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2021.03.22

【2021秋冬東京 ハイライト2】フィジカルで魅せるファッションの力 デジタルが示す新たな可能性

(左から)ネグレクトアダルトペイシェンツ、アンダーカバー、ハイク

 2021年3月21日、2021秋冬シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」が閉幕した。

 

 コロナ禍による1年前のRFWT中止が記憶に新しいが、この激動の時代にファッションの世界も急激な変化を求められてきた。コレクションの発表手法は多様化しているが、各々のブランドが最適な見せ方を模索し、様々なショーの在り方を示している。そして多くのデザイナーたちがショーや発表を行うことに関して「見ている人が少しでも楽しんでもらえたら」と語り、「ファッションは自由で楽しいもの」ということを思い出させてくれた。

4日目(3月18日)「ハイク」がデジタルでコレクションを発表

ジョウタロウ サイトウ(JOTARO SAITO)

 ファッションとしてのキモノを追求し続けるキモノデザイナー、斉藤上太郎による「ジョウタロウ サイトウ」。今回はテーマを“リミットレスー限界なきキモノー(LIMITLESS)”と定め、リアルクローズとしての「キモノ・スタイル」をコロナ禍に沈む憂世に投げかけた。

 

 彩度の低い灰色がかったイルミネーションパターンに枝葉の柄を重ねた着物でショーはスタートした。同コレクションのキーテキスタイルでもあるイルミネーションパターンは、メンズの羽織り物の裏地にも多出。

 

 斉藤デザイナーが「柄や技法ではなく、いかにスタイルとして発信するか、いかに様式美という枠の中で新しさを表現するかに注力をしております」と語ったように、着物にミニボストンバッグやクラッチバッグを合わせたり、ヒール高のある草履を提案したり、それでいて決して軸はブラさない、ブランドならではの「キモノ・スタイル」を展開した。メンズのアイメイクやモデルの所作なども豪華絢爛な着物を引き立てていた。

 

 帯のバリエーションの豊富さにも注目したい。光の加減で表情が変わるテクスチャーは美術作品さながらの多層感を演出していた。「ニジミ」手法を用いた帯のほかには、「JOTARO SAITO」と刺繍を施したものや、アニメ調の車を配したものも揃えた。

 

 ショー終盤には「ドットと洋花染分け」と名付けられた和モダンな着物も登場。ドット柄の規則的な配置によりリズミカルな緩急が生まれていた。

ネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATiENTS)

 アイドルグループ「BiSH」などの音楽プロデューサーである渡辺淳之介が手掛けるアパレルブランド「ネグレクトアダルトペイシェンツ」はフィジカルのランウェイショーでコレクションを発表。野外でのレイヴをイメージしたというショーは、来場者にお揃いのバンダナを配り、みんなで一体となってパーティーを楽しんでいるという演出を行った。

 

 コレクションは、レイヴを楽しみに来た多様な人々を表現。共通点は音楽好きで個性的。ラメが入ったチェックパターンのセットアップで着飾る人、「ジャージ上下」やTシャツとデニムの普段着の人、寝袋をインスピレーションにしたドレスを纏った人など、各々の好きな服を着て自由に楽しむ様子を描いていた。

 

 渡辺デザイナーは、ショー終了後「去年ファッションウィークが中止になって、どうやったらハッピーなことができるか模索していた。ファッションショーをやることで多くの人に楽しいことをやっていると気づいてもらえたら」と語った。

ハイク(HYKE)

 “HERITAGE AND EVOLUTION”をコンセプトに服飾史や古着などから着想し、独自の感性を加えてコレクションを紡ぎ上げる「ハイク」。今シーズンは得意のミリタリーをベースに、身頃と袖をつなぐ直線的なラインのモチーフでシャープさを際立たせたり、チルデンニットやベストの温かみで有機的なムードを追加したり、多様なバリエーションを展開した。また、今シーズンのインスピレーションソースにあった「クライミング」のワードの通り、縦長シルエットのエレガントな装いにクライミングブーツを合わせることで、絶妙な強さと美しさのバランスを見せつけた。

