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2020.05.15

【本音で語るツール活用術】WEBマーケティングツール最前線 Vol.6――リターゲティング広告「RTB House」

アパレルウェブ「AIR VOL. 30」(2019年12月発刊)より

written by 鎌戸隆輔(アパレルウェブ)

今回本音で聞いた人はこの人:

RTB House Japan 株式会社

Sales Director of Japan

高橋 君成氏

 

  日頃デジタルマーケティングを実践する中で、気になったツールやサービスを提供している会社に突撃取材します!サービスの紹介で終わるのではなく、デジタルマーケティングのヒントになる様な、ここでしか聞けないインタビューをアパレルウェブ1のツールマニア、鎌戸がお届けします。

ポイント:

CVしない限り費用は頂きません!
成果報酬型のWeb広告「RTB House」

取材するサービス:

リターゲティング広告「RTB House」

どういうサービス?

特徴① CPA、CPS 課金…CV が発生して初めて、コストが発生。

 

特徴② ラストクリック計測モデル…CV の直前に接触した場合のみ、   成果としてカウント

まずは御社のサービス概要を教えて頂けますでしょうか?

 

 私たちは基本的にはデジタル広告の中のリターゲティング広告がビジネスのメインとなります。2012年はGoogleで初めて画像認識の技術が確立されるなど、ディープラーニング元年と呼ばれていています。RTB Houseもポーランドで2012年に設立されており、ディープラーニングを100%活用した広告配信が強みとなります。

 

 また、最大の特徴としては、他社とは課金方法が異なる点があると思っています。通常のリターゲティング広告は1クリックごとに費用が発生するCPC課金がメインなるかと思いますが、RTB Houseの場合は購買や登録などが発生した時点で費用が発生する通称「CPA、CPS課金」の課金方式も出稿者様には使って頂ける様になっています。もちろんこの場合、いくら表示、クリックされても、ユーザーの購買・登録が無い場合は費用が発生しません。

 

 また、アトリビュージョン計測モデルもラストクリックモデルを採用することが可能です。つまり、RTB Houseの広告から直接CVにつながった場合のみを成果として、コストが発生するということです。よく出稿して頂いているお客様からも御社の利益は大丈夫ですか!?と聞かれるのですが(笑)、配信エンジンが優れており、自信があるからこそ、提供できる課金方式やアトリビュージョン計測モデルになります。

 

他社のリターゲティング広告は「マシンラーニング」、御社の広告は「ディープラーニング」で学習におけるロジックが違うと思うのですが、御社から見てこの2つの違いどこにあるのでしょうか。

 

 私も理系の人間ではないので、あくまで一意見として聞いてほしいのですが、学習する深さが全く異なります。文字通り深層まで学習するのがディープラーニングとなり、様々な分析手法がありますが、弊社ではDNN+LSTMという分析手法を採用しています。このLSTMという分析手法が肝となり、これまではRNNという分析手法がありました。ただこのRNNは短期的な情報のみで判断するため、過去の学習データなどを参照にしないことがあります。LSTMでは過去の学習データも保存しながら分析を進めるため、より精度の高い広告配信が可能になりました。

 

では実際に出稿主から見て、ディープラーニングの広告サービスを使うメリットは、どういったところにあるのでしょうか。

 

 広告出稿の際、人が多く関与することによって「広告はこうあるべきだ!」という一種のバイアスが働くと思います。一方でディープラーニングのエンジンは、クッキーベースであらゆるユーザーの情報を加味して、広告ロジックを組み立て配信します。そういう面ではディープラーニングの方が、多くの情報をフラットな目線で判断していくので、誤った判断をすることは少ないのかなと思っています。

 

 例えば、ある広告主サイトではサイトに5回訪問をすると突然CVRがあがる、などの法則が存在すると思います。また特定のイベントが発生した際に、CVRがさらに高くなる場合、サイト内でのユーザー行動はとても多岐にわたり、表現豊かなものなります。そういった複雑な行動を分析できるのもディープラーニングの強みになります。

