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2021.03.03
【2021秋冬ミラノ ハイライト2】リラックスウェアからの脱却 カラフル&メタリック、マスキュリン、センシュアル&ロマンティックなどの提案が彩る
(左から)ドルチェ&ガッバーナ、ヴァレンティノ、ジョルジオ アルマーニ
2021月24日~26日分に続き、2月27日~3月1日のハイライトをレポート。今シーズンのミラノコレクションではステイホームに対応するリラックスウェアの流れはもうそろそろ終わり、この楽ちん状態からどう脱出するかをそれぞれのブランドが模索した感がある。それは未来的な雰囲気、反骨精神や開拓者からのインスパイア、好景気で世界中に勢いがあった時代へのオマージュなど、様々な形で現れた。例えばカラフル&メタリックの華やかなムード、マスキュリンなイメージとセンシュアルでロマンティックなイメージのミックス…等々。またパンデミックの影響で瀕死のミラノへの愛や、ミラネーゼを意識している部分もあった。まだ全く先の見えない状況ではあるが、それゆえにせめてファッションでは自由や解放を求め、将来への希望を謳うコレクションが多かったように思う。
それにしても、これまでは毎回寒かったり雨の日が何日かは必ずあって、防寒や雨対策からは程遠い恰好のファッションピープルたちを苦しめたものだったが、今シーズンのミラノは全期間を通じて温かく好天だったのが何とも皮肉なデジタルファッションウィークだった。
スポーツマックス(SPORTMAX)
「スポーツマックス」が今回のコレクションでインスピレーション源としたのは、1920~90年代に活躍した何人かの強く個性的な女性たち。特に中心となるのは、「狂騒の20年代」と呼ばれ、現代にも共通する不確実ながらも希望に満ちていた1920年代を中心に活躍した、作家兼アーティストのクロード・カーアン。シュールレアリズムの立役者と言われ、現代に通じるジェンダーベンダーの価値観を打ち出した先駆的存在でもあった彼女を中心に、グレイス・ジョーンズやアニー・レノックス、シネイド・オコナーなどに同じスピリットを重ねながら、レトロ・フューチャリスティックなテイストを構築する。
そんな今回は、アンドロジナス的な雰囲気の中に、マキシマムとミニマムの遊びや、グラマラスさ、センシュアリティと厳粛さ、慎み深さが共存する多様なコレクションとなっている。
ボディラインに沿ったロングドレスやロングジャケットやロングカーディガンなど細く長いシルエットと対照的なバルーンスカートやファーコートなどボリューミーなアイテム。チュールや薄いモヘアニットなど透け素材の一方で、レザーや熱処理したウールなどのハードな素材も多用される。黒のロングドレスにはカマーバンドのような帯が巻かれていたり、レザージャケットにロングタイトなドレスがコーディネートされたり、ミニドレスにはパンツをレイヤードするなど、マスキュリンとフェミニンも共存している。アクセサリーにおいても存在感のあるスクエアトゥのラバーソールブーツやポンポン風に編んだボリューミーなニットバッグもあれば、指先だけを覆ったようなミニマルなグローブもある。
床に落ちたシャンデリアの大写しで物々しくスタートし、黒のルックのシリーズによるダークな雰囲気のオープニングから、終盤はトータルホワイトの未来的なイメージへ。それには暗黒の現状を抜けて自由に開放される明るい未来へのメッセージが重ねられているかのようだ。
オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)
「オニツカタイガー」は2014年以降東京コレクションに参加していたが、今回はミラノファッションウィークに初参加。ミラノで活躍する次世代のアーティストたち3人が登場し、音楽アーティストのM¥SS KETAが進行役的役割となったユーモラスなショートムービーによって最新コレクションを発表した。
