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2019.12.13
ミレニアル世代が主役 2019年米国ブラックフライデーを考察
ウォルマート内の様子
NRF(全米小売り協会)によると、サンクスギビングデイから、サイバーマンデーまでの5日間の週に、昨年より14%多い、過去最多の1億8,960万人もの人がストアやウエブサイトで買い物をしたと伝えられています。その内訳けは、1億2,400万人が店頭で、7,570万人がオンラインからの買い物となっている。5日間の平均購入額は$361.90(前年比16%増)中でもブラックフライデーは、ドアバスターズと呼ばれる、店頭のみで販売されるセール商品目当てで、実店舗が最も忙しい日となり8,400万人が店頭へ足を運んでいます。
特徴的だったのは、感謝祭に店頭に足を運んだ消費者は2.3%増加したものの、ブラックフライデーは6.2%減少。モバイルからの注文が35%増加しており、多くの小売店がウエブやモバイルアプリによる効果的なプロモーションや、BOPIS(バイ・オンライン・ピックアップ・ストア)の導入で、ストレスフリーのオンライン購入を好む消費者が急増しています。
記録的な大量パッケージと配送のプレッシャー
参考:米国企業が2019年のホリデイ商戦に提供している送料と配達期間
企業 | 施策 |
アマゾン | 会員は無料で翌日配達、非会員は25ドル以上の購入で無料配送 |
ターゲット | 12/21まで、無料で2日後に配達(購入金額ミニマム無し) |
ウオルマート | 35ドル以上、無料で翌日配達 |
ベストバイ | 1000品以上、35ドル以上の購入で無料翌日配達(12/25まで) |
ギャップ | 全商品無料配送(12/4まで) |
K-マート | 59ドル以上、無料配達(12/16まで) |
メイシーズ | 一部地域のみ、75ドル以上で、同日配達をテスト |
ノードストローム | カード会員のみ無料翌日配送(NY ロス、シカゴ、ダラス、サフラン) |
オンライン購入を促す手段の一つとして、米国小売り業者は、かつてないほど安く、早い配送オプションを提供しました。ウエブ販売の増加に伴い、今年は記録的な大量の配送量となっており、様々な懸念事項が生じています。アマゾンでは、ピークシーズンをカバーする為に臨時の従業員を20万人追加。(UPSは10万人、FEDEXで5万5000人)サードバーテイの配送システムに頼っているウオルマートやターゲットでは、倉庫や店内でのフルフィルメントに焦点を当てていますが、アマゾンでは、注文のピッキング、梱包、配送、仕分け、配達の業務で構成され、ラストマイルの配送の40%を自社で処理しており、今年2万台のトラックトレーラーを準備しました。
しかし、配送の遅延や、玄関口に届けられた荷物の盗難、アトランタでは、武装グループがアマゾントラックを襲撃し60個の荷物を盗んだというニュースや、アマゾンで任天堂スイッチを注文した顧客の中で、大量のバッテリーや歯ブラシが届いたというケースが相次ぎました。また、UPSによると、12月は、1日に100万個、クリスマス前には160万個以上の返品配送を予測しているとアナウンスしています。無料でスピーデイな配送は、顧客獲得の最大のツールとなりつつありますが、アパレル商品の多くに見られる返品にかかるコストは利益を低下させる懸念事項となっています。
ブラックフライデーの最大の消費者はミレニアル世代
世代別ブラックフライデーの平均消費額
Source:PYMNTS.com dec 2019
米国決済関連のニュースに特化したメディア「PYMNTS社」が2,000人を対象にした調査で、今年のブラックフライデーで最も消費したのは昨年の平均382.40ドルに対し、今年の平均購入額は509.50ドル突出していているミレニアル世代。ブリッジ・ミレニアル(30〜40歳)も多く、平均$479.4ドルです。
店頭vs.オンライン
参考:2019年のブラックフライデーで消費者が購入したアイテム別シェア
アイテム | 店頭購入 | オンライン購入 | ||
年別 | 2019 | 2018 | 2019 | 2018 |
アパレル | 57.3% | 57.8% | 56.0% | 49.7% |
電化製品 | 44.6% | 48.3% | 51.6% | 47.4% |
食料品 | 31.3% | 27.8% | 15.3% | 11.5% |
本・音楽・スポーツグッズ | 24.3% | 23.6% | 22.9% | 20.8% |
ヘルス&パーソナルケアグッズ | 23.9% | 20.1% | 21.8% | 21.0% |
ブラックフライデーでは、昨年に引き続きアパレル商品とファッション雑貨の割合がトップになっていますが、オンラインでの購入が急増しており、ほぼ同じ割合にシフトしています。今年はブラックフライデーからクリスマスまでの期間が6日短い事もあり、早めに買い物を済ませたい消費者に合わせ、ウオルマートやターゲット等の大手チェーンでは、セールを前倒しにしている傾向がありました。
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