 

AIにラーニングさせる運用方法がRTB Houseの基本だとは思うのですが、実際に広告主が運用する際は予算進捗の管理だけでいいという認識でいいのでしょうか。

 

 そうですね。予算以外のところはほぼ手を加えないですね。他のWeb広告では、商品カテゴリーごとにキャンペーンを設定すると思うのですが、RTB Houseはすべて1つのキャンペーンとして、切り分けずに運用します。これはより多くの情報をもとにラーニングさせるためです。また、RTB Houseは成功体験=CVをしたユーザーの行動のみ学習しています。ですので、CVしたユーザーのデータを意図的に増やすべく、初期は予算をかけてインプレッションやクリック数を上げて、CVをブーストさせることはしていますね。

 

広告出稿の精度を向上させるために、初期は予算を少し高めに設定して、CVの母数を増やすということですね。そうなってくると、例えばユーザー数や出稿金額などで向いているサイトと不向きなサイトもでてくると思うのですが。そこはいかがでしょうか。

 

 商材や状況で変動するので、出稿金額の下限はありません。ただし、CVの数が多くないと、ラーニングが進まないので、そこからおおよそ欲しいユーザー数は逆算できます。正直なところをお話すると、過去の実績から月間のユーザー数が30万人以上のユーザー数が無いと厳しいと思います。これは資料にも記載していません(笑)。逆に言いますと、その規模のECを運営している企業様であれば成果を残す自信があります。

 

ファッション業界ではGoogle広告など、御社とは異なる動的リターゲティング広告がすでに採用されていると思います。このような別の動的リターゲティング広告と、RTB Houseは共存できるのでしょうか。

 

 ファッション企業様で、RTB Houseを導入して頂くケースとしては、他社の動的リターゲティング広告と併用して、出稿するケースが一番多いですね。出稿先の配信面の重複などを気にされる方も多いのですが、RTB Houseは出稿面でなく、CVする可能性の高いクッキーユーザーに対して出稿します。もちろん面としては重複する場面もでてくるとは思いますが、精度の高い見込みユーザーに対して、広告訴求をするので、他媒体で売れていた売上を食い合うのではなく、シンプルに売上がプラスオンされるパターンが圧倒的に多いですね。また、最初にもお話しましたが、コストもラストクリックでCVが達成して、初めて発生する方式があるので、そこは安心して頂いてもいいと思います。

 

ファッション企業の場合、実際にROASはどの程度で推移しているのでしょうか。

 

 我々はラストクリックのCVのみを計測するモデルがあるのですが、ラストクリックROASで400%~1,000%ぐらいでしょうか。他社さんでよく利用されているアシストCV(直接CVせずに後日CVした場合も成果としてカウント)も成果に入れていいのであれば2,000%以上はいきますね。

 

ラストクリックで400%~1,000%はすごく優秀だと思います。

 

 そうですね。そこは自信を持っていますね。他社さんで言うと200%~400%が多いと聞いていますので。

 

成果報酬型の課金形式やラストクリックモデルのアトリビュージョンなど聞けば聞くほど、魅力的な広告だと感じました。最後に実際に御社で出稿する場合どうすればいいか教えていただけますでしょうか。

 

 ここまで話をしておいて、大変申し訳ないのですが、出稿には弊社の方で審査があります。まずはお気軽にお声かけ頂ければと思います。そしてRTB Houseとしては、最近ファッション企業様からも多くご興味を持って頂いているので、今後より多くのファッション企業様をWeb広告といった側面からサポートしていければと思います。

 

 

RTB House Japan 株式会社
公式ページ:https://www.rtbhouse.com/jp/
住所:〒141-0021 東京都品川区上大崎2-15-19 MG 目黒駅前ビル 807号

 

アパレルウェブ「AIR VOL. 30」(2019年12月発刊)より

 

 


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