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2021.03.23

【本音で語るツール活用術】WEBマーケティングツール最前線 Vol.15 企業のデータ活用を実現する データビジネスプラットフォーム「Rtoaster」

アパレルウェブ「AIR VOL. 44」(2021年2月発刊)より

written by 鎌戸隆輔(アパレルウェブ)

今回本音で聞いた人はこの人:

 

株式会社電通クロスブレイン
(株式会社ブレインパッドと株式会社電通グループの合弁会社)

プランニング部 シニアDDMプランナー

渡部 高志氏

 

  日頃デジタルマーケティングを実践する中で、気になったツールやサービスを提供している会社に突撃取材します!サービスの紹介で終わるのではなく、デジタルマーケティングのヒントになる様な、ここでしか聞けないインタビューをアパレルウェブ1のツールマニア、鎌戸がお届けします。

ポイント:

ユーザーをしっかりと区別して、
個別にコミュニケーションをとることがこれからはマストに!

取材するサービス:

企業のデータ活用を実現する
データビジネスプラットフォーム「Rtoaster」

どういうサービス?

ブレインパッドのサービス「Rtoaster(アールトースター)」がどのようなサービスなのか、またサービスの強みを教えてください。

 Rtoasterはデータの収集・加工・分析・可視化・アクションといったデータに関わる取り組みやマーケティングを実現する機能をワンストップで提供するデータビジネスプラットフォームです。2006年に株式会社ブレインパッドが開発しました。データの収集や可視化といった各々の領域に特化したサービスは他社さんでもあると思いますが、この一連の流れ(収集からアクションまで)をRtoasterは一括で実現することが可能です。また、元々Rtoasterはレコメンドエンジンからスタートしているため、レコメンド精度はとても高いです。

 

 例えば、サイト内のユーザーの行動をスコアリングして、レコメンドに反映させることも可能です。加えて、人的な支援サービスも充実していると自負しており、初期設定だけではなく、実際に活用している企業様と伴走する形でRtoasterやデジタルマーケティングの支援をさせて頂いております。というのもブレインパッドは元々データ分析(アクセス解析などを含む)を本業としていた企業ですので、「データはアクションにつなげるために分析、活用していく」という意識が根付いています。

 

 クライアント様の課題を解決するためには?というところから逆算したデータ分析やアクションのご提案ができる点はブレインパッドの強みです。ですので、仮にデジタルに関する知見が担当者様になくても、データ活用ができるプロダクトと人的支援ができる企業でもあります。

そもそもなぜ今、企業側のデータ活用がここまで重要になっているのでしょうか。

 これは皆さんも肌でも感じていると思いますが、デジタル抜きでの購買行動はもう有り得ないからです。ECで購買するもそうですし、実店舗で購買するにしてもSNSやWebサイトで情報を取得していると思います。こうした現状を考えるとデジタルはもう私たちの生活において当たり前になっています。企業はこのデジタル上のデータを活かし、ユーザーを理解していく取り組み、つまりユーザーを一人一人区別して、個別のコミュニケーションをデジタル上でとっていくことはマストであると言い切れます。

様々な業種で、350社以上の企業で導入されている「Rtoaster」(2021年03月現在)

Rtoasterはデータ分析からアクションまでを一括で行えるとのことですが、実際にはどのようなアクションを実現するのでしょうか。

 アクションとしては大きく、①Webサイト内のアクションと②自社で保有しているチャネルからのアプローチの2つに分けられます。まず、Webサイト内のアクション(レコメンドやWeb接客)です。これはよく、他社さんのWeb接客のツールとも比較されるのですが、他社さんのWeb接客が実店舗における“お声がけ”をECでも再現しているのに対して、Rtoasterは“お声がけ”に加えて、“商品の棚”をレコメンドで再現しています。

 

 店舗であれば、一人一人に棚を変えるのは難しいですが、ECであればそれも可能です。また、2つ目の自社で保有しているチャネルからのアプローチはアプリやメールマガジン、LINEを通してパーソナライズされた情報の配信が可能です。LINEに関してはRtoasterの管理画面でセグメントしたお友達に対して、メッセージや情報配信をすることが可能です。料金体系上、LINEなどは一斉配信するとかなり高い利用料になってしまうので、セグメントをして、配信量を効果的に絞ることで、費用対効果を改善させているクライアント様もいらっしゃいます。

実際にRtoasterを使った改善事例を教えて頂けますでしょうか。

 具体的な数値や社名は申し上げにくいのですが、Rtoasterはレコメンドを軸としたWebサイトの最適化に強みがあるので、Rtoasterを活用することでECの購入率(CVR)や単価向上が効果として現れています。そのための施策事例としては、アパレル企業さんの場合、商材がより嗜好性が高いものになりますので、レコメンドの情報として色味や柄、サイズといった情報を織り交ぜより精度の高いレコメンドをする様にチューニングしたりしています。あとは店舗の購買データを取り込んで、レコメンドにつなげることも可能で、Rtoasterをスタートさせるときは店舗データからレコメンドするケースが多いですね。

Rtoasterのサービスは大きく3つ「Rtoaster insight+…スモールなデータ活用を実現する次世代CDP」「Rtoaster action+…顧客へのアプローチをパーソナライズ」「Rtoaster reach+…最適なチャネルで良質なコンテンツを配信する」に分けられる

最後に様々な企業を支援する御社から見て、デジタルマーケティングやDXが成功する企業とそうでない企業の差を教えてください。

 そうですね。よく言われている話かもしれませんが、組織としての部門間連携がスムーズかどうかや上層部の理解があるかないかといった点は成功する企業とそうでない企業の大きな差だと私も本当に思います。実際に支援させて頂いた企業の中でも、そういった課題を解決する為に弊社が間に入りプロジェクト進行がスムーズにいくように、実行部分や取組内容説明などを支援させていただくケースがありましたね。また、データを活用して○○を実現する、ユーザーに価値を提供する!といったデータ活用から実現したいアクションを描けている企業は成功すると思います。

 

 例えば、“定番商品ばかり購入するAさん”と“シャツしか購入しないBさん”とではすすめる商品や棚も違ってくると思います。そして、店舗ではAさんとBさんにあわせて即座に棚を変えることはできませんが、ECではレコメンドという形で実現できますよね。データ云々の前に、こうしたホスピタリティからくる仮説を肌感覚でも立てることができる人が多くいる企業は、デジタルに今強くなくてもデジタルを活用したマーケティングで成功できるポテンシャルをもっていると思います。データ分析やデジタルマーケティングは企業の課題を解決する手段であり、それ自体が目的ではありません。

 

 何を実現するためにデジタルマーケティングやデータ分析をするのか?という軸が一本ある企業はやはり強いのかなと思います。こうした企業様に対して、私たちはデジタルやデータ分析の知見でデジタルマーケティングの領域やDXをサポートすることができます。実現したい理想があり、デジタルマーケティングをより加速させたい企業様がいらっしゃいましたらぜひお声がけ頂ければ幸いです。

 

株式会社ブレインパッド

「Rtoaster」の公式サイト:https://www.brainpad.co.jp/rtoaster/

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