今回のコレクションで、クリエイティブ・ディレクターのアンドレア・ポンピリオは、冬のヒマラヤ山脈がそびえる雄大な自然をキーワードとし、70年代のトレッキング・ハイキングシーンからインスピレーションを得たという。フリース素材、ネオンカラーと刺繍ステッチを施したナイロン素材を多用し、スポーティなイメージの中にテーラード風テイストを組み合わせる。フォルムはクラシックなコートがダウンで仕上げられていたり、ピンストライプのミニドレスの上にダウンの帯のようなベルトが巻かれていたり。足元にはグリップ性に優れたブーツやファー付きのスニーカーが合わせられている。これは都市生活や現代社会を険しい山に例え、険しい山をもしがみついて登りきることをイメージしているのだとか。
またテキスタイルブランド「ノワート(nowartt)」のデザインナー 兼アートディレクターである足立豊樹とのコラボレーションによるフローラルのグラフィックを落とし込んだピースなどがメンズとウィメンズで登場。グラフィックは「ヴィンテージ×アート」「アナログ(手書き)×デジタル」という相反する2つのコンセプトを掛け合わることで生まれたそうだ。
イタリアでは2013年のピッティ・ウオモにてコレクションを発表し、昨年12月には旗艦店をミラノにオープンするなど、イタリアでの認知度もどんどん上がっているオニツカタイガーの今後に期待したい。
ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)
今回、「ジョルジオ アルマーニ」は同日にメンズ、ウィメンズのコレクションを発表。混合ショーという形ではなく独立した2つのショーをデジタルにて配信した。
ウィメンズコレクションのテーマは“Nocturnal(夜行性)”。「夜」を感じさせるシックな雰囲気で、すべてのルックにイブニングのようなロマンティックなラグジュアリー感がある。それは多用されるベルベットや光沢素材、ラッフルやワイヤー仕立て、ドレープやマイクロプリーツなどで作られる流れのあるラインや、ビジュー、マクラメ刺繍、リボンやコサージュなどのディテールなどに象徴される。縦に長いジャケットはウエストをシェイプし、ショート丈のジャケットやジレはお腹を見せるコーディネートなのもフェミニンさを強調する。
ブラックやブルーを多用しながら、その中にターコイズグリーン、ペールトーンのパープルやピンクといった様々なカラーが差し込まれ、円のモチーフ、または不規則なチェックのようなプリントもアクセントを添えている。
一方、メンズは“Passage-それぞれの道‐”というテーマで、着る人それぞれのスタイリングに重きを置く。それは「着る人一人一人が自分の思い通りに組み合わせ、コーディネートし、自分自身を表現できる洋服」だという。今回のコレクションでは、ノーラペルやショールカラーだったり、合わせ部分がアシンメトリーになったジャケットなど、ちょっと外したアイテムが特徴的だ。
着物のようなローブやパイピングの入ったシャツなど、ラウンジウウェアのようなアイテムも見られる。またはオーセンティックなアイテムにはベルベットとウールのジオメトリックパッチワークやカラフルなフローラルパターン、アルマーニには珍しいアニマル柄など大胆なモチーフが使われている。
いずれもショーのフィナーレには、ショー会場のアルマーニ・テアトロの真ん中に置かれた、ジャイアントゴリラのオブジェ「URI」と共にジョルジオ・アルマーニが登場。このオブジェは、マルカントニオ・ライモンディ・マレルバに手による作品で、ジョルジオ・アルマーニの自宅に置かれているものだ。絶滅危機にあるジャイアントゴリラのためにアルマーニはWWFに寄付も行っているが、このゴリラをショーに「参加」させることで、自然との関係を保つことへの注意を喚起しているのではないだろうか。
サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)
“FUTURE POSITIVE”をテーマにSF映画のようなセットで撮影された映像を公開した「サルヴァトーレ フェラガモ」。クリエイティブ・ ディレクターのポール・アンドリューは、春夏コレクションでもヒッチコック映画に焦点を当てていたが、今回は「ガタカ」「夢の涯てまでも」「マトリックス」など未来を描いたSF映画がインスピレーション。アンドリューは「創業者サルヴァトーレ・フェラガモが自身のコレクションを「前に進む人すべてに捧げる」といったように、今こそ再考、再構築、前に進むことを決心して団結するべき時」であり、「階級、肌の色、信条から解放し多様性とポジティビティを組み合わせたより理想的な未来を担う新しいユニフォームを提案」したと言う。
