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2019.11.27

【本音で語るツール活用術】WEBマーケティングツール最前線 Vol.2――次世代モバイルマーケティングプラットフォーム「Adjust」

アパレルウェブ「AIR VOL. 26」(2019年8月発刊)より

written by 鎌戸隆輔(アパレルウェブ)

今回本音で聞いた人はこの人:

adjust株式会社

シニアセールスマネージャー(左)松下 豊氏

日本カントリーマネージャー(右)佐々 直紀氏

 日頃デジタルマーケティングを実践する中で、気になったツールやサービスを提供している会社に突撃取材します!サービスの紹介で終わるのではなく、デジタルマーケティングのヒントになる様な、ここでしか聞けないインタビューをアパレルウェブ1のツールマニア、鎌戸がお届けします。

ポイント:

WEB広告の効果を高めるには、アプリベースのセグメントを使え!

取材するサービス:

次世代モバイルマーケティングプラットフォーム「Adjust」

どういうサービス?

・アトリビューション(流入元分析)

・アナリティクス(アプリ内ユーザーの行動分析)

・アドフラウド防止(リアルタイムに除去)

・エンゲージメント(リエンゲージメントの促進)

Adjustの概要

鎌戸:まず最初にAdjustはどのようなツールなのか教えて頂けますでしょうか。

 

Adjust:弊社は「マーケターの活動をシンプルに、スマートに、安全に」をビジネスコンセプトとしています。Adjustはこのコンセプトを実現するためのアプリのプラットフォームとなります。提供する価値は主に3つです。まずは「メジャメント(計測をどこよりも緻密で、正確に)」です。AdjustはGoogleやFacebookを始めとする、主要な媒体と連携しています。連携させることで媒体を跨ぎ、あらゆる広告の効果を一つの管理画面で分析することが可能です。例えば、クリエイティブやキャンペーン単位でも効果計測が可能となります。この高い網羅性がAdjustの大きな強みです。

 

 次に「プロテクト(アドフラウドの判別、除去)」です。アドフラウド(広告詐欺)は、広告業界では非常に重要な問題となっています。実際にユーザーにリーチしていなかったり、インストールに貢献していない広告も費用として請求されると、広告予算がいくらあっても足りません。Adjustのアドフラウド防止機能はリアルタイムで不正を防止し、こうした事態を防ぐことが可能です。

 

 最後に「エンゲージメント」です。アプリサービスはインストール後、ユーザーに使ってもらわなければ意味がありません。仮にアプリを起動していないユーザーやアンインストールしているユーザーが多くいる場合、休眠ユーザーへのアプローチもマーケティングにおいては必要になります。その場合Adjustのリアルタイムコールバックやオーディエンスビルダーを使用すると、一定期間以上活動していない(デフォルトは7日間)休眠ユーザーをセグメンテーションでき、WEB広告やPUSH通知のセグメントとして活用することも可能です。

 

鎌戸:Adjustは類似する他のツールと比較してどのような特長があるのでしょうか。

 

Adjust:一番の特長は、アプリへの流入分析をすることに長けているところです。Adjustでは様々な広告からの流入を始めとする効果計測を一括で行うことができます。例えば、「広告経由でインストールしたユーザーVS広告非経由のユーザー」で比較して、インストール後のアクティブ率や売上、LTVなどを計測していくことなども可能です。これらの詳細な分析を可能にする、柔軟にカスタマイズ可能なレポーティング機能をご提供しています。

 

鎌戸:多くの企業に導入されているAdjustですが、御社から見て成功する企業とそうでない企業の違いがあれば教えていただけますでしょうか。

 

Adjust:成功している企業様は流入元分析に加えて、アプリ内のイベントをしっかりと設計し、分析しています。例えばEC機能を持つアプリの場合、お気に入り登録数やカート追加の数、友達へのシェア数などをイベントとして設計しています。これらの設計をすることで、どの流入元が優良なユーザーを連れてきているかを明確にできます。

 

