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2020.12.03

【本音で語るツール活用術】WEBマーケティングツール最前線 Vol.13  短縮URLサービス「Bitly(ビットリー)」

アパレルウェブ「AIR VOL. 41」(2020年11月発刊)より

written by 鎌戸隆輔(アパレルウェブ)

今回本音で聞いた人はこの人:

ナビプラス株式会社
経営管理部 マネージャー

石川 俊夫氏

  日頃デジタルマーケティングを実践する中で、気になったツールやサービスを提供している会社に突撃取材します!サービスの紹介で終わるのではなく、デジタルマーケティングのヒントになる様な、ここでしか聞けないインタビューをアパレルウェブ1のツールマニア、鎌戸がお届けします。

ポイント:

世界の企業が実践しているブランディング術

URLからメッセージを伝えよう!

取材するサービス:

短縮URLサービス「Bitly(ビットリー)」

どういうサービス?

最初に御社の概要と、代理販売をされているBitly(以下ビットリー)がどんなサービスなのかを教えて頂けますでしょうか。

 ナビプラスは、Eコマースの中でもユーザーがサイトに訪問してから、購買までの領域を支援している会社です。具体的には、「サイト内検索エンジン」「レコメンドエンジン」「レビュー投稿エンジン」「カート離脱メール配信エンジン」などのマーケティングツールの提供を通じて、サイトの売上拡大と運用効率化の支援を行っています。 社員の半数以上がエンジニアという組織体制も特徴で、自社で開発・提供しているサービスが多いのですが、一部のサービスは代理販売による提供にてEC事業者様の支援をしております。今回お話をさせて頂くビットリーもナビプラスは販売代理店という形で、EC事業者様などにご提案しています。

 

 ビットリーは2008年に米国のニューヨークで誕生した短縮URLサービスに特化した会社、サービスです。この短縮URLサービスに特化した会社というのは、世界中を探しても他に中々なく、世界では短縮URLサービス=ビットリーとして定着しています。実際に米国のビジネス誌であるフォーチュン誌が年に1回、全米上位500社の総収入ランキングを発表しているのですが、ランキングの3分の2がビットリーを導入しています。日本でも航空会社のANAさんや無印良品さんにご導入頂いています。

 

米国を代表する企業のほとんどがビットリーを導入しているのですね。ビットリーには無償版とエンタープライズ版(有償版)があります。エンタープライズ版はどのような機能があるのでしょうか。

 ビットリーのエンタープライズ版には主に以下の6つの機能があります。“ブランドリンク”“カスタムリンク”“オート・ブランディング機能”“キャンペーン機能”“ディープリンク機能”“QRコード生成機能”です。ブランドリンクは短縮したURLに独自ドメインが使えます。無料版の場合、短縮後のドメインは「https://bit.ly/xxx」のようにビットリーのドメインになるのですが、このbit.lyの部分を任意で設定できます。これを設定することによって、リンクに対する視認性とリンクの信頼性を高めることができます。極端な話になりますが、SNSの投稿などで、bit.lyの短縮URLをそのまま表示させておくと、「怪しいサイトに遷移してしまうのではないか?」と考えるユーザーもいます。独自ドメインを設定することで、そのようなユーザー側の不安を解消することができます。例えば、Spotifyさんは「bit.ly/xxx」から「spoti.fi/xxx」に設定しています。

 

 また、BuzzFeedさんも「bzfd.it/xxx」と設定しています。このリンクに対する視認性とリンクの信頼性を高めるという話は数値としても反映されており、独自ドメインを設定した企業の中にはクリックが34%もアップした企業もあります。また、ブランドリンクは自社の名前に変更する以外にも、ブランドコンセプトや伝えたい理念にしているケースもあります。例えば、清涼飲料水を販売するRed Bullは「翼をさずける」というキーワードが有名ですが、短縮URLは「win.gs/xxx」となっています。win.gs、つまり「翼をさずける」というキーワードを短縮URLの独自ドメインからメッセージとして伝えているのです。