そんなコレクションは、ビジネス、ミリタリー、イブニング、スポーツウェアなど「現代のユニフォーム」ともいえるアイテムを、古い感覚を取り払ってアップグレード。まず目を引くのはライトブルー、オレンジ、パープル、グリーンなどの鮮やかな色遣い。これらの色を光沢のあるレザーやウールなど未来的な雰囲気が漂う素材を使い、ロングコートやドレスなど面積の広いアイテムやワントーンでセットアップやレイヤードすることで、日常的なアイテムに非日常的なイメージが漂う。またPVCもトラウザーやアノラックなど意外なアイテムで登場する。ニットレギンスや毛足の長いフリンジのドレス、シルバーメタリックを使ったコートやバッグなど、アイテムそのものが未来的な感じを醸し出しているものもある。そして足元を飾るのは、スペースバイカーブーツ、スキューバソックスニーカー、メタリックなFヒールサンダルなど存在感のあるデザインだ。
未来を考えるにあたり、忘れることができない環境の問題にも意識を向けたと言う。このコレクションでは、使用済リサイクル素材から作られるポリエステル、環境責任を持って管理するウッド、消費前のリサイクル TPU ゴムやポリウレタン、植物由来の素材で鞣したメタルフリーレザーなど環境への影響を極限までに抑えた生産方法を採用。またアップサイクルされた消費前の端材、消費前および消費後のウールやカシミヤ等認定されたリサイクル素材、クロムフリー、あるいはメタルフリーのプロセスで鞣したレザーを使用し、100%使用済認定のリサイクル PET で出来た糸を使ってシューズやレザープロダクトの一部の縫製している。
ディースクエアード(DSQUARED2)
キャンピングカーでお気楽に放浪しているのであろう自由奔放な若い男女の様子をショートムービー形式で公開した「ディースクエアード」。
男女混合で発表されたコレクションでは、両方に共通して「ディースクエアード」がお得意とする要素が満載されている。デニムはブロークンからノーウオッシュ、またはカラフルなパッチワークが貼り付けられたものまで登場。カナディアンセーターは、熊のモチーフや、カナダの国旗のメープルモチーフがセーターだけでなくバッグにも。チェックシャツはパッチワークで使われるほか、ウィメンズではボディスーツの上から羽織り、メンズではトラックパンツとコーディネート。弾けた感じのパーティームードはウィメンズではスパンコールのブラをジャケットの上から付けたレイヤードや、スパンコールのミニドレス、透け素材のドレスなど、メンズではレザーパンツのタキシードやデニム素材のドレスシャツなどで表現される。
常にポジティブなエネルギーを振りまいてきた「ディースクエアード」が今の時代に提案するのは、やはり自由なハッピームードなのだ。
エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)
いつの時代もリゾートの楽しい雰囲気を大事にしてきた「エミリオ プッチ」。今シーズンも、カプリやサントロペのような夏の高級リゾート地のイメージを、そのままウィンターリゾートとしてサンモリッツに移したようなコレクション映像をデジタル配信によって公開した。
場所や季節が変わっても、太陽がさんさんと輝くような明るいイメージは同じ。アーカイブにあるチェルビニア、コルティーナ ダンペッツォ、スペッキ、ナッピーネなどの柄と同じ色合いの、オレンジ、レモンイエロー、ピンク、ライトブルーなどのカラフルな明るい色が使われている。秋冬シーズンにはそれがキルティングブルゾンやロングコート、ダブルフェイスのチュニックコート、モヘアジャカードのポロなどで展開される。そんな中にシフォンにフリンジをあしらったドレスや、プリーツのミニドレスなどのエアリーな要素もプラスされる。
ステイホームの毎日の中でますます強くなるリゾートや明るい色への憧れを実現してくれるようなコレクションだ。
エリザベッタ フランキ(ELISABETTA FRANCHI)
