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2020.03.26
【2020秋冬東京 ハイライト1】ファッションウィーク中止でも続くデザイナーたちの挑戦
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(写真)無観客でショーを行ったハイク
2020年3月16日~21日に開催を予定していた「楽天ファッション・ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO、以下RFWT)2020-2021A/W」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け中止になった。ファッション・ウィーク東京の中止は、東日本大震災が発生した2011年3月以来となる。ランウェイショーやプレゼンテーションでのコレクション発表を予定していたブランドは、RFWTの公式ウェブサイトや、自社ウェブサイト及びSNSなどで動画やルック画像を掲載しての発表となった。
ハイク(HYKE)
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「ハイク」は3月17日、東京・神宮前の「jing」で無観客のランウェイショーを行った。ミリタリーをベースとした「ハイク」らしい「エレガントな無機質さ」はそのままに、体を包み込むような大胆なケープやマント、Aラインのコートで、これまでのオーバーサイズという概念ではない、柔らかな縦長の美しいシルエットを描き出した。グレージュやカーキ、ホワイトでカラーを統一し、レイヤードで構築するシルエットやアイテムそのものの美しいフォルムを強調。ファーを用いたバッグやニットポンチョでアクセントをつけた。また、昨シーズンに引き続き、「アディダス(adidas)」とのコラボレーションライン「adidas by HYKE」のアイテムも登場した。
ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)
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「ドレスドアンドレスド」は無観客でのショーの様子を動画で発表。コレクションタイトルは“I can remember you.”。トラディショナルなトレンチコートやジャケットにブランドらしいエッジを効かせ、ユニセックスに紡ぎ上げた。今シーズン特徴的なのはダブルブレスト。ジャケット、コートのどちらにも取り入れられ、ともすればアウトオブデートな印象になりかねないダブルブレストを、シャープなシルエットでモードな表情に仕上げていた。また、真っ白なコートやセットアップに黒やゴールドのスプレーでペイントしたようなプリントが印象的。ファッション・ウィーク東京に参加し続け、東京ファッションを牽引し続けるブランドの貫禄を動画での発表ながらも見せつけた。
デザイナーの北澤武志は、「この状況の中、無観客とはいえショーを行えたこと、支えてくれた皆様に感謝します。またファッションが心から楽しめる時が戻ってくることを祈っています」とショー後のインタビューで語っていた。
マラミュート(malamute)
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「マラミュート」は公式インスタグラムのストーリーにて、無観客で行ったランウェイの様子を公開。2020秋冬コレクションは、“One’s Garden”をテーマに自然との調和を表現した。ブラウン、ベージュ、ホワイトなど、アースカラーを基調としたコレクションにイエローやレッドなどのチェックパターンでアクセントを。水の中を流れるようなフラワーパターンは、絵画のような、儚げな美しさで表現された。
ミントデザインズ(mintdesigns)
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「ミントデザインズ」は閉店後の渋谷パルコで無観客ショーを開催。”Route 88”をテーマに、レトロでポップなブリティッシュガールを表現した。「Route 88」はロンドンを走るバスの路線。プレゼンテーションはロンドンを象徴するダブルデッカーをバックに行われた。蛍光色で「ミントデザインズ」らしいポップなアイテムもありながらも、今シーズンはスモーキーなカラーで表現したノスタルジックなフラワーモチーフや、繊細なレースのドレスなど、エレガントな女性らしい装いが印象的だった。
ザ・リラクス(THE RERACS)
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「ザ・リラクス」は無観客ショーで2020秋冬コレクションをお披露目した。タイムレスなデザインで人気を集めている同ブランドだが、よりミニマルにシフト。ルックのほとんどがトーンオントーンやバイカラーの配色で凛とした佇まい。ブレザーやダッフルコート、ピーコートなどのBCBG風ルック、マウンテンジャケットやフィールドジャケットなどアウトドアルックも同じトーンで整えた。またレザーやスムースな素材を使用したオールブラックが目をひき、艶をまとったルックが多かったことも印象的。
スリュー(SREU)
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デザイナーの植木沙織とディレクターの米田年範が2016秋冬コレクションからスタートした「フルギニレース(FURUGI-NI-LACE)」をリニューアルして生まれたブランド「スリュー」。古着のリメイクを軸に、一点物の既製服をコンセプトに掲げ、サステイナブルなコレクションを紡ぎ上げている。今シーズンはトレンドのグランジを取り入れつつ、生地の張り感や艶、透け感をいかした女性らしいコレクションとなった。