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2021.11.11
製品の「延長保証」で顧客体験の向上を図るZ世代起業家が提案する「proteger」
「proteger(プロテジャー)」とは株式会社Kivaが展開する、ECサイトで販売する商品に「延長保証」を付与することが可能なサービスです。株式会社Kivaは2020年に会社設立、その後2021年2月7日には、ALL STAR SAAS FUNDなどベンチャーキャピタルや個人投資家から4,100万円の資金調達に成功しています。
同社の共同創業者の一人、野尻 航太氏は大学在学中に起業の経験しており、2019年に事業売却、2020年12月、エンジニア経験を持つ磯崎 裕太氏と共に、現在の株式会社Kivaを設立しました。今回は現役Z世代起業家として、protegerの魅力、創業の経緯、そして今後の展望について野尻氏にお話を伺いました。
「proteger(プロテジャー)」の特徴や仕組みについてお聞かせください。
protegerはすべてのECサイトでご活用して頂ける延長保証サービスです。延長保証サービスというのは、ユーザーがECサイトで商品を購入した際に、保証料金を別途で支払うことで、商品の修理や交換を無償できることを指しています。今までこうした延長保証という概念、サービスは大手家電メーカーや企業だけが提供していたサービスなのですが、もっとあらゆる商品を安心してご利用頂きたいということで、protegerの提供をスタートさせました。
また、延長保証サービスというと、企業側がその仕組みを整えるまでに時間がかかる、難しいという印象があるなと感じており、そこを解決するような設計をprotegerでしています。例えば、Shopifyを利用しているECサイトであれば、ECサイトにAPIを組み込むだけ、最短2日で延長保証の全てのサービスを稼働させる事が出来ます。また、運用も可能な限りシンプルにしています。延長保証サービスに加入しているユーザーのデータはproteger専用の管理画面で管理することが可能となっています。
protegerの仕組み
まず、ユーザーがECサイトで、オプションの延長保証料金(例:延長保証3年/3,000円)をECカートに入れて、決済を行います。すると、ユーザーがオプションの延長保証を購入したあとに、弊社から保証番号を発行して、ユーザーが登録したメールアドレスにお知らせします。購入後万が一商品が故障した場合、ECにあるチャットボット、メール、電話などで、まず弊社にお問い合わせをして頂きます。
導入のイメージ
その後、例えば商品を交換する場合は、故障した商品を弊社まで送って頂き、商品の状態をこちらで確認し、保証対象に該当する場合、商品代金に相当するクーポンコードを発行します。最後にユーザーがそのクーポンコードで同じ商品の新品を購入して頂くことで交換が完了します。もし代替え品がない場合、直接的な返金や修理をして対応するケースもあります。
実際にどの程度のユーザーが延長保証サービスをご活用するのでしょうか。また、proteger導入後の改善事例などがあればお聞かせください。
まず、延長保証に加入するユーザー数は、平均で30%程度でしょうか。つまり3人に1人はオプションの延長保証サービスを製品と一緒に購入して頂いております。また導入事例では、スマートウォッチを取り扱う企業様にprotegerをご導入頂いたのですが、コンバージョン率が導入前と比較して117%向上する実績となりました。最近は、同じ商品や類似する商品がモールを含めてどこでも、購入できる環境となっています。そうなってくると、どうしても価格競争に陥りがちなのですが、延長保証サービスを自社のECサイトに導入することによって、ユーザーが自社ECサイトで購買する理由の1つになると思っています。
protegerの強みについて、もう少し深掘りさせてください。例えば、電化製品の場合自社でも延長保証サービスがあると思いますが、そこに関してはprotegerを利用するメリットはどういった部分があるのでしょうか?
電化製品と言っても、ごく一部の知名度のある大手メーカーに限られていると思っています。正に「延長保証」=「電化製品、ガジェット製品」の図式です。弊社の強みはそこから延長保証の対象カテゴリーを広げていることだと思っています。例えば、protegerはスーツケースやペット用のアイテムなどのECサイトにも導入されています。また、先程もお話しましたが、簡単にご導入が可能で運用もシンプルになっている点は強みだと思います。仮にEC事業者様が自社で延長保証サービスを立ち上げる場合、システムの構築、顧客データの管理、お問い合わせ対応などかなり複雑なプロセスが絡んでくるので、protegerを使って頂くと一括で解消できると思います。
protegerの強み
自社サイトの「付加価値」を高めるという役割がprotegerにはあると思いますが、そこを踏まえて、今後の事業展開についてお聞かせください。
現在、ご導入頂いている企業様は10,000円~30,000円の価格帯が多いため、今後は高価格帯の企業様にご利用頂き、延長保証サービスを加えることで、価値の向上にも貢献できればと思っています。高価な商品ほど、その商品の品質保証を期待していると思います。万が一故障してしまった場合「こんなに高いのに、簡単に壊れるものだ」とブランドのイメージダウンに直結してしまいます。でもそこに、延長保証サービスを加えることで、万が一壊れても、修理が出来て、長く安心して愛用できるという「安心感」が、高価な商材を取り扱う事業者様にとって、自社ECサイトしかない「付加価値」だと思います。今後こういった嗜好品、アパレル、雑貨などのカテゴリーを拡充し、延長保証サービスで付加価値を提供して行きたいと思います。
株式会社Kiva
代表取締役 野尻 航太氏
大学在学中に千葉の鍛冶刃物を飲食店に卸す営業代理店 合同会社Puentee代表を努める。ITで企業したいとう思いからウリドキ株式会社に入社し、フィギュア特化EC「4real」を立ち上げ、事業売却。次は世界で使われるサービスを作るために株式会社Kivaを創業し、「proteger」を立ち上げ今に至る。
趣味は読書と旅行。
protegerの公式サイト:https://hi.helloproteger.com/
shopify アプリ:https://apps.shopify.com/proteger?locale=ja