今シーズンの「エリザベッタ フランキ」 のキーワードは乗馬スタイルをメインとした洗練された貴族的エレガンス。今回も壮大なロケーションで撮影された映像が配信され、冒頭ではモデルたちが厩を歩いたり乗馬をするシーンが美しい自然の映像と共に登場。それに続くランウェイでは舞台を乗馬練習場に移し、本物の馬までが登場する。
コレクションは、乗馬風ジャケット、ジョッパーパンツ、乗馬用ブーツ、ジョッキーハットなどドンズバの乗馬ルックを中心に、乗馬が似合う階級に身を置く女性たちの貴族的なスタイルが繰り広げられる。それらを象徴するのは、幾何学的な形のケープやテーラード風コート、パフスリーブのブラウスやフリルやリボンが施されたドレスシャツ、レイヤードフリルのスカートやチュールのボリューミーなスカート、ボウタイ遣いやウエストマークしたベルト、または各所に施された馬の蹄鉄のディテール等々。
今シーズンも独自の世界を行く「エリザベッタ フランキ」。でもそこに描かれているのは、今シーズン多くのブランドが求めている、自由でエネルギッシュな女性の姿だ。
エムエスジーエム(MSGM)
今シーズン「エムエスジーエム」はミラノの歴史的な劇場、テアトロ・マンゾーニを舞台に、巻き戻しで繰り広げられるちょっと不思議な映像でコレクションを発表した。テーマとなっている“MANIFESTO”というのは、Gea Politi&ClubDomaniの曲のタイトルに由来している。これは「Milano is ~」というフレーズが延々と続く催眠的なリズムな曲で、最後のフレーズ「Milano changes without changing. Milano today, Milano Domani」でエンドロールが流れる(逆回しなので、エンドロールも下から上がるのではなく上からおりてくる)。
コレクションでは、コンサバティブでブルジョア的なミラノと、現代的でアンダーグランドなミラノの両方の顔を表現している。シルエットはシャープで、トレンチコートやスーツ、ジャケット、ペンシルスカートやミニドレスなどオーセンティックなアイテムが多いが、全体的にカラフルで、光沢のあるラテックスとパテントレザーやサテンシャツなど光沢のある素材を多用した未来的なイメージが漂う。またミラノを拠点とするアーティスト、アレッサンドロ・カラブレーゼとのコラボによるフラワーモチーフなども使われている。
モデルとして起用したのはミラノ在住のパフォーマーたち。最後のシーンでは観劇の後、皆が席から立ち上がって出ていくシーンで終わる。でも実際のところはミラノではシアターは感染対策のため完全封鎖状態であり、文化的な活動は全体的に厳しく制限されているのが現状だ。ここにはそんなミラノに対するマッシモ・ジョルジェッティの愛や、未来への希望が込められているのだろう。
ヴァレンティノ(VALENTINO)
「ヴァレンティノ」は前回に続き、新コレクションの発表の場として本国イタリアを選び、ミラノの劇場ピッコロ・テアトロにて、ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団とイギリス人シンガーソングライター、コジマ(COSIMA)によるミュージックパフォーマンスをライブストリーミングで発信した。これには感染防止対策のための劇場閉鎖によって困難に直面しているイタリアの文化活動を応援しようという、「ヴァレンティノ」とピエールパオロ・ピッチョーリの姿勢が示されている。
無観客とはいえ、ショーのために劇場を再開することは大胆で挑戦的な決断であり、そんな思いがコレクションに反映されている。ほとんどのルックに白と黒だけを使い、シルエットはイブニングのシリーズを除いた大部分が、ボリューミーなトップにボトムはミニ、という潔さだ。袖の部分をカットしたようなマント風ジャケット、ケープやショート丈にしたピーコート、または大柄のダイヤモチーフやレーザーカットのロングコート。またはフェザーやフリンジ、立体的な花のモチーフやビジューなどの職人技のきいたディテールが施されたトップ。一方ボトムはミニフレアスカートやミニプリーツスカート、そして足元はハイヒールやボリューミーなブーツを合わせている。フリルやリボン、ポルカドットなどのロマンチックなディテールが生かされる一方で、ネットやレース、レーザーカット使いなどによって肌を見せる官能的なディテールも特徴的だ。そして終盤は、「ヴァレンティノ」らしいシフォンやマクラメ、ドレープなどが施されたドレスなどイブニングのシリーズで締めくくられる。