 また、媒体に情報を共有することで、広告出稿のセグメントとして活用ができます。この様にユーザーの購買行動を意識して、アプリ内のイベントを計測している企業様は、デジタルマーケティングも上手だなと感じるところが多いですね。また、Adjustのローデータ転送機能を活用し、BI(ビジネスインテリジェンスツール)や外部のクラウドサービスと連携をして、アプリ内行動ログデータを活用している企業様も成果を出している印象があります。例えばGoogleのBigQueryに直接つなぎこむ事ができますが、そこで分析や、セグメントデータを抽出し、広告出稿やPUSH配信に活かすなどの活用が広がっています。

 

鎌戸:設計したイベントをセグメント条件として広告配信するのは収益に繋がりそうだなと感じます。もう少し詳しく教えて頂けますでしょうか。

 

Adjust:特にファッション企業のお客様は、リマーケティング広告の精度を上げるためにAdjustを利用してセグメンテーションするケースが多いですね。例えば購入頻度が高いユーザーと低いユーザーでは訴求の内容が変わってきますし、アンインストールしたユーザーにはアプリの機能改善やセールのタイミングで再インストールを促したり、再インストールしてくれた直後に特別なオファーを出したり、カートやお気に入りに何かを登録しているユーザーに購入を促す施策を打ったりと、セグメントとクリエイティブの掛け合わせで施策の幅は大きく広がります。Adjust はその施策一つ一つの良し悪しをしっかりと分析して振り返ることができます。また、動的リマーケティング広告は各媒体のロジックに任せて自動で最適化されるため、活用するお客様が多い印象です。

 

 これは一般論ですが、アプリ経由のユーザーは他のチャネルと比較して、ECのCVRは高い傾向にあると言われています。アプリをインストールするほどエンゲージメントが高いユーザーには、まずは最適な情報を訴求しましょう、という話で、アプリの行動を元にセグメンテーションして、最適化される動的リマーケティング広告が威力を発揮しているケースは多いです。

 

鎌戸:ファッション企業はECアプリだけでなく、エンゲージメントを重視したブランドアプリも多いです。その場合はどのようにPDCAを回していけばいいでしょうか。

 

Adjust:確かにEC機能を持っているアプリの方が効果計測はしやすいかなと思いますが一方で、ユーザーとのエンゲージメントを高めるためにアプリを活用するケースも増えています。ユーザーがどの時間帯に使い、どの機能をつかっているのか、どのコンテンツを見ているのかなど流入元ごと、リエンゲージメント元ごとに分析ができますので、エンゲージメント広告をいかに最適な媒体、タイミング、頻度、コンテンツで打っていくかAdjustを使って改善していくことができます。また、リアル店舗のあるブランドアプリの場合、KPIは店舗ごとでどの程度DLされたのか、アクティブなユーザーはどの店舗から獲得したユーザーが多いのかなどを、店舗ベースで効果計測してみてはいかがでしょうか。

 

 実際にQRコードを活用して、店舗ごとの効果計測をAdjustで実施し、そこから広告配信やユーザーコミュニケーションに活かす事例も増えてきています。「収益を増加させる」にも「エンゲージメントを高める」にも、アプリはデジタルマーケティングを促進させる上で欠かせません。企業もアプリをただ使うのではなく、アプリ計測を行なってしっかりと分析し、他のツールや媒体と連携させていくことが今後一層求められることは間違いないと思います。

adjust株式会社
所在地 〒150-0022
東京都渋谷区恵比寿南1-11-15恵比寿KDビル6階
公式サイト:https://www.adjust.com/ja/

アパレルウェブ「AIR VOL. 26」(2019年8月発刊)より

 

 


■AIR(APPARELWEB INNOVATION REPORT)とは…

 

 アパレルウェブが持つマーケティングプラットフォームに蓄積されたビッグデータやメディアのログなどから導いた独自データや分析結果、海外のファッションビジネスにおけるテクノロジー導入事例など、ファッションビジネスにおいて即効性のあるレポートを定期的に提供しています。

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