 

 そして、シューズは竹ヶ原敏之介が手掛ける「ビューティフルシューズ(BEAUTIFUL SHOES)」、バッグは「チャコリ(CHACOLI)」、アイウェアは「ジュリアス タート オプティカル(JULIUS TART OPTICAL)」と、それぞれコラボレーションを行った。

5日目(319日) 「アンダーカバー」などフィジカルの目玉が揃う

ハレ(HARE)

 株式会社アダストリアが展開する「ハレ」は、動画配信でコレクションを発表した。シーズンテーマは“Resonate-共鳴-”。「考えさせられる日々を過ごしていく中で感じた思い、エネルギーを発信し、それは振動のように人から人へと伝わる、そして振動から生まれたズレ・ブレは新しい価値を生み出す」というコンセプトのもと、コレクションを制作した。

 左右非対称のジャケットやスカート、異なる素材を組み合わせたアウター、ムートンジャケットをインナーに着たかのようなニットなど、そのズレが生み出す新しい価値をアイテムやスタイリングで表現。ジェンダーフリーな着こなしも新たな価値の一つとして提案された。また、今回はメンズ・ウィメンズに加えて、2020年にデビューした、サンプルを再利用し新しい価値を提供する新ライン「アールイー(re)」の新作アイテムも使用した。

フォーサムワン(FORSOMEONE)

 先シーズンから“ヒューマン ネイチャー(HUMAN NATURE)“をテーマに掲げる「フォーサムワン」は渋谷ヒカリエのヒカリエホールでフィジカルショーを開催した。

 

 「2021春夏シーズンの延長線上として、より身体に負担の少ない素材を使用して、尚且つ自分の好きなスタイルで表現できればいい」という「フォーサムワン」のデザイナー、小川哲史の内的な変化もあり、以前のような対外的な「強さ」のあるルックは減少。ベーシックな素材使いでエフォートレスなコレクションに仕上がっていた。また今回は現代美術家、佃弘樹とのアートコラボレーションという形となった。同アーティストの作品を大きくあしらったステンカラーコートやストレッチ素材のアンダーウェアも今シーズンならでは。

 

 ショー中盤では、ほつれやリペア加工を施したボヘミアンなブーツカットデニムや、ゆったりと溜めて穿くレザーパンツなどを提案。リラックスムードの中にも随所に小川デザイナーのエッセンスが散りばめられていた。フォーマルなセットアップスーツにアウトドアなマウンテンパーカーを合わせたり、ニットの上からダウンを羽織ったりと、日常使いをイメージしたスタイリングも見られた。

 

 さらにフューチャリスティックなマスクで顔全体を覆ったルックも登場した。ガスマスクをベースに、自然物やプラモデルなどをコラージュ的に再構築したもので、構造物と自然との調和を表現した。

アツシナカシマ (ATSUSHI NAKASHIMA)

 デザイナー、中島篤による「アツシ ナカシマ」の2021秋冬コレクション“楚水”が表参道ヒルズ スペースオーで発表された。先シーズンに引き続きオリエンタルなムードは健在、モノクロームの水墨画をモチーフとした濃淡のあるプリントは衣服の上で色彩を手に入れたようだ。

 

 ぼんやりと照らし出されたランウェイには、日本画の掛け軸を思わせる黒の仕切りが等間隔で吊り下がる。不協和音が鳴り響く非言語的な空間に現れたファーストルックは、ライトグレイッシュトーンのハリのある生地に雪景色を描写したトレンチコートだ。その中には着物の襟を模した赤紫のインナーを、耳元には紙風船のようなフォルムのピアスを合わせた。

 

 青緑から橙色へのグラデーションのMA-1を羽織ったルックは、オーバーサイズだが決してルーズさを感じさせない様式美を放つ。スタイル全体を引き締めるハットやボリュームスリーブの開襟シャツもいっそう今シーズンのムードを引き立てていた。