ショーのフィナーレではモデルたち全員が舞台上に並び、その舞台をヴァレンティノレッドの照明が照らした。ファッションは文化であるという自覚、そしてコロナ禍での文化活動全体を応援していきたいという「ヴァレンティノ」とピッチョーリの熱い思いが、ミラノのような辛い規制下で生きているわけではない人たちにも伝わることを願う。
ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)
「ドルチェ&ガッバーナ」は圧巻の135ルックと共に、ヒューマノイドロボット「iCub」と「R1」がランウェイの主役(?)となるコレクション映像を配信。ロボット工学、ニューロサイエンスなどの研究機関であるイタリア技術研究所(IIT)協力の元、普段は医療や社会福祉に従事しているロボットたちが、舞台の真ん中で指示を出したり、モデルと共にランウェイを歩いたり。
そんな今シーズンのテーマは“NEXT CHAPTER”。「ロボット」、「テクノロジー/未来」、「ニュージェネレーション」、「90‘s」、「個性」そして「クラフツマンシップ」がキーワードだとか。シチリアを中心としたイタリアの伝統や職人技を常に大事にしてきた「ドルチェ&ガッバーナ」とロボットは一見相反するようだが、そもそも伝統はイノベーションから生まれており、ロボットも人の手で作った職人技であると2人のデザイナーは考える。そして、84年のデビューから今までやってきたことを振り返りながら、新しい素材やシルエットで新時代に向けて踏み出すという意味でこのようなテーマを打ち出したと言う。
コレクションは90年代テイストに未来的なディテールやデジタルの世界を融合。ショルダーラインを強調したボックスタイプのパワージャケットやワンピース、ボディコンシャスなミニドレス、ハイウエストのテーパードパンツといった当時のテイストが満載。そしてビスチエやボディスーツ、ガーターベルト、ネックレスの重ね付けは、同ブランドが衣装提供していたマドンナの初期の頃のような雰囲気だ。そんな中にブラトップやトラックパンツ、サイクリングパンツやスタジャンなどスポーツテイストをミックス。ジップ使いの多機能ジャケットや、ダウン、キルティングなど今っぽいアイテムもきちんと押さえられている。そしてこれらはカラフルにメタリックやガラスのような光沢の新素材や3Dプリントなどで現代風に表現される。
「90‘S Fashion」、「I ♥supermodel」などのスローガン、レオパードプリントやドット、グラフィティ風にプリントされたDGロゴなど「ドルチェ&ガッバーナ」らしいモチーフもたくさん登場する。今の時代へのアイロニーともいえる、フェイスシールドのようなイメージのヘアアクセサリーやアイウェアも目を引く。
90年代を意識したことについて、デザイナーの二人は「90年代にはまだ生まれていなかった世代の若者たちが、この時代に憧れている。そして若者は私たちとはまた違う感覚でそのセクシーさをとらえている」と語る。こんな風に時代の変化や今の動きを敏感に感じて、それを昇華していく柔軟なセンスというのも、「ドルチェ&ガッバーナ」がトップブランドの一つに君臨し続ける理由の一つなのだと改めて実感した。
取材・文:田中美貴
田中 美貴
大学卒業後、雑誌編集者として女性誌、男性ファッション誌等にたずさった後、イタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、カルチャー、旅、食、デザイン&インテリアなどの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。アパレルWEBでは、コレクション取材歴約15年の経験を活かし、メンズ、ウイメンズのミラノコレクションのハイライト記事やインタビュー等を担当。 TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントのオーガナイズやPR、企業カタログ作成やプレスリリースの翻訳なども行う。 副業はベリーダンサー、ベリーダンス講師。