greenwich Street, NYC
アイディアはどこにでも転がっている
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今年夏にブルックリンのウィリアムズバーグにオープンしたオーガニックスーパーチェーンの「ホールフーズマーケット(Whole Foods Market)」。
店舗ごとにローカライズされた雰囲気と商品のセレクトもあり、それだけでも行く価値はあるのですが、こちらの店舗ではアパレルのリテールと同じように、クリック&コレクトのサービスを一部行っています。
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ボルダー フーズ(Baldor Foods)という生鮮品を提供する企業は、ホールフーズマーケットに設置されている端末を使い、新鮮な食品やシェフなどが利用する特別な食材までオンライン注文でき、それらの商品を店舗でピックアップできるというサービスを行っています。
まだまだ他では見たことのないスーパーでのこうした取り組みは今後、生き残って進化していくかは分かりませんが、全てにおいて進化、変化が多い今の時代、試してみるのが成功への近道なのではないのかなと感じたりします。
この他にもスーパーとは言え、人気があるお店ではポップの使いかた、デザインなど参考になるアイディアが転がっています。
例えば、棚だけでなく床にだってポップを使うあたり斬新です!
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棚を見てみれば、床のポップは「Good」「Better」「Best」と三段階に洗い具合が色分けして表示され、それらは棚に付いている値札と合わせています。
上から下の段まで洗剤が陳列されている訳ですから、商品を探す際はほぼ床にまで目がいく訳です。こうして床にもポップを使うというのは遠くからも、何があるのだろうと目に止まりますし、求める製品を探す上でも効果的です。
Whole Foods Market – Williamsburg
238 Bedford Ave, Brooklyn, NY
絶好のロケーションで頭の中も整理
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海外へリサーチに来ると、短時間に出来るだけ詰め込みたいと思ってしまうのは当たり前。ですが、一息ついてメモリーがいっぱいになってしまった頭の中を整理する時間も大切です。
そんな場所にぴったりなのが、 家具やインテリア、食器類などを展開する「ウエストエルム(West Elm)」。今年夏に100店舗目としてオープンしたこのダンボ店は、レンガ造りの歴史あるビルディング に入居し、家具類はもちろん、ローカルのアーティストが展開する商品やコラボアイテムなども取り揃えられ、お土産になるグッズや、ガッツで買って帰りたいと思う商品まで目移りします。
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店舗内には「ブルックリン ロースティング カンパニー(Brooklyn Roasting Company)」のカフェがあり、店内にも座るスペースはありますが、一歩外に出てみるとこの絶景に迎えられます。
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ストアの前にはベンチもあり、この絶景を眺めながらリサーチで見てまわって頭がいっぱいになった情報を整理するのも良いでしょう。
West Elm – Dumbo
2 Main street, Brooklyn NY
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R I N A 90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。
以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。
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