 

 ショーの最後を彩ったのはボリューミーなドッキングのワンピース。着物とドレス、そしてレザーを切り返した大胆なデザインはまさに和洋折衷、文明開花のような高揚感に包まれショーは幕を閉じた。

チルドレン オブ ザ ディスコーダンス 

 (Children of the discordance )

 今シーズンの会場となったのは東京国立博物館の敷地内に位置する表慶館。ストリートファッションを牽引する「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス」が、100年以上の歴史を持つ西洋建築でコレクションを発表した。

 

 ペイズリー柄やエスニックな生地同士のパッチワークを得意とする同ブランドだが、今シーズンのテーマが夜明けを意味する“dawn”ということもあり、カラーパレットもベージュやグレーといった落ち着いたアースカラーが中心となった。ウエスタン調の刺繍を施したオールブラックのデニムセットアップや黄色がかったグリーンのトレンチコートのほか、ターコイズブルーのダウンジャケットなど提案の幅を広げた。バケットハットを使ったルックも多出。全身グレーのテクニカルなルックには「ナイキ(NIKE)」のスニーカーを合わせてよりカジュアルにまとめた。また、抽象画のようなパッチワークによる温かみのあるパンツ類も散見された。

 

 さらに今シーズンのコレクションでは、アフリカと日本のカルチャー及びクリエーティブ・マーケットの架け橋となり、経済発展に貢献することを目的とするプロジェクト「フェイスエージェー(FACE A-J)」提供のテキスタイルも使用された。現地の職人の手による素材を用いて、ノーカラージャケットのセットアップに仕立て上げた。全体としてハンドメイドによるフィジカリティーを感じるコレクションであった。

アンダーカバー(UNDERCOVER)

 「アンダーカバー」は、楽天のプロジェクト「バイアール(by R)」で19年ぶりに東京での単独ショーを開催し、ライブ配信も行なった。会場は天王洲アイルの寺田倉庫。前半はメンズウェア、後半はウィメンズウェアのコレクションで構成した。

 

 会場は闇に包まれ、天井から星々のような微かな光、フロアに照らされるパープルやバイオレットのライトにより辺りが窺える程度だ。このような幻想的なムードの中現れたのは、少年や少女たち。まるで夢遊病のように彷徨っている。着用しているのは色鮮やかなパジャマやノリディック柄や草木柄が編み込まれたカーディガンなどのナイトウェア。

 

 彼らがランウェイから去ると、少年たちの夢の中を描いたかのような光景が広がる。それは、先日公開され、大ヒット中の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」とのコラボレーションアイテムを使用したストーリーだ。登場キャラクターのようなルックや、映画のシーンを描いたピースをお披露目。モデルたちのバックには同作品の映像も映し出した。

 

 

 後半になるとウィメンズのエッジの効いたエレガンスに移行。冒頭は、メンズコレクションの世界を引き継ぐかのような絵柄ニットとラップパンツのルックが登場。その後、アウトドアやミリタリーアイテムを、レイヤードやドッキングによってリフォーメーションしたルックが続く。紡毛素材やニット素材にビニール素材を差し込んだ、ノスタルジック要素とフューチャー要素のハイブリットなルックも魅力的だ。

 

 ショー終盤には、リボンや薔薇の花弁、蝶などをモチーフにしたルックを披露。特に薔薇の花弁は立体的なもので装着したり、カモフラ状のプリントにしたり、様々な表現でゲストを楽しませた。最後は、ラッフルやプリントを多用したルックで締め括った。

6日目(3月20日) 「サルバム」が熱い思いを込めたショーを開催

サルバム(SULVAM)

 「サルバム」は4年ぶりに東京でショーを行なった。ショーの目的は若い世代にファッションの楽しさを伝えることで、この世の中を良くすること。その目的を裏付けるように、ショーの会場には学生たちや家族連れが多く来場。トップジャーナリストやバイヤーたちだけでなく子どもや家族連れがフロントロウに座ってショーを見守った。

 

 無数のライトがまるで円柱のように照らさせる中を、群衆がくぐるような演出でショーは進行した。コレクションピースは1月のパリメンズでデジタル配信されたものとほぼ同じもの。一部新しいピースを差し込みながらルックを組み直したという。

 

 コレクションの核となるのは同ブランドが得意とするテーラリングだ。目をひくのは白でデフォルメされた部位。白の大きなフラップポケット、白いラベル、ステッチ、ヘムのほか、白シャツを見せる切り込みやドット状の切り抜きなどが暗い照明の中で浮き上がる。またワークウェア、デニム、アウトドアアイテム、ニットも組み入れたほか、今回のショーのために加えたという赤のセットアップやつなぎも登場した。

 

 ショーの最後にはデザイナーの藤田哲平が、ステージの中央に立ち、今回のショーへの思いを語り、また終了後には、記者の他学生たちも会見に招き、若い世代に向けた思いを語った。

ナオキトミヅカ(naokitomizuka)

 今回で3シーズン目、東京コレクションには初参加となるウィメンズブランド「ナオキトミヅカ」はオンライン形式での発表となった。「拡散」や「増殖」といった意味の“プロリフェレイション(PROLIFERATION)”という単語を「進化」と解釈し、モチーフという切り口で斬新なクリエーションをしてみせた。

 

 デザイナーの富塚尚樹は2003年にコム・デ・ギャルソンに入社し、退社後の2018年にはウィメンズブランドの「リロト(liroto)」を立ち上げた経験を持つ。

 同コレクションでまず目を引いたのは、5角形を崩したようなモチーフを300個ほど繋ぎ合わせたピース。富塚デザイナーの卓越したパターンテクニックが可能とする、花びらのような柔らかなフォルムを描くモチーフはヘッドピースや襟にも施された。モチーフは全てファーストシーズンの生地の余りを用いて制作されたという。

 

 コレクションフィルムは白のバックスクリーンを基調としたクリーンなイメージに仕上げた。映像を作り込んで世界観を表現したいという富塚デザイナーの意向もあった。

 

 セールス面では、現在は自社ECサイトと全国約6店舗のセレクトショップに既製品の卸販売を行っており、エンドユーザーは20代から30代前半の女性がメインとなる。富塚デザイナーのミニマムなファッション観を出発点とし、今後は顧客のいらなくなった服を解体・リメイクして販売するといった構想の実現を目指すという。

グラウンズ(grounds)

「グラウンズ」2021秋冬コレクション

 「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」の坂部三樹郎が監修する“重力との関係を変える靴”がコンセプトのフットウェアブランド「グラウンズ」がRFWT期間中にブランド初となるプレゼンテーションを行った。プレゼンテーションはVRを使用したもので、自身が雪山で倒れてしまった主人公という設定でストーリーが繰り広げられる。VRのリアルな映像でストーリーに入り込んだ後、スモークがたかれた会場で、映像の中で履いていた新作のシューズを実際に見られるという不思議な感覚を覚える構成となっていた。

 

 シューズは特徴的なソールのデザインが強いインパクトを与えるが、これは歩き出しに適したシェイプとなっている。また、透明度の高いソールで身体そのものが浮いたような感覚にすること、柔らかい素材を使うことで新しい歩行体験をデザインすることをコンセプトとしている。

レインメーカー(RAINMAKER)

 渡部宏一、岸隆太朗が手掛ける「レインメーカー」。京都を拠点にしているブランドらしく、京都の文化財を収集・保管・展示することを主な目的に明治に開館した「京都国立博物館」を舞台に無観客のランウェイショーの様子をオンラインで公開した。

 ブランドらしい和の雰囲気を纏ったクラシカルなコレクション。和装を彷彿とさせるノーカラーやショールカラーのジャケットやコート、豊かな自然と溶け合いそうな優しいカラーパレット、そしてリラックスシルエットでも失わないエレガントな佇まい。ブランドの確固たる信念を表現しているコレクションであった。