ビットリーを導入している企業は世界で活躍している有名企業が並ぶ

(ナビプラスの資料より)

 また、「https://bit.ly/xxx」のxxxの部分もカスタムリンクという機能で任意で設定することが可能です。特に、任意の文字をイベントやキャンペーン名にすることで、ユーザーにリンク先ページのイメージが伝わりやすくなります。Apple社の例では、Apple MusicのSNSアカウントがグラミー賞に関する投稿をするときに「apple.co/GRAMMYs」と設定しました。こうした、URLを通したブランディングをすることにより、クリック率の向上につながります。URLの遷移先を後から変更したい場合も管理画面から容易に設定できます。

 

 3つ目にオート・ブランディング機能があります。第三者がビットリーと契約している企業のURLを短縮した際にも自動で独自ドメインになる機能です。例えば、あるインフルエンサーがこの機能を利用しているドメインをビットリーの無償版で短縮して拡散するときも、自動的に独自ドメインになります。Amazonがこの機能を活用しており、AmazonのURLを第三者がビットリーで短縮すると、「https://amzn.to/xxx」となります。あとは、スマートフォンアプリの特定のページに遷移するリンクのディープリンクも設定することが可能です。また、管理画面で多くの短縮URLを管理できるキャンペーン機能や短縮URLのQRコードを生成できる機能がエンタープライズ版のビットリーで実現できる機能となります。

様々な機能をビットリーのエンタープライズ版はもっていますが、実際に導入した企業はどこに魅力を感じてビットリーを導入するのでしょうか。

 ブランドリンクやカスタムリンクといった、URLを独自に設定できるというメリット、つまり、URLからブランディングができるメッセージをお客様に伝えることができるという点に魅力を感じ導入して頂くケースが一番多いですね。「あとはシンプルにURLが長いので何とかしたい。」「既存のURLでSNSに投稿したくない。」という悩みを解決するためにビットリーを使うというケースも多いですね。ただ、正直申し上げますと、ナイキさんや無印良品さんでの事例はあるものの、ファッション業界での活用はまだ少ないのが現状です。

 

 しかし、個人的にはブランディングが命のファッション企業とビットリーとの親和性は高いと考えています。ブランディングというと、大規模なプロモーションや大企業がお金を使って実施するイメージがありますが、必ずしもそうでは無いと考えています。もちろんそれらも重要ですが、自分たちのメッセージを適切に伝え、お客様に伝わることがブランディングの本質ではないでしょうか。URLはロゴやブランドの写真と同じく、お客様の目に触れる機会が非常に多い視覚情報です。そういった意味では、ビットリーでURLを意味のあるメッセージにすることは、シンプルにブランディングを始める第一歩だと思っています。

ブランディングの一環としてURLを通してメッセージを伝えている

(ナビプラスの資料より)

最後に様々な企業にサービスを提供するナビプラスさんから 見たDX(デジタルトランスフォーメーション)が成功する企業 とそうでない企業の差を教えてください。

 何をするにしても、スピードが本当に大事だと考えています。決断のスピード、導入のスピード、改善のスピードです。早く決めて、早く導入して、早く改善していく。他社の様子を見て動きたい気持ちも分かりますが、所詮「よそはよそ」。他社でうまく行ったことが自社でうまく行くとは限らないし、もちろんその逆もあると思います。であれば、先行して導入して、いち早く自社のビジネスのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進した方がいいです。先行者は、後発と比べて恩恵も多く受けられるわけですし。その観点で、DXは成功するかしないかではなく、いつから恩恵を受けられるかだと考えています。現在のような状況ではそういったスピードが出しづらいかもしれませんが、勇気をもってアクセルを踏むことも必要なのかもしれません。

 

BitlyEnterprise代理店 ナビプラス株式会社

Bitly Enterpriseの公式サイト:https://bitly.jp/

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