 

 

「TOKYO FASHION AWARD 2020 WINNERS’ EVENT Vol.2」も開催

 

 東京を拠点とするファッションデザイナーが世界をフィールドに飛躍するためのサポートを目的としたアワード「TOKYO FASHION AWARD」が、RFWT会期中に「TOKYO FASHION AWARD 2020 WINNERS’ EVENT Vol.2」を開催。3月18日・19日・20日の3日間に亘り、第6回受賞デザイナーの中から4ブランドが、2021秋冬コレクションを発表した。

ミーンズワイル(meanswhile)

 藤崎 尚大が手掛ける「ミーンズワイル」はデジタルプレゼンテーションでコレクションを発表した。産業革命以後のアートやデザイン業界の大きな変動、そしてそこから生まれた1919年設立のバウハウス(ドイツの造形教育機関)を着想源にコレクションを製作。立体的なポケットや風を孕んだようなふわりと流れるシルエット。“Form Follows Function , Function Follows Form(形態は機能に従う、機能は形態に従う)”のテーマの通り、機能性を持たせながらも美しいシルエットを追求した。実際にデザイナーがバウハウス デッサウ校を訪れた際に見た、光に照らされたガラスのファサードや街の色彩をインスピレーションにしたというカラーパレットは、グレーやベージュなどの柔らかい色合いをベースにオレンジやブルーなどのアクセントカラーを効かせ、コレクション全体にリラックスした雰囲気をもたらしていた。

イン(IHNN)

 韓国・ソウル出身のイン・チソンが手掛ける「イン」は、海辺で撮影されたイメージ動画とルック写真でコレクションを発表。毎シーズン色や素材の妙でブランドの独自性を発揮する「イン」だが、今シーズンも秋冬ながらも爽やかなグリーンやヴィヴィッドなオレンジなどの色使い、柔らかく風に舞うジャケットやプリーツスカートなどでエレガントかつモダンなクリエイションを見せつけた。

シュープ(SHOOP)

 大木葉平とミリアン・サンス・フェルナンデスが手掛ける「シュープ」は、オンラインでランウェイの様子を配信。無機質なコンクリートの会場で繰り広げられるランウェイだが、対照的にコレクションはテラコッタやマスタード、カーキなどのカラーパレットで温かみを感じさせる。クラシックなテーラリングやミリタリーの要素を、多様なカルチャーとブレンドして再構築。レースシャツや光沢のある素材を用いたアイテムでブランドらしい色気を醸し出しつつ、グランジやアニマルパターン、キャップといったカジュアルなムードを効果的に使用することで多様性も表現していた。

リコール(Re:quaL≡)

 RFWT最終日、フィジカルショーのフィナーレを飾った「リコール」。フレンチスタイルを兼ね備えたプレッピー&ヒッピーをイメージした“リフレッピー”をテーマに、オートクチュールとカジュアルという一見正反対に思える要素を掛け合わせた。

 

 今シーズン、デザイナーの土居哲也はコロナ禍という閉塞感に包まれてしまった時代に希望を見つけることから始めたという。それは、外に出て自然と触れ合うことや歌うこと、外国に行くことなどこれまで当たり前だったこと。そんな希望を少年時代に訪れたアメリカで感動した記憶に重ねていく。ベーシックなアメカジアイテムを、古着のリメイクを含めて解体し、再構築。チェックのスカーフを幾重にも重ねたようなダッフルコートや、スタジアムジャンパーと組み合わさったフーディ、ジャケットとパンツが一体になったアウター、そして花を纏ったかのようなカラフルなドレスやダウンなど、自由な発想で独自の世界観を創り上げていた。

 

 また、デザイナーが「様々な人々が笑顔でキャンプファイヤーを楽しむような様子を表現したかった」というショーは、終始温かな雰囲気で見る人の気持ちを穏やかにした。

 

 

取材・文:アパレルウェブ編